« | Home | »

2014/02/28

先日、花屋になってから初めてお花のデザインコンテストに
出品してみまして、ありがたいことに賞をいただきました。

その喜びはフェイスブックなどで散々書きましたし
たくさんの方にお祝いの言葉もいただいて
本当にうれしい出来事となりました。

お花屋さんとしてお客様からのご注文商品を作ることと
こういったコンテストのために作品を作ることは
実は全く違う作業でして

実際に参加するまで迷いましたね~・・・
が、いったん参加すると決めて申し込んじゃったら
あとはやるだけやろう!と気合を入れたわけですが
実は申し込んだのが、作品を納入しないといけない1週間ちょっと前。
すごくぎりぎり(本当はとっくに応募締切されておりました)なのでした

毎日毎日行き詰ったり右行ったり左行ったり
迷宮入りしそうになったり
思わぬところからボタモチが落ちてきたり

そんな感じで何とか作りました
その様子を今回はさらさらっとお伝えしたいと思います

ちなみにこのコンテストは
各々作ってきた作品を持ち込む形式なので
多くの人の前で時間制限ありの大会とは違って
ある意味余裕を持って迎えられます

いきなりですが最終的にはこんな作品になりましたが

DSC02404-1
これはどのような経過を経てたどり着いたものか
その裏側をお見せしちゃいます

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

コンテストに参加すると決めてから
さて、どうしよう?となるわけです

まだ何の構想もなく、1から作るのですが
考えても考えても何一つ形にならない。
こんな形のデザインが好きだな~と思っても
それをどうやって現実に形にしていいのかわからない。

じゃ、鉄の棒を曲げてこんな形に。。。
って、鉄の棒を曲げるにはどうしたらいいの~???
そんなところからでした

そこで、店にあるものでなんとかしてみようか。
というところに思い至りました。
店にはいろいろな残骸や得体のしれないものが転がっています。
そこで、適当に引っ張り出してみると
ありました。ありました。

2DSC02395

特に木製の什器(店用品)が雨ざらしになって朽ちてしまったり
処分するために切り刻んで放ったらかしになっているものを
かき集めてみました

特にうれしかった戦利品は
ガーデニングなどに使うラティス

3DSCN6393

がぼろぼろになって処分するために
私が以前、のこぎりで解体していた残骸が

4DSC02397

これはいい!
と板にセットしてみました

私はフレームがある形がとても好きなので
よし、これを使った作品で行こう!と
ようやく一つ決定しました

それからもうひとつ残っていた
木製ボックスの残骸を使って

5DSC02399

うーん、違う
この状態で丸2日、小康状態が続きました
眺めてみるもののゴールは一向に見えない
でも、どうしたらいいかわからない

とりあえずひもをチェーンに変えてみよう

6DSC02400

おお!いい!
じゃあ、周りの余分なもの(白樺)をはずして
シンプルに行ってみよう

ちなみに下の板に引いてある茶色い部分の正体は
何だと思います?

7DSC02400

実はこれなんです

8images

この長机が1台、長年雨ざらしになっておりまして
表面が腐り果てておりました
そこを力づくで思いっきり
べりっとはがし、それを裏返しにして
板に打ち付けたのです

そうです、意外にダイナミックなのです

ここからどうしよう
と思い悩み、とりあえずこの状態の写真を
何枚もプリントアウトしてそこにデザインしてみることに

そしてチェーンと木枠の人工的なものが
植物と混ざり合うことでだんだん自然に戻っていく
その感じが出せるかな~とたどり着いたのが

9DSC02401

まだ仮の姿だけどずいぶん自分のイメージが
形になってきました

今度は

10DSC02404-1

ここにあたる部分を60センチもある太い杭で
木枠の下の部分、さらには下の板にまで打ち込みます
その杭もグリーンテープを巻いた上に
作品の肝となる“石化エニシダ”をはりつけました

すると!
思ったよりも角度が出たうえに
きれいなところにチェーンがぶら下がってくれていい感じに♪
私のテンション一気にアップ!!

後はひたすら石化エニシダで流れを作っていきます
これも当初の予定とは反対側に流れる形になりました

11DSC02403

お花は極力少なめで、チェーンと植物が絡み合っている様子を出し
大地から植物根を張っている力強さが出たらいいなあと
そんな思いで作り上げました

テーマは

12DSC02409

土に還るという意味です
最初に考えていたテーマはここだけの話
“小人さんを探せ”でしたので
それにしなくて良かったです (笑)

出来上がってみるととてもとてもいとおしい作品となりました
これだけ一つの作品に長い時間向き合ったこともないですし
あくまでコンテストなので自己満足では本当はいけないのですが
私的にはとてもとても満足でした

興味がないかもしれませんが
特に!特に私のお気に入りポイントを2つ聞いてください!!

一つはチェーンがここに降りてきてくれたおかげで
ここに角度ができたこと。

13DSC02406

チェーンは地球の引力に素直に引っ張られてますので
この作品が直立不動ではなく若干斜めに傾いている、
でも上にもチェーンがあって、上のチェーンはその植物たちに
ひっぱられている、というところです。

ええ、、ええ、、、すべて後付けです(笑)

もうひとつは意識してつくりました

ここ

14DSC02406

下からのびている1本ずつの枝がグルグル巻いて
そのまま流れて右に伸びているように見えますが
実はしたの直線部分とここからの上の部分は
ほぼつながっていないので、
そう見せるために細かく細かくこのラインを作ったのです

ふふふ もうここを眺めているだけで
ご飯が何杯も食べれそうなくらいお気に入りポイントです

意外に細かいところばかりですみません

が、こうやって無事にこの作品はできあがりましたし
またそれが賞をいただけたということで感慨ひとしおでした

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

ちなみにこの制作途中を見ていた近所の女の子(20歳ぐらいの)が
“植物が人間に怒って飲み込もうとしているところみたい”
と言っていたのを聞いて

なるほど!そうも見えるね!
じゃあ、副題は

“植物の逆襲”にしよう!と決定しました
これもここだけの話にしておきます

今回コラムに書かせていただいた内容は
はたして公開していい内容かどうかは定かではありませんし
なんとなく“まぐれあたり”の感が否めませんが
作品の出来上がりの姿と一緒に、
制作過程も私の一つの作品となればいいなあとの思いから
公開させていただきました

ご参考までに・・・

って、誰の参考にもならなそうだから
躊躇なく(笑)

2014/02/28 11:27 | eri | No Comments