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どうも!イケメンの役がやりたいという願望が何故か伝わらない北沢力です!
最近、顔出しの役者さんと仕事をする機会が多かったのですが、表現のアプローチの違いを凄く感じました。
映像の仕事の場合ですと当然、表情や動きなんていう部分が重要ですし、その表情で何かを伝えられる場合も多いですよね。
声の仕事の場合ですと、表情や動きなんてものはマイクに乗りませんので、ソレらを声で表現しなくてはなりません。
僕は俳優という意識はありますが、声優的な仕事の方が圧倒的に多いので、声で伝えようという意識が強く働きます。
そういう僕が、映像系の役者さんと映像方面の仕事で仕事をした時に思った事があります。
「俺、声でけぇな!」
…むしろ、自分の声が大きいというよりは映像系の役者さんの声が小さいなと思いました。やはり、表情だったり動きの表現に多くの意識を置いているのでしょう。
逆に映像系の役者が声優系の現場に来て、一緒にやらせてもらった仕事もあったのですが、やはり上記したような事を思いました。
映像系の表現と声優系の表現はやはり違いますので、どちらかがその現場にアジャストした表現を提供しなければなりません。
映像系の仕事に行ったときは当然、僕が声優的な芝居を押し殺して皆に合わせるような芝居をしてきました。声優的に言葉をデフォルメするような芝居は映像には合わないでしょうから僕が合わせないといけませんからね。
声優系の仕事に映像系の役者が来た時の仕事ですが、本来ならば僕は声優的な表現でその映像の役者がこちら側の表現に寄せてくれれば良いように思いますが、その仕事は映像系の役者さんの喋りがメインだったので、これまた僕がそちらの表現に寄せた方が早いような感じだったので僕が調整しました。
映像系の仕事の時は、僕がそちら側の表現に合わせるのは当たり前だと思いますが、声優系の仕事で映像の役者の表現に僕が寄せるというのは…色々思う所はあります…が、仕方のない事なのでしょう。
結局何が言いたいのかと言いますと、表情とか動きとかという表現はわかりやすいですし、体が上手く動くのであれば、やりやすいんですよ。
でも、声の表現っていうのはその表情とか動きを声だけで表現しなくてはならないですから色々な技術が必要なんです。
映像の仕事が簡単だなんて事が言いたいわけではないですよ。当然、映像の役者だって動きを良く見せる為だとか良い表情を見せる為だとか、声優的な仕事が多い僕にはわからないような沢山の苦労がある筈ですから簡単なわけはありません。
視覚で感じる表現と、聴覚で感じ取る表現では、やはり視覚で感じる表現の方がわかりやすいですよね。
そうです。映像的な芝居の方が声優的な芝居よりも理解されやすいという事です。
伝え方が難しい声の表現ですが、だからこそヤリガイを感じる事もあります。
しかし、伝え方が難しいからこそ簡単そうに見えてしまう事もあるように思います。動いたり表情を作ったりする作業じゃありませんし、人によっては「喋るだけでしょ?」なんて事を言う人もいますしね。
確かに “ただ喋るだけ” かもしれませんが、その喋るだけという中にちゃんと人に伝えるという意識と技術を詰め込まないと声の仕事は成り立ちません。
“喋るだけ” なんて思われがちで簡単だと思われがちだけど実は凄く難しいという表現が僕は好きです。
色々な表現がありますが、声の表現と出会えた僕は幸せだと思います。