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リビアの友達から久しぶりに連絡が来た。
彼女とはマレーシアの語学学校で出会った。
歯科医の彼女。お兄さんは外交官で日本に住んでいるんだそう。
日本に親近感を持っているということで、出会ってすぐに仲良くなった。
イスラム国家の中では、女性が国外に留学、歯科医という仕事も持っているということで先進的なお家なんだなって思っていた。
たぶんお家はとても裕福。
もちろん、イスラム教徒らしく黒いベールで体中を覆っているけれど・・・。
そんな彼女から、「Tomokoは結婚して幸せ?」って連絡が来た。
「幸せだよ!どうしたの?」って聞いたら、「近々結婚することになったんだ。」って返ってきた。
「おめでとう!!良かったね!」って返したら、
「私全然嬉しくないの。仕事も辞めなきゃいけないし、まだ相手の顔をも知らない。日本人は好きな人と自由に結婚できるんでしょ?仕事だってして良いんでしょ?一人で街を出歩けるんでしょ?」
なんだかとてもショックだった。
彼女になんて返して良いかわからなかった。
そんな結婚やめちゃいなよなんて言えない。仕方ないよなんて言えない。頑張ってなんて言えない。
「日本も少し前は、親が結婚を決めていた時代もあったんだよ。仕事も辞めなきゃいけない時代があったよ。」って教えた。
時代の流れや価値観やその国の文化は変えることは出来ない。
そして、どれが正解でどれが間違っているかなんて判断できない。
たまたま日本という国に生まれ、たまたまリビアという国に生まれた。
たまたま自由な国に生まれ、たまたまイスラム色が強い国に生まれた。
ただそれだけで、どうにも出来ないことっていっぱいある。
イスラム教の文化の中では、女性はどうしても不自由な生活をしなくてはいけない。
マレーシアはだいぶゆるいイスラム教の文化なので、女性はみんな働けるし、恋愛だって自由だったりする。
でも中東の方では、イスラム教の文化が色濃くて、女性一人では出歩けないし、結婚した女性が自由に働きに行くことも出来ない、お金だって男性が管理してる、何にでも夫の許可が必要。
それが悪いわけではないし、一つの文化だから否定もできない。
その文化の良いところだっていっぱいある。
日本の文化や価値観から見たイスラム教の文化は窮屈そうな感じがする。
でもそれは、異なる文化から見た意見で、それが正しいとは限らない。
日本とは全く違う価値観、文化、宗教の中で生きている女性の人生を考えると不思議な気がする。
人生には正解はないし、国の文化にも正解はないし、宗教にも正解はない。
人は与えられた場所で、精一杯幸せを探しながら生きていくんだなっと思った。
リビアのお友達も与えられた場所で幸せに生活できますように。