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すっかりコラム連載が滞っておりまして申し訳ありません。
タイトルの通り、これまで自分がジャンクステージで連載してきたコラムを振り返ってみましたが、正直、このコラムの在り方に疑問を感じてきました。
その心のわだかまりが、このコラムの停滞にも繋がっているのだと思います。
日本の古典芸能のことを全く知らない人に、その魅力を酒井の言葉で伝えたいという想いから始まった「和に学ぼう!」ですが、これまでジャンクステージの会合などで出会った人と話をしたときなど、このコラムを通して、自分のことが誤解されていると感じることは少なからずありました。
それは、自分が古典芸能の道の専門家の様に思われてしまっているということです。
そして、自分自身でこれまでのコラムを振り返ってみると、中にはあまりにも拙い内容で恥ずかしくなってしまうものもありますが、時折「本当にこれを自分が書いたのか?」と思ってしまうほどに、我ながらお見事と思ってしまうものも少なからずありました。
仮に酒井が、ジャンクステージ連載開始から今日までの記憶を失った上で、これを書いたのが酒井だと知らずに、完全に赤の他人の目線でコラムのいくつかを読んだとしたら、確かに、一見、これを書いているのは古典芸能の専門家か評論家かと思ってしまうかもしれません。
客観的に捉えると、このコラムを、自分を古典芸能に関する知識人として特化する材料に用いている様にも思えてきてしまいます。
もちろん、本当の知識人が見たら、勉強不足なところは多々発見されてしまうことでしょうが…
それでも、全く何も知らない人からすれば、それが完璧な知識の様に信じられてしまうかもしれません。
自分は決して古典芸能の知識人を目指しているのではなく、自国の芸能の魅力を心と身体で理解した俳優を志しています。
それを改めて意識し直します。
これまでの連載内容は、古典芸能に関する知識を伝達する内容に重きが置かれてきた様に思えますが、今後は、“修行中”という言葉にも相応しく、日常の稽古で感じたことなどを、もっとありのままに連載していけたらと思います。
私事ですが、この4月より、劇団の稽古場の近くに引っ越すことになり、大きく生活環境が変わります。
ここまで連載がストップしていながら説得力もないかもしれませんが、新しい環境の中、新しい気持ちで、これからもコラムを連載していければと思います。
なんだかこれまでのコラムを否定する様な文面になってしまったかもしれませんが、それでも、過去の連載コラムを読んで「想いが本当に伝わってくる」「とても参考になる」などと好意的な感想をいただいていることも事実であり、自分の書き溜めてきた宝物に違いありません。
今後ともよろしくお願いいたします。