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2014/05/31

(前回の続き)

おいしいラーメン屋はほんと、わかりにくいところにある。
おかげで僕は何度も行っているのに、道が暗いというだけで、
曲がる場所を一つ見逃してしまい、道に迷ってしまった。
なべさんも、僕も極度の方向音痴。
二人とも登山を趣味にしているというのに、まさしく致命的だ。

「なべさん、スマホでナビあるだろ?たのむわ。」
「……どうやんの?」

「…っかせっ 」

なべさんのスマホでナビをセッティングしてなべに渡す。
危険な賭けだが、なべのナビでラーメン屋をめざす。
無事に到着し、各々注文し、目の前にラーメンが運ばれてきた。
途端になべさんは顔をどんぶりスレッスレに近づけて、クンクン匂いを嗅いでいる。

「ん・ああ~ いい!」

い、いやだなと思った。

さあ、なべさんの食レポだ。どうなのか!?

「うん!○○ラーメンと似たような味がして美味しいね!」
…ラーメンの感想言うのに他のラーメン出してきやがった。

まあいい。なべさんのこういうのは慣れっこだ。
学生の頃、「にしかわ」(第4回参照)が当時新発売だった泥系のワックスで髪をセットしてきた時のこと。

「なべさん、どう?これ。ツヤなしの毛束感。マット仕様なんだぜ?」
「おお!な、なんか2,3日頭洗ってないみたいだね!」

なべさんは、これでも褒めている。そういうヤツなんです。

 

「さ、食ったし、俺んち帰ろう。」
「うん、山のDVD持ってきたよ。」

 

ここまで、僕は全くの通常運行だった。
高熱を出していたことなど、完全に忘れていたし、
この後どうなるかなんて、考えもしなかった。

(続く)

 

nana.6
妻。8時間経過。
鈍く、暗くなってきたので、混色に注意する。
濁って彩度が落ちた絵具を一度パレットから取り除く。
明度、彩度が高い部分を描き起こす。

2014/05/31 02:23 | fukui | No Comments