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日本中央競馬会には東西(茨城県、滋賀県)にトレーニングセンターがあり常時2000頭の以上の競走馬が滞在し、日々調教が行われている。また施設には診療所(獣医師)や装蹄場(装蹄師)があり日本の競馬を大きく支えている。
・施設設備
調教コースは南北にダート、ウッドチップ、芝、ニューポリトラック、芝障害コースの馬場があり南調教馬場には全長(計測区間800m)1000m、高低差18m(栗東32m)の坂路馬場がある。また北馬場の奥、丘陵地にはリフレッシュや追い切った翌日などの軽い調教用に森林馬道が設けられ、さらに馬場正面付近には競走馬スイミングプールやウォータートレッドミルがある。
ダートコースは調教時の馬への安全を図るために蹄で掘り起こされたあとのハローがけや冬期は凍結防止剤の散布、夏期は散水など徹底した馬場の維持管理がされている。また競馬場と違いセンターでは安全性や足腰のトレーニングという点から川砂や海砂といったクッション層が8〜9㎝(競馬場では7㎝)の厚さになっている。
ニューポリトラックは芝やダートコースに比べ降雪や凍結の影響を受けにくい。排水性に優れており降雨による馬場の悪化が少ない。が反面、1㎥=14万円と高額なためランニングコストがかかるというデメリットがある。
ウッドチップは木材(国産:赤松、杉)であるため耐久性に劣り、腐食や細粒化が進むと水分を過剰に含み、蹄が深くもぐったり、冬期は凍結する原因となる。また大雨が降った際はまずはじめに馬場が閉鎖されてしまう。坂路を含め調教の主流となっているが路盤の安定化のため転圧や散水といった維持管理作業に加え、材料の取り替えや排水処理にコストがかかる。
スイミングプールは屋内プールとなっており水温、室温はコンピュータ制御されており通年使用可能になる。濡れた馬体を乾かすために温風を送り出す装置も設置されている。浮力を利用し脚へ負担をかけず心臓と肺を鍛えることができる。脚部にかかる負荷は通常調教の40〜45%という。なのでこのトレーニングは脚部に不安のある馬や休養明けさらには若馬にとっても有効であるという。
また当センター中央には競走馬診療所があり日常の各種疾病や調教・競走によって発症する運動器病などの診断や治療、伝染病の予防や蔓延防止のための防疫、出走の適否を判断する馬体検査、薬物使用の未然防止とその指導、装蹄職員を配置し一般削装蹄のほか、X線診断による趾軸検査、特殊装蹄による装蹄療法など装蹄技術の向上と普及、調教飼育管理に関するコンサルタント及び、保健衛生思想の普及など幅広い業務を受け持っており、競走馬の健康増進と公正の確保に大きく貢献している。また年間200〜250件手術し蹄に関する病気で治療する馬は月に2、3頭だという。入院馬房は16室あり基本的に担当きゅう務員が面倒をみるという。