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9月2度目の更新は次回の作品展示のお知らせです.
このコラムが初の公表になります.
2015年3月にWALDにて開催される
「MONOCHROM SHOW」への参加することが決定しました.
写真だけのグループ展ではなくて美術、現代アート
様々な方との企画展です.
様々なジャンルの作家の方々が270×270のパネルに
「白と黒」にとことん拘った(偏った)展示をします.
ちらりと参加される作家を視てみましたが
錚々たる作家が集っていました.
「MONOCHROM SHOW」というと2010年に参加させていただいた
ギャラリー・ルデコ渋谷 での「白黒ショーVol.2」を
連想しますが、あの場末のストリップ劇場での
「白黒ショー」との関連は無いとのことでした.
それでもやっぱり僕は写真作家として参加するわけだから
モノクロームのトーンと階調の表現には
やっぱり拘りたいところ.
昨年と今年の「深入り」での作品もモノクロで
そのトーンにはある程度納得もしていたけれど
ギャラリーの光源に依って赤味が出てしまったり
まだまだトーンや階調を突き詰めていく余地が
あるとも思っていて.
「何の役にも立ちやしない」
そんな自身の終わりを見届けようとする.
似たようなものばかりが溢れる世界で
それだけは確かなもののようにも感じて.
終わりだけが、確かな世界
だらだらといつまでも続く.
Useless II.
デジタルで作品撮影するようになって
カラーからモノクロ変換とトーンの追い込みは
初めからモノクロフィルムで撮って暗室でプリント
というのとは、当たり前だけどそのプロセスもだいぶ違います.
このカットは「色」を残して置くべきかな、残したいな…とか
そんな迷いとか「色」に対する未練とかも感じたりもする.
モノクロに変換してそこにトーンを乗せていきながらの過程は
前作「深入り」ではモノクロでの展開が大前提だったのとは違って
新作は使う機材やライティングも変化している中で
少し新鮮だったりもして.
使うカメラやレンズが違えば、そこで現れるトーンも
コントラストもまた違っていたりもするから、
やっぱりそこに戸惑いも出て.
自分のトーンというものが、
すごくシンプルなことだったはずなのに
出来ることが増えたせいなのか、
あれこれと手を加えようともしてしまう.
それでも、この機会に今自分が現せるモノクロームの
階調、トーンをこのタイミングでとことんまで追い込んでみるのも
面白いのかなと、思っています.
新機材、完全新作、さらにその先で
解き明かされものが何なのか.
その上でフィルム、暗室ワークでの経験もありつつ
今デジタルを使ってモノクロームを求めることが出来ることに
少し嬉しい気持ちも感じています.
それに写真だからこそ出せる「白と黒」って何だろう…
って考えられるから、現代アート、美術系の作家方々とやれるのは
すごく嬉しいことだと思う.
■P.S.
Junkstage運営さまの方へお願いして
プロフィール写真を替えていただきました.
新宿PlaceM、個展会場での一枚です.
Junkstageとの出会いもまた
僕がそこへたどり着けた
かけがえない理由の一つだから
このコラムに一番似合うのではないかなと
思っています.