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昨年末放送されたテレビ番組「グッと!地球便」の取材の際、日本からディレクターさんとカメラマンさんの二人が来られ、NZから通訳兼現地コーディネーターさん(日本人)が一人来られました。
で、そのNZの方から「日本のとあるTV局が世界の面白ルールを紹介する番組を作るそうで、何かトンガのおもしろルールがありましたら紹介してもらえませんか?」というメールを貰いました。
ワールド版「秘密のケンミンshow」って所ですかねぇ?
というわけで、いろいろ思い起こしてみましたので、折角なのでここでも紹介しよかなって。
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日曜日に働いてはいけない
これは、トンガでは絶対です。ほぼ100%キリスト教のトンガは「日曜日は神聖なる日」とし、教会に行くこと以外を禁止しています。ユダヤ教にとって土曜日が「安息日」でいろいろ規定があるのと同じようなものと思ってください。なので、通常の営業行為は全く行えません。ただし、観光関係のサービス業(ホテルなど)や、「許可を得た」レストランなどは営業可能です。パン屋は10数年前の自然災害以降一時的に営業許可したことに始まり、そのままパン屋は営業できるそうです。
個人では、家での洗濯、掃除もダメ。音楽もキリスト教の音楽以外は禁止。スポーツ等を行っている場合逮捕される場合もある…。というわけで、大体のトンガ人のお宅では、日曜日は教会に行って、ウチに戻ってご飯を食べ、後はテレビやDVDなどを見てるようです。ちなみにテレビ番組もほとんどキリスト教に関したものです。どこかの教会礼拝のライブ中継だったり、その録画再放送だったり、アメリカなどのキリスト教宗教行事の映像だったり。ラジオもそうです。以前、日本人の友だちとピアノとトランペットでジャムってましたら、苦情が来ました。騒音公害で滅多に苦情が来ることはない国なんですが。問題は「宗教音楽じゃないから」だったそうです。
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トンガの女子高生は三つ編みおさげにしなければならない
学校の校則でユニークだなと思っているのは、女子高生の髪型。トンガの女性は髪に対して特別なものを抱いているようで、普通滅多なことがない限りショートヘアーは見かけません。それで、校則では「三つ編みに編みこむこと」が義務付けられ、端のリボンも学校指定のスクールカラーにしなければならないとなっています。なので、女子高生は後ろからみるとみんな同じです。女子生徒は、編み込み方をいろいろアレンジしていますが、以前は編み込み方まで指定があったみたいです。三つ編み規定に関して疑問を持ってる生徒を見かけたことはありませんね。それが当然だと思っているみたいで。
ちなみに男子生徒に関して髪型の規定は殆どありません。短くさっぱりと程度。
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トンガの学校に連絡網はない
ありません。なので、生徒全体に緊急連絡をするような場合は「ラジオ放送」で行われます。主には学期始めの案内や、天候等による休校案内、その他、学校の求人案内なども。これは学校に限らずほとんどの省庁や会社でも同じです。なので、ラジオを聴き忘れると無駄足を踏むことになるか、チャンスを逃すかのどちらか。トンガでラジオを必需品です。なんですが、ほとんどトンガ語で行われるので、僕にはさっぱりわかりません。
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トンガに日刊紙はない
こういう国、そろそろ珍しいんじゃないかなぁって思いますが。ソロモン諸島はかなり前から土日の除く日刊紙「Solomon Star」というのが発行されており、別料金を払えば宅配もしてくれてました。しかし、ここトンガでは週2程度の新聞だけ。ま、どっちにしろトンガ語なので僕には関係ありませんがね。そして、やたらと紙面広告が大きく、スポーツ欄が多い。それほどニュースになるようなことが起きてないんでしょう、きっと。なので、ここ4年、まともに新聞を読んだことがありません。
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トンガの公務員(教員以外)は毎年一ヶ月のバカンスがある。
いいですね。そして、もっといいのは、この一ヶ月のバカンスは持ち越し出来る。ということは5年間一ヶ月のバカンスを取らなかったら、翌年その年と合わせて6ヶ月の有給バカンスが取れるわけです。いいですねぇ。僕は警察バンドと仲がいいのでちょくちょくご一緒させてもらってますが、時々「あいつは今アメリカ。3ヶ月バカンスだ」とかそういう話がよくあります。有給バカンスで海外に行き、そこで出稼ぎして戻ってくるとか多いみたいです。
ちなみに教員以外というのは、通常学校の教員は、日本の学校と違って、学校が休みだったら学校に出る必要はなく、生徒と同じ休みになるわけで、単純に計算しても一年に3ヶ月近く休みがあるので。
ちなみに、ベトナムの警察官は海外旅行禁止らしいです。休暇中でも海外旅行をしたら、その職を失うそうです。
こういったことを考えるのは、正直難しいんですよね。トンガのユニークなルールというのは、トンガ人にとっては当たり前で、それがユニークであるってことに気づいてもらえないので、トンガ人の意見が参考にならないので聞けないから、自分で見つけ出すしかないので。もう4年も中で生活していると(まだ4年かもしれないけど…)、あまりそこに疑問を持てなくなってきてる自分がいます。ちょっと「日本人」として客観的にもう少しトンガを見てみるという、いい機会になりました。また、何かありましたら、第2弾につなげます。
最後に、こうやって現地情報を収集してたんですね。何かの取材をきっかけに、そこを起点として現地情報を収集する。さすがタダでは起きませんね。テレビ局も。