新年度あけましておめでとうございます。
年初からツイッターをはじめたのですが、女子からのフォロー数伸び悩みに悩むなうこのごろです。
女子の皆様@ITO_Shintaroをよろしくお願いいたします。
新年度を迎えるにあたり、机や本棚の資料、PC内の文書を整理していたら、過去の日記や手紙等がたくさん出てきました。読み返していたら色々甘酸っぱかったり甘辛かったりして仕事になりません。1つ転載します。数年前にmixi上で書いた日記です。
バス・ストップの美少女と弟
オリエンタルラジオの武勇伝ネタで「1日3ミリバス停ずらす、2年を費やし自宅の前に」というのがありましたが、引き篭りをちょいと明けて近所を歩いてみたら、いつもあったはずのバス停がなくなっていました。誰かが自宅前まで持ってったのでしょうか。
何年か前の話ですが、このバス停で一組の姉弟がバスを待っていて、姉の方がガムを噛んでいました。弟は小2相当、姉は小6相当です。二人とも明らかにハーフという整った顔立ちで、特に姉はシャルロット・ゲンズブール似の美少女だったので、ついつい目が行ってしまいました。
それで、姉はずっとガムを噛んでいるのですが、それをもの欲しそうに、いたいけな弟が見上げているわけです。しばらくして、それに気付いたお姉ちゃんが一言、「ガムいる?」と聞きます。「うん」とうなずく弟。お姉ちゃんがポケットから新しいガムを取り出し、それを弟にあげるんだなと思って見ていたら、おもむろにお姉ちゃん、ヒョイとしゃがんで弟に顔を近付け、今まで食べていたガムを口移しに弟へねじ込んだじゃありませんか。
それを見た時のイトウの心の叫び、
「僕もガムいる!」
それはともかく、その後、何食わぬ顔で新しいガムを口に入れるお姉ちゃん。
なんだかうれしそうにもらったガムを噛む弟。
なんだかうれしそうにそれをみつめるイトウ。
男と女のなにかの縮図を見た思いでした。
そんなグッドルッキングな姉弟を乗せてバスは走り去り、数年の後バス停も走り去ったわけですが、今でもあの二人は、ガムを分け合っているのでしょうか。。。
オリラジのネタに時代を感じますが、この姉弟を目撃したのもたしか桜の頃でした。いまとなっては甘酸っぱい思い出のひとつです。来世はこんな姉弟に生まれたいものです。
今年度も何卒よろしくお願いいたします。
先日、10年以上前に告白してフラれた女子から「一昨年結婚しました、どんなタイミングの報告だよって感じですが、イトウくん知りたいだろうと思って」という旨の連絡を受けました。
知りたかったのでよかったです。
先日、まだ師走の頃でしたが、これまでに何度かこの場をお借りして書いてきた『飲んだときのノリで「絶対いつか結婚しようね」「うん、そうだね」ということになった』某女子から久々に電話がかかってきました。
「もしもし、イトウさんいますか?」
「いや、携帯だから」
「イトウさんはチャンスセンターに行きますか?」
「チャンスセンター?」
「今、バイト中で16時に終わるんで、17時にチャンスセンターに集合してください」
「え、それどこ?」
「わかりません、調べといてください」
「は?」
「今バイト中なんです、もう切っていいですか!」
「バイト中に電話して大丈夫なの?」
「ダメに決まってるでしょ!もう切りますよ!」
検索窓を開いて入力&Enter、”チャンスセンター”に関するページが並びます。
一般に東京で”チャンスセンター”と言えば、「西銀座チャンスセンター」のことを指し、「日本で最も多くの年末ジャンボ1等を出すことから、全国から宝くじを求めてやって来る、宝くじファンなら誰でも知っている宝くじ売り場」なのだそうです。なるほど。
イトウは、宝くじを買ったことがありません。宝くじで1等が出るのは「乗ってる飛行機が墜ちる確立より低い」みたいなことを言って、かたくなに購入を控えてきたのです。
ですが、ひとたび買うとなれば「絶対に当たらなきゃ嫌だ」という素直な気持ちの湧くところが、イトウの臨機の応変さです。どうしたら「絶対に当たる」のかグーグルさまに訊いてみまました。
●自室の西側に黄色いものを置く
●トイレの便器をピカピカに磨き上げる
●トイレの蓋を絶対に開け放しにしない(ウン(運)が逃げるそうです)
●赤いものを着て売り場に行く
●一度に100枚以上買う
等が”鉄板”らしいです。なるほど。
どれもいろいろな理由でハードルの高い条件ですが、3億当たるというのだから仕方ありません。とりあえずユニットバスをピカピカにして、西側の窓にピカチュウの写真をプリントアウトしたものを貼りました。一度に100枚以上…はさすがに無理ですが、とにもかくにも赤いシャツを羽織り、銀座へ向かうことにしました。
日比谷線を降りて地上に上がると、すぐ目の前にのぼりと人々の群れがあります。
ジャンボが発売してからだいぶ経つというのに、欲の皮の突っ張った善良なやつらが角を曲がって100m近い列をなしていました。「夢を買う」なんていうと聞こえは良いですが、この場に並ぶ全員が心中「3億3億」念じているかと思うとぞっとしません。むしろぞっとします。皆、そこまでして当たりくじが欲しいのでしょうか。庶民どものあさましさになかばあきれつつも、先に当たりくじを買われてはたまりませんので、イトウも慌てて列の後ろにならびます。
長い列の最後尾に着くと、ちょうど女子も着いたとこでした。
「おまたせ」
「超人々がならんでるんですけど!」
「まあ日本一らしいからね」
「聞いてないです」
「誰に?」
「誰にも!」
「そうかー」
「クソさみい!」
会った瞬間に急角度で傾きはじめた女子の機嫌をどうしよう、オロオロあたりを見回していたら、”Docomo”のロゴが入ったジャンパーを着たお姉さんがやってきて「カイロでーす」ホッカイロ的なものと新製品のパンフ的なものの入った手提げ袋をくれました。
「ホッカイロじゃん!」
「ほんとだ、すごいね」
「ドコモやるな」
「やるねー」
「こんなん、3億当たったら絶対ドコモ買うじゃないですか」
「買うねー」
「寒いんでイトウさんのホッカイロもください」
「うーん」
ひとまず持ち直した女子の機嫌に安堵しながら、列の前方を眺めると、警備のおじさん的な方が「ここから1時間待ちでーす」表情のない声で呼びかけていました。ディズニーランド並です。どちらにも夢がありますが、この列に並ぶ人の目はどこか曇りがちです。
「そういえば、結構久しぶりだよねー会うの」
「あ、そうですか」
「最近は何してるの?」
「男遊び」
「へー、なんかすごいね」
「みんなおごってくれるんですよ」
「へえー」
「でもなんか、最後みんな怒るんです」
「そうなの?」
「おごってくれるって言うから、なんて良い人なんだろうって思ってついてくと、なんかみんな最後怒るんです」
「ああー」
「ひどくないですか?」
「ひどいねー(たぶん君が)」
そうこうしているうちに、警備のおじさん的な方がやってきて、最整列を促しながらこんなカードを手渡してきました。
妙にリアルな札束の画像が入った裏面に、否が応でも期待が膨らみます。
「今日わたし全財産はたいて買いますから」
「え、マジで?」
「今、財布に3000円と小銭しかないです」
「いや、ヤバくない?」
「ヤバいです。今月も家賃が払えなくて、」
「えー」
「大家から親に連絡行っちゃって、」
「うわー」
「だから、これ以上迷惑かけられないと思って。それでここに」
「ああー」
「がんばりましょう!」
「よしっ!」すっかり腰を据えてならぶ覚悟ができたらしく、女子は背負っているリュックから、今月は板尾創路が表紙の文芸誌「本人」を取り出して読み始めました。「これ全巻持ってるんですよ。一冊だけ買い逃したんですけど」それは全巻じゃないねー。
女子が読んでいる「本人」を斜めから覗き読んだところ、それは某芸人の奥さんのエッセイで、一度はブレイクしたものの、すぐに下火になって家でゴロ寝している夫のせいで家計は火の車、結局刃物まで出てくるケンカになって二人は離婚…といった内容で、なかなかに面白い文章でした。
「結局この人たち、お金がないから別れたんですよね」
「まあ、ざっくり言うとねー」
「なんか悲しいですね」
「そうだねー」
「お金じゃないですよね、やっぱ」
「そうだねー」
そうこうしているうちに、だいぶ売り場が近づいてきました。
「どうしよう、近づいてきたよ?」
「3億当たったらどうする?」
「えー、わたしもう3億とか贅沢言わない、1億でいい」
「じゃあ1億当たったら?」
「うーんと、まず先月の家賃を払って、」
「ぜひ払って」
「で、これから先暮らすのに一生困らないだけのお金だけ別にわけて、」
「それって、いくら?」
「え、うーん6000万とか?」
「じゃあ、ОО (女子の名前)はさ、月にいくら使えたらだいたいいいの?」
「うーんと30万くらい?」
「じゃあ、それ1年で360万だよね」
「うん」
「ってことは、10年で3600万円でしょ、」
「え、10年でそんな!」
「30年で1億800万」
「どうしよう!わたし1億じゃ足りなかった!」
とうとう、自分たちが買う番がやってきました。西銀座チャンスセンター、1番窓口。
列の最後尾からここまで、きっちり1時間というところでしょうか。まずは、女子が全財産を握りしめ窓口へ。
「いらっしゃいませ」
「3億円あたるくじをください」
「はいー、連番ですか?バラですか?」
「は?」
「連番ですか、バラですか?」
「どうしようイトウさん、どっち買えばいい?」
「3億は前後賞あわせてだから、連番じゃないと当たらないよ」
「え、じゃあ連番じゃなきゃだめじゃん、3億円当たる連番!」
「はいありがとうございます、3000円です」
「くぅー!3000円!」
その後、イトウも連番できっちり10枚を買い、
ようやく金欲にまみれた善良な人混みから脱出することができました。あたりはすっかり暗くなって、寒さが身に沁みます。冬の寒空に1時間強の野ざらし、これだけの労力を強いられて当たらなかったら、いくら温厚なイトウでも怒りださずにいられません。ごちゃごちゃ言わずに黙って当たって欲しいです。
「買えたね」
「買えたね」
「わたし、今年最後になって、やっと人生にとって何か意味のあることができた気がします」
「そっかー」
「えへへ」
「うんうん」
「イトウさんおなかすかない?」
「すいたねー」
「わたし、ハンバーグが食べたいです。牛肉の」
「そっかー」
「いきますか?」
「うーん、でもきみたしか全財産、」
「イトウさん、わたしハンバーグが食べたいです、とても。牛肉の」
「うーん」
「せっかくの銀座ですよ?」
「あ、でもごめん、イトウもお金おろし忘れてて今いくらも無いから、ほら」
「じゃあ銀行いきましょう、りそなでしたっけ?」
「え、うん。」
そして、銀座松坂屋横のりそな銀行で無事お金をおろした後、「ここでもいいですよー」と女子が言う三崎港直産(?)のお寿司屋で夕食をとり、明日バイトに行く交通費がないという彼女に3000円を貸し与え、家路につきました。
一日の収支に疑問を感じずにはいられないイトウでしたが、2010年こそは人生の黒字化転換を目指し、JALに負けじとがんばっていきたい所存です。今年も、何卒よろしくお願いいたします。
一昨日、電車に乗ったら女子小学生がずらりと座っていました。下校時間と重なったようです。最近の女子小生は服装も垢抜けていて足が長く、髪は月に一度以上切ってるんでしょう、手入れが行き届いていて、全体的に女子大生をそのまま小さくした印象です。小学生をそのまま大きくしたような風体の自分は肩身が狭い思いです。
「別れるのは絶対決めてるんだけど」
すぐとなりに座っていた小4~5くらいの子がとなりの子と話していました。なにやら恋バナ風です。イトウの子供時分は電車に1人で乗るのも恐ろしかったのに、今時のJSはあたりまえにPasmoを提げて恋バナ、たいしたものです。
「クリスマスあげるんでしょ」
「うん、でも、お正月なったらお年玉あるから、それで買うからあとであげるねって言う予定にして」
「えー、それクリスマスにならないよー」
「だから、クリスマスもらって」
「あげないとひどいって思われるよ」
「別れなかったらわたしもあげるよって」
「あげない気だこの人」
「お年玉あんまりなかったからあげないって言う」
「頭いいねー」
それは取込詐欺だよ、女子小学生。お兄さんも1回だけ同じ目にあったことがあるけど、一生しつこく恨まれるからやめた方がいいよ。レシートずっと取って置かれるよ。
女子小生に彼氏がいるのも珍しくはないという昨今、「こんな大人になって欲しくない」というのはよくありますが、「こんな子に大人になって欲しくない」と思う、師走のイトウです。イトウへのクリスマスプレゼントの送付方法は、ジャンクステージ編集部までお問い合わせください。贅沢は言えませんが、薄型テレビが好きです。来年もよろしくお願いいたします。