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今回のコラムは、楽器紹介の続編的な内容です。
前々回、フリューゲルホーンについて書かせていただきました。
その後に気が付いたのですが、同じくJunkStageライター・鈴木真一さんが、さらに詳しい楽器解説コラムを書いていらっしゃいましたので、前回の私のコラム中で鈴木さんのコラムを紹介させていただきました。
そしてさらにさらに詳しい楽器解説コラムが、先日、鈴木さんのページ内にアップされました。
ぼくのとっ散らかった話を、補足・修正くださいながら、より深く解説されています。
読み応えがあります。
興味をそそられる内容ですので、ぜひご覧ください。
こちらです。
という流れの中、ぼくも負けじと、それに付随する話を。
いや、負けているのだけれども(特にアカデミックさ加減で…)。でも、やってみます!
あと何があるかな、と考えたら、これですね。
ミュート、です。
このところ、練習用ミュートについていろいろと書かせていただいたのですが、演奏用の、音色を変えるためのいわば“まじ”ミュートについて、ちょっとだけ掘り下げてみたいと存じます。
巷には、トランペット用としていろいろなミュートが存在しています。
練習用ではなく、演奏用として、です。
で、どんなのがあるかと言うと…。
ある意味メジャーなのが、この“プランジャーミュート”ですね。
笑点のテーマで、「ちゃっちゃらちゃちゃちゃら(ん)ちゃっちゃ(パフっ)」を2回繰り返したイントロ後に、メインテーマが演奏されますよね。
トランペットで演奏されています。コミカルに音を変化させながら。
音源はこちら。
この“プランジャーミュート”というのは、カップ型になっています。
それを手で持ってラッパのベルの部分にあて、開け閉めしながら音を変化させます。
ちなみに名前の由来は、「トイレの清掃具であるプランジャー(plunger)のカップ部分を使用したことに由来する」とのこと…。
由来が微妙ながらも…。
ジャズのビッグバンドで使われたりしますよね。
ちなみにぼくは持っていません。
ぼくが使っている“まじ”ミュートはただ1つ、この“ハーマン・ミュート”だけ、です。
やや角度を変えて(年季が入っていますが…)。
“ハーマン”とはメーカー名です。
種類名としては“チーチーミュート”。
で、実はこのミュート、先端に小さなラッパ状のアタッチメントを付けて使われることもあります。
こんなやつですね(写真はイメージです)。
その状態の時、種類名が変わります。
“ワウワウミュート”と呼ばれます。
“ワウワウミュート”も、そのラッパ状のアタッチメントを手で開けたり塞いだりして、ワウワウとさせて演奏します。
テレビなどで、残念な時に、「ふぁんふぁんふぁんふぁんふぁ〜ん」という音が流れますが(最近は使われることが少ないかもですが)、その音はこれによって演奏されています。
このアタッチメントは“ワウワウミュート”に付属しています(アタッチメントなしで売られてはいません)。
でもぼくは“ワウワウミュート”状態で演奏することがないので、そのアタッチメントは外し、さらに紛失しています…。
一旦、整理しますね。
○アタッチメント付きの状態の一般名詞→“ワウワウミュート”。
○アタッチメントを外した状態の一般名詞→“チーチーミュート”。
○“チーチーミュート”の別名(むしろその呼び方のほうが浸透)→“ハーマンミュート”。
※“ハーマン”とは、メーカー名
で、ぼくもこれを、“ハーマンミュート”と呼んでいます。
ところでなぜ、“チーチーミュート”状態の時だけが、“ハーマンミュート”と呼ばれるのかと言うと(そして、なぜその名前のほうが浸透しているのかと言うと)。
ぼくの敬愛するジャズトランペッター、マイルス・デイビスがこの“ハーマンミュート”を多用したからです(アタッチメント付きの状態では演奏していません。ぼくの知る限りでは…)。
ミュートを付けたマイルスの音色は、本当にスペシャルです(もちろん、オープンの音もスペシャルだけれども)。
そしてマイルスが使っていたのが、まさにハーマン社製のもので、イコール“ハーマンミュート”として世に浸透していった、という次第なのです。
こんな音です。
こちら。
くぅ〜…。スモーキーです…(って、ほど良く息の音も含まれているからなのですが)。
そして、ほぼ“ノンビブラート”。
ちなみに、ぼくの“ハーマンミュート”サウンドもお聴きください。
こちらです。
ぼくも、ほぼ“ノンビブラート”です。
マイルスを敬愛しているからです。
そして、この曲のエンディングでは、結構、マイルスっぽい。まじで(自称)。
(YouTube音源では、そこまで入っていないのですが。というか、この音源の映像、ちょっと恥ずかしい…。しまった…)。
押忍