« 全国制覇を目指した少女たちがいた町、豊橋(その3) | Home | 子ギツネとの再会 »
ぼくが住んでいるアパートの話です。
ぼくは1階に住んでいるのですが、真上の部屋(2階)に住まわれていた方が、昨日のお昼頃、どこかへ引っ越して行かれました。
30代半ばくらいの、とても感じの良い男性でした。
とりあえず最後、ひと言ご挨拶ができました。
この物件にぼくが引っ越してきたのは去年の9月。
その頃1度、その方のお部屋の玄関口でご挨拶をして、そして昨日ご挨拶をして、結局コミュニケーションを取ったのはこの2回だけ。
お付き合いもなかったわけですが、引っ越されてしまうのかと思うと、なんとなく寂しい気持ちになりました。
ぼくも単身で引っ越してきましたが(引っ越し業者の方と一緒に)、その方もそんな感じで引っ越されていきました。
大きなお世話ではありますが、前向きな転機による前向きな引っ越しでありますように…、と軽く祈りつつ、新しい生活はこんなかな、あんなかなと、勝手にいろいろと想像をしなしな…。
しかし、本当のところは知るよしもなく…。
何も知らないということがまた、寂しさを助長させたりもしつつです。
まあ、都会の賃貸集合住宅では隣近所のお付き合いは滅多にないですし、こんなものですけれど。
とは言いつつですね、その方の存在はぼくの暮らしとまったく無関係だったかというと、そうでもなかったんですね。
ぼくは日々、部屋の中でラッパの練習をしています。
消音器を使って練習をしていて、それだと大体、テレビを普通のボリュームで観ているくらいの音量になるんです。
でも、そのくらいの音量でも、場合によっては隣に聞こえたりしますよね。建物のタイプによっては。
なので、その方の迷惑にならないようにと、多少気を遣いつつ暮らしていた、という次第なのです。
ご帰宅される気配を感じると、練習を控えたり、オーディオのボリュームを絞ったり。
という感じで、その方の生活されている様子を少々意識しながら暮らしていたんです。
ちなみにこの物件、隣の部屋との関係においては、音漏れをほとんど気にする必要がないんです。
なので、気にする必要があるのは、上の方だけ。
音漏れの心配がなるべく少ないように、という観点で相当に吟味して探した物件なんですね。
前に住んでいたマンションも音のことは相当に気にして選んだ物件だったのですが、実は失敗していて(結局10年住み続けましたが…。安かったし…)、なので今度は以前以上に慎重に探したのです。
前の物件は一応、鉄筋コンクリート造りのマンションだったので、壁は厚いだろうと踏んでそこに決めたんです。
しかしいざ住んでみると、片側は厚かったのですが、もう片側は薄かったんです…。
薄いほうの壁は、電話の声が聞こえてくるくらいの防音能力でした(何を言っているのかはわからないまでも…)。
なので、練習するのにも結構気を使って暮らしていました。
実際1度、壁をどんどんとされたことがあって、すぐに隣に言ってインターホン越しにお話をさせていただいて、夜12時以降は練習しないでくれ、ということになったり。
(こうして話ができたので、傾向と対策が練れて、それでなんとか対応できたわけですが…)。
というわけで、今の物件を探す時は、壁の厚さには期待はせずに、構造的に音漏れを心配しなくても良い部屋に住もうと考えました。
それはつまり、角部屋だったりとか、隣と接している壁が少ない物件。
隣と接している面に押し入れがあったりするのもポイントが高いですね。壁だけより、音漏れリスクが減るのではないか、と考えています。
で、ここはと言いますと…。
軽量鉄骨で鉄筋コンクリートではなくなったのですが(家賃は約1万円ほど上昇! って、何のためのアピールかは不明ながらも…)、1、2階にそれぞれ2部屋しかないんですね。
そして、隣と壁を隔ててつながっている面は、玄関部分だけ。
それ以外は、それぞれの部屋が独立して空間に突き出ている、というようなレイアウトなんですよ。
つまり、玄関部分の壁以外、その他の壁はすべて、向こう側が“外”なんです。
イメージしにくいですかね。
つまり、“コ”の字型をしていて、“コ”の字の、タテ棒部分で隣の部屋と連結してはいるものの、それ以外は隣と接していない(それぞれの部屋がヨコ棒部分)、という構造なんです。
(部屋の見取り図を載せようとも思ったのですが、そうするとぼくの暮らしぶりがリアルに伝わり過ぎるのでやめました…)。
なので、隣の部屋から音はまったく聞こえてきません(聞こえようがないんです)。
我ながら、ナイスな物件を探し当てたと思っています。
というわけで、音漏れのケアは、上に住んでいる方に対してだけで良いのです。
ちなみに、上の方の生活音は、ほとんど聞こえてきませんでした。テレビとかオーディオとか。
ただ、足音とか、時たま、機械っぽい何かの振動音みたいなものは聞こえてきましたね。
多分、音は遮断できていて、しかし振動は伝わってくる、ということなのだろうと思います。
そして問題は、こちらの音がどれくらいあちらに漏れているのか、ということ…。
ところで2回だけ挨拶をした、と書きましたが、それはともに、こちらの音が迷惑をかけていないかを確認したくて挨拶に行ったんです。
引っ越して2週間くらい経った頃にご挨拶に伺った時には、ラッパの音はまったく聞こえていない、とおっしゃっていただけました。
ただ、その方、お忙しい方のようで、毎日帰りが12時を回っていたんですね。
なので、その方が部屋にいる時間帯には練習を控えめにすることができていましたから、だから聞こえていないだけだったのかもしれません。
ご挨拶に行く前に実験しておこうと、休みの日の昼間とか、今いらっしゃるなという気配を感じた時に練習してみたりもしていたのですが。
ところで最近は調子に乗っていて、深い時間帯に練習するようにもなってきていました…。
それで昨日ご挨拶ができたので、また訊ねてみました。ラッパの音で迷惑をかけていなかったかどうか。
そしたらまたもや「まったく聞こえていなかった」とおっしゃっていただけました。
とりあえず、ひと安心です。
この物件、上下の関係において、音漏れは大丈夫なのかもしれません。
まあ、その方もうるさく音を発する方ではなかった印象ですし、“ぼくとその方の関係において”音漏れ問題が起きなかっただけなのかもしれませんが。
そう考えると、上に住む方が変わるのは少々不安になりますね。
ちなみに実はその方も、トロンボーンをやっている、ともおっしゃっていました。
「自分も消音器を付けて練習しているんですよ。聞こえますか?」なんて、最初に挨拶したときにおっしゃっていました。
まったく聞こえてきませんでした。1度も(本当に練習していたんでしょうかね…)。
というわけで共通の話題もありそうでしたし、本当に感じの良い方だったので、お友達になりたかったな、などと今さらちょっと思ってみたり…。
まあ、いなくなられて、ちょっと感傷的になっているだけなんですが…。
あ、そうそう、ちなみに、なのですが。
世の中には、“楽器可”のマンションがありますよね。
そんなに心配するならば、そのようなタイプのところに住めば良いのでは…、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、そのようなタイプのマンションって、「楽器の音がまったく聞こえないように防音されているマンション」というよりも、「お互いの音を許容し合うマンション」という場合が多いイメージです。
ピアノとか、管楽器とか、完全に防音しきれないですよ。スタジオ並みの造りにしないと…。
なのでぼくの場合、消音器をつければ相当に音量を小さくできますので、普通のところで良いかな…、という次第なのです。
さてさて。
とにもかくにも。
次に2階に住まわれる方も良い方であればいいな、とつくづく思っているところです。
(性格がよくてかわいらしい独身女性で、しかもぼくのことを好きになってくれる方であったらベスト)。
押忍