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2015/01/08

皆さま、明けましておめでとうございます。
とはいえ、もう年が明けて1週間経過しておりますが。。。

昨年12月28日の仕事からゆっくりお休みしまして、2015年の最初のお仕事は6日でした。昨年は2日からもうリハーサルをしていましたから、今年は長めの冬期休暇だったという事になります。

お仕事は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団で、オール・モーツァルト・プログラムのリハーサルでした。モーツァルトの曲はコントラバスにとって(他の楽器もそうかもしれませんが)かなりハードな難曲が多く、年末年始のんびり休んでいきなり弾いたりすると指を壊しかねないので、実家に戻っている間も楽器を連れて帰り、弾かない日を作らないようにし、モーツァルトの曲もしっかり準備をしてきました。

実はシティフィルさん、僕にとっては実に久しぶりの客演。一時は団員さん並みにほぼ毎月出演していた時期もありましたが、ここ10年近く伺っていませんでした。

思えばこの世界は不思議なもので、僕はベルリンに留学している時に、先生から「日本の学生オーケストラで演奏するから一緒に来い」と言われて帰国し、その時ご一緒した方から誘われてNHK交響楽団に客演しました。
その後N響で演奏している姿をテレビで見た方から連絡を頂いて札幌交響楽団に伺うようになり、日本フィルのオーディションでファイナルに残り日本フィルに呼んで頂くようになり、日本フィルで一緒に演奏した方からシティフィルに誘われ、ドイツの先生の紹介で東京都交響楽団へ、さらに大学の先輩の紹介で神奈川フィルと名古屋フィル、そして音楽家で結成したサッカーチームの仲間からの紹介で群馬交響楽団や東京佼成ウインドオーケストラ、シエナ・ウインドオーケストラへと仕事の幅を広げてきました。
僕が一度音楽を辞めて復帰に至る経緯となった「のだめ」のお仕事も、今年公開される映画のお話も、元はといえば僕の幼馴染で、祖父の生徒さんだった友人からの依頼でした。こうした世界からさらに枝分かれして、講習会の講師や個人レッスン、テレビの仕事へと広がっていく訳です。

こうして書いてみると、本当に人の縁で成り立っている業界なんだなあと思います。もちろん、下手な演奏をすればすぐに首を切られる世界です。前述したオーケストラの中には、イップスで手の震えが止まらなくなった頃にお声がかからなくなった団体もありますし、団員以上に出演していたのにオーディションで大失敗して以来呼ばれていない団体もあります。
さらに、僕が1年半音楽を辞め、復帰してからしばらくは呼ばれなかった団体もいくつかあります。例え僕でも、1年半辞めていた人間をすぐに使おうとは思いませんし、きっと、腕が落ちていないか、どの程度この業界で通用するか他の団体で様子を見てから使ってみよう、という事だったのではないかと思っていますが、この2、3年で仕事量は辞める以前よりも増えてきました。復帰した時に「まずは目の前の演奏会一つ一つ真摯に向かい合おう」と決意し、昔よりもきっちり準備・練習をするようになった事が最大の要因だと考えています。

そういえば今回もシティフィルのリハーサルでご一緒した方から日本フィルのご依頼を頂きました。日本フィルも随分と久しぶりの客演。これも「縁」の成せる業ですね。この機会で終わらず、しっかり今後も継続して呼んで頂けるよう、こちらも万全の準備をして臨みたいと思っています。手帳を見てみれば1月の段階で1年後までスケジュールが入っていたり、7つもの団体からのご依頼で埋まっている事は光栄極まりない事です。

今年は約1年かけて執筆した教則本の出版も控えていますし、演奏活動に加え、もっともっと吹奏楽の世界で苦しんでいるコントラバスの生徒さんたちの力になっていきたいと思っています。同時に、目の前に控える演奏会の準備を怠らず、勉強と練習を繰り返し、その上で音楽を好きでいられるよう楽しむことも忘れず、真摯な姿勢で音楽と向き合うつもりです。

その上で何か面白い事があれば紆余曲折伝と併せこちらの記事にしていきたいとも思っていますので、これからも皆さまどうぞよろしくお願い致します。

皆さまのご健勝とご多幸をお祈りし、今日はこの辺で筆を置きたいと思います。

2015/01/08 04:55 | sumi | No Comments