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2014/02/15

3年ぶり来伯で日系社会に感謝 藤村修元官房長官 14/02/13 サンパウロ新聞WEB版より

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3年4カ月ぶりに来伯し、11日に来社した藤村氏 アフリカ遺児支援活動を展開
 「昨年10月で政界を引退したことの報告と、日系社会への長年の感謝をお伝えしたい」―。野田佳彦内閣時代に官房長官を務め、現在は「あしなが育英会」(玉井義臣会長)副会長である藤村修氏(64、大阪)が3年4カ月ぶりに来伯し、今月10日から約2週間の日程でブラジル各地を訪問している。11日午後2時半に在サンパウロ総領事館の佐野浩明首席領事の案内で来社した藤村氏は、(社)日本ブラジル青少年交流協会(日伯交流協会、2008年に解散)の元事務局長として累計約750人に及ぶ研修生を受け入れた各地の日系社会世話人への礼を行うとともに、今後はアフリカの遺児支援活動を展開していく考えを表した。
 日本の交通遺児育英会の海外研修制度の引率で1976年に初来伯してからブラジルとの縁ができ、また日伯交流協会の事務局長として長年かかわってきた藤村氏。93年に日本の政界に進出し、参議院議員として菅直人内閣時代に外務副大臣、厚生労働副大臣などを歴任。2011年9月の野田内閣発足時に官房長官に任命されたことは記憶に新しい。
 11日に来社した藤村氏は、昨年10月に地元大阪府で政界引退記者会見を行ったとし、「政界を引退したことと、750人もの交流協会研修生を引き受けていただいた日系社会への長年の感謝を表すために約3年ぶりにブラジルに来ました」と今回で通算35回目となった来伯の目的を説明。サンパウロをはじめ、ブラジリア、ベレン、ク リチバ、ポルト・アレグレ等を訪問し、各地の日系社会世話人と会う予定だ。
 また、現在は「あしなが育英会」副会長として古巣に戻り、これまで日本国内の交通遺児から始まり、すべての遺児への支援を行ってきた活動を、アフリカの遺児支援にも広げて行っていく考えを表した。
 具体的には、第1段階としてヨーロッパ地域のモデルケースを構築し、フランス、ドイツ、イタリアなど各国の有識者などから成る「賢人・達人」を選任。将来的にはアフリカ遺児学生をヨーロッパ、北米、中南米、アジア地域の大学に留学させるという。

 「アフリカ遺児のために世界のあしながおじさん教育を行い、今後10年かけて自分の仕事にしていきたい」と意欲を見せる藤村氏。日本国内では東日 本大震災遺児支援施設である「レインボーハウス」の建設が、宮城県仙台市、石巻市、岩手県陸前高田市で行われており、今年3月には各地で竣工される予定だという。
 現在の安倍普三内閣の経済政策「アベノミクス」や消費税の値上げ、東日本大震災による原発事故の影響など今後の日本の動きがどう なるのかという本紙の質問に対して藤村氏は、「現在の安倍政権の仕事の大半は野田内閣時代に種をまいて法律を作ってきたもの。抵抗があった中で、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やデフレ脱却を目指してきた」と述べ、自身が官房長官時代に行ってきた仕事が現政権の基礎になっていることを強調 した。
 また、日伯関係については日伯交流協会に長年携わってきた立場から、将来的な相互の研修ビザ取得実現に期待感を示した上で、日伯間 の経済交流が進む中での優秀な人材確保の必要性にも言及。日伯交流協会OBが、ブラジル駐在及び現地企業の代表となっている例を挙げながら、ブラジル側で引き継がれた「伯日交流協会制度」のさらなる発展を期待した。

2014年2月13日付.

2014/02/15 04:20 | wada | No Comments