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2014/03/09

皆さん、おはようございます。
私は今、佐村河内氏に感謝しています。
童謡コーラスなどで初めての時、
自己紹介をするわけですが、
坊さんであることをひとしきり説明した後、
音楽家としてのプロフィールを言うのです。

テノール歌手でございまして、
オペラの指揮・演出もやっております。
作曲もやらしていただいておりますが・・・と、

ここで一言付け加えるのです。

「ちゃんと自分で作曲しております。」

まず間違いなく笑っていただけます。
これで雰囲気が和むことは間違いなしです。

このギャグが言えるのは、
間違いなく佐村河内氏のおかげです。
これが感謝せずにいられるでしょうか。

まあ、あちこちでこんな風に自己紹介する、
作曲家は出現しているだろうと思います。
もちろん、不謹慎をものともしない人に限りですが。

しかし、佐村河内氏の会見はひどいものでした。
嘘つきというのは、すぐ他人に向かって
あいつは嘘つきだ、という傾向を
これまでの人生の中で感じてきましたが、
見事にそれをやらかしてくれていました。
自分の嘘を取り繕うことはせずに、
相手の悪質さを言い立てることで、
論点、耳目をそちらに集めてしまうのです。

第一、仮に新垣氏が嘘を言っていたとしても、
佐村河内氏があそこまで言えた義理でしょうかね?
悪くとも、化けの皮のはがれた狐と狸の化かし合いです。
佐村河内氏に義が宿ることはあり得ません。

そもそも、あのような性質の佐村河内氏を告発するにあたり、
新垣氏がわざわざでっち上げを語って、
そこを佐村河内氏に突っ込まれるような愚行をするでしょうか?
下手に嘘を言ったら、そこで争われるに決まっています。
嘘は佐村河内氏が遙かに上手、プロなんですから。(笑)

しかし、新垣氏も、作った作品の今後をどう考えているのでしょう。
私は、たとえケチがついた作品であっても、
例えば破棄するようなことってしない性質の人間です。
でも一つだけ残すまい、と考えている作品があります。

初演において、私の目の前で(私が歌った)、
最後の和音が前衛的だという理由で、
「無難な」和音に変更して演奏された作品です。
ピアニストの独断で、リハの時に宣言されてやられました。
このように、作品そのものに被害が出たものに限っての話です。

それ以外は、曲に限らず、文筆など、
あらゆる著作物に関して、
たとえそれが消したい過去にまつわるものであっても、
消したいとは考えられないのです。
もちろん、消してはいないし、
格納している場所は公開しています。
その時々の、私の分身だからです。

割と皆さん、書いたものを平気で消すんですよね。
私には信じられない光景です。
どうしても表に出せない事情があるものは、
人目には触れないように非公開にしたりもしますが、
しかし、削除は絶対にしないのです。

2014/03/09 11:24 | bonchi | No Comments