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今週はシエナのツアー日程が最もキツい一週間です。
今週から月末にかけて花巻、秋田、宇都宮、南足柄、東京での定期を経て山形、仙台、そして題名のない音楽会の収録と続き、9日間で8回本番。ちょっとタイトなスケジュールなので、一日休みの今日、まとめて記録を残しておきます。
特筆すべきは連休中の東北のお客様雰囲気の温かさ!
花巻、秋田とも完売、満員御礼。
秋田は発売30分で売り切れたとのこと。
基本的にコントラバスは本番前に楽器を舞台に置いておくので、私は開演前に他の演奏者より早めに舞台に行って調弦を行うのですが、だいたいその時に聴衆の雰囲気を感じる事が出来ます。
これ、不思議なもので、会場の雰囲気って手に取るように身体に感じるんです。本番後に演奏者同士で話すと「今日は温かかったね」「今日はちょっと違ったね」とだいたい一致したりします。
特にコントラバスは一番客席側に位置しますから、例えば真横に座っているお客さんが「よし、どんなもんか聴いてやろう」的な、粗探しをしに来たような雰囲気だったり、最初からそれほど前向きじゃない視線だったりするとむしろ燃えたりもしますが、そういう時は残念ながら逆にあまり良い音、良い演奏にはなりません。
しかし、そこで聴衆からワクワクするような期待感なんか感じるとテンションも上がり、本番はより良いパフォーマンスを見せることが出来たりします。もちろん、プロですからいつも同じ状態で舞台に上がらなければならないのですが、やはり人間ですから、精神状態、アドレナリンには大きく左右されます。どんな偉大な演奏家でも、気づかないうちに聴衆の雰囲気に後押しされて名演を生む事ってあるんじゃないでしょうか。
花巻、秋田の公演はそういった意味でまさに聴衆と演奏者が一体になり作り上げた空間だったように思います。
特に秋田でのスタンディングオベーションは凄かった!!
アンコール演奏終了と同時に巻き起こった、まるで大きなうねりが会場を包むかのような総立ちには、一瞬泣きそうになりました。ああいう雰囲気の時には、本当に楽器をやっていて良かったと思いますね。会場との一体感を作り出すシエナの演奏ももちろんですが、会場参加型の構成や企画、そしてトークで場を盛り上げる佐渡さんのお人柄によるものだと思います。
新幹線を乗り継ぎ4時間移動した後の本番などもあり、今回は肉体的、精神的に鍛えられそうなツアーで、技術的な事は割愛しますが、個人的には葛藤を抱えながら演奏をする場面も多く、非常に良い経験になっています。
ちなみに24日、池袋の芸術劇場で開催される定期演奏会はまだ若干チケットもあるようです。皆様ぜひご来場下さい。!!
さて、まだ来月までツアーは続きます。
バテてしまわないように、今日は久しぶりに早く眠りたいと思います。