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2014/03/19
七里圭監督の眠り姫。
すでに、タイトルから惹かれていた。
原作は漫画家の山本直樹さんだそうだ。昨年の秋に山本直樹さん率いる
「ニゲルカ」を恵比寿で見たばかりで、正直言って音楽関係の人だと思って
調べると漫画家ということが分かり、あのどっしりとした男性が「眠り姫」の
原作を書いたということも、不思議なご縁だ。独特な雰囲気のなかで煙草を
吸いながら漂う姿は昔、見た「昭和の時代の歌謡曲」を彷彿させ、なんだか
淫らな、そしてむかしを思い出させるような、そんな曲だった。
川崎アートセンターで上映された「眠り姫」は七里圭監督とアクースモニウム
演奏をした檜垣智也氏のトークショーといった、ちょっぴり楽しいおまけつき
だった。
ものがたりは、青地という女性が冒頭に出てくるだけで、映像には会話を
している人物達は映らない。
檜垣智也氏によるアクースモニウム上映ということで大変興味を持ち、
「眠り姫」というタイトルに自然に心、惹かれた。
そして、ものがたりの冒頭から裏切られる。
わたしは、音がどのように変化していくのか、目をつむって音を聴いたのだ。
言葉の数々が繰り広げられ、そっと目を開けると、思ってもみないような
映像が飛び込んでくる。
上映されてからの15分ほどは、この繰り返しで、映像を見たり、音を聴いたり
していた。予感めいた映像。
そこで、人の会話が聴こえるのだが、人物が映らない(出てこない)ことに
気づいた。「眠り姫」この映画は、一体何なんだろうと。
いい意味で期待を裏切られた始まりだった。
2014/03/19 11:50 | shiho | No Comments