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地球の舳先から vol.313
ミャンマー編 vol.11
ヤンゴンへ帰り、最終日を迎える。
この日も朝はゆっくりで、初日の弁当とは比べ物にならない食事をとる。
最終日。夜の便で日本へ帰る。もうひとつ、目的地を残していたが、まだ時間があった。
ふらふらと向かったのは鉄道駅。わたしは鉄道を見るのが好きなのだ。(鉄なんとかではない)
そして、ヤンゴンには1週2時間ほどの環状線が走っているらしい。
時間が合えば乗ったらおもしろいだろうと向かったのだった。
(駅の至る所にも、ほとんど現地の人しか乗らないぼろぼろの在来線にも、このような
看板が貼ってある。こういったこともミャンマー人の親切さに影響しているのだろう)
駅の外の切符売り場に並んだものの、環状線はホームの事務室での発売だった。
手書きの切符を受け取り、1日何本かしかないという環状線がちょうど出るところだったので、乗車。
足で歩くだけでは見られないところを見たい、と軽く景色を楽しむつもりで乗ったのだが
この環状線は、ヤンゴンじゅうの商人たちの大切な商売道具になっていた。
大きめの村があるらしい駅では、ものを売りに行く人々が大量に農作物等を運び入れ
また、そんな彼らに売るちょっとした食事を頭の上の盆に積んだ女性たちが乗ってくる。
そして、どこへ行くのだろうか、赤いバラの花束を抱えたおじちゃんなどもいる。
窓の外には確かにヤンゴンを歩くだけでは見られない光景が広がっていた。
この列車で通学する制服の女子やら(自力で乗車できず周囲の乗客が引き上げる)
こういった景色を、ごくゆっくりの車内から見渡すことができ、かなり興味深い。
壮大にヤンゴン市内をぐるりと周り、2時間すこし後に、もと来た駅へ帰還する。
どうせなら対照的なゴミゴミしたヤンゴンも見ておこうと思い、高い建物が並ぶ区域へ向かう。
本物かどうかわからないが、日本軍駐留時代の軍票がとんでもない値段で売られていたり
地図に「軍事博物館」と書いてあったので勇んで行ってみたら廃墟になっていたり
(ちなみにその向かいの軍の施設ではモーターショーが開催されており、派手な
アドバルーンが出ていた。いかにも社会主義から脱却した上昇志向な光景)
不思議な街だった。
ひと皮むけた多様性というよりは、いろいろなものがごちゃ混ぜになり
それでいて別に違和感をもたずに非常にのどかに人々は生きているように感じる。
そうやって、変化を常態として生きること、だけど目の前の自分の
人生を生きることだけが現実であり、当たり前であるというように。
きっと、そうなのだろう。