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2013/01/31

 

kyokugomamiya1
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毎回 曲独楽のことについて 色々気が付く事を 書かせていただいているけれど。

ここJunkStageさんのコラムに

機会をいただいている事に

本当に 感謝したいと思う。

 

…最近こんなことがあった。

先日 某テレビ局の企画担当の方から 電話があった。

 

「江戸時代の曲独楽について」詳しい話と資料を取材したい…

企画が通った暁には

遠方でも構わないので

ぜひとも東京の収録先まで来て番組の企画に参加してほしい…

このような内容だった。

こちらで このような コラムを担当させていただく私としては 本当にこういう機会は嬉しい

 

しかしながらこの話は すぐさま 予算の関係などなどで

翌月の「見世物」という企画に組み込まれる事となり

その旨 ご担当の方のていねいなメールを頂戴した。

壮大な企画につき物の事なので、予測はしていたけども、

心配だった事がある…

 

収録する主題が、他の見世物小屋の演目と一緒に取り上げられる中、

「見世物での曲独楽」ということになると

番組で紹介する曲独楽は

「現在の寄席で発展してきた曲独楽」とは異なり

私が以前から書いているように

「和妻(日本のマジックのこと)」「足芸」「水芸」「バランス芸」などが含まれる、

十数人のグループで演技する「曲独楽」ということになってしまう。

 

本当に、曲独楽の歴史の事を「実際のテレビ収録で実現する」となると、

それ相応の準備期間が必要なはず…。

 

どうなるのかな~………?

 

心配していたのだけれども、

 

数日前に後輩が曲独楽を披露して収録を終えたことが判明。

 

きちんと、ホールでの収録だったそうだ。

 

よかった。

 

これは、これからの曲独楽にたずさわる人たちにも関係があるから、

書いておこうと思う。

曲独楽は、江戸期の総合的な興行形式を表すための当時の表現としての「曲独楽」と、

現代の寄席形式の「日本の近代大衆芸能の洗練された形の曲独楽」と、

ふたつの大きな形があるという事。

 

そして、議論の的になりそうだけれど、

江戸期の曲独楽は、興行する上で、幕府の管理下に置かれている為、

その「お墨付き」を貰った「松井源水」や、観客を魅了した「筑紫・博多」からの

曲独楽のゆかりの者であるという、それを宣伝のための強力なキャッチコピーとし

て使っていたから、何でも「曲独楽」を付けて興行すると、観客に支持された…。

こういうふうに、私は思っている。

とりあえず、今までのまとめ方だと、私はこんなふうに感じる。

 

これから、曲独楽のことについて、きっと資料が集約されていくと思う。

何でかというと、遺跡や骨董品と同じような事ですが、

何かを壊して発見されたり、誰かが亡くなって見つかるものなので、

たぶんもう、錦絵でしか判定できない曲独楽の内容は、

その絵を「曲独楽の資料」であると、認識できる歴史家の先生方のお力添えと、

実際に曲独楽の特徴を知る我々、曲独楽師の「先輩からの知識」と、

あと数人となった曲独楽製作者の先生方の協力で、確認するしか無い。

 

取材される方たちにお願いしたい事。

 

本当に記録を収録する事にお付き合いしてくださる皆さんを、求めています。

 

その時々の曲独楽師を取材しても、実はいまだに

「曲独楽」の内容については、わかっていないんです。

 

情報の集約のこと、これも大問題です。

曲独楽の資料は、果たしてどこで一同に見られますか…?

 

永田町の国会図書館、国立劇場演芸資料館、千葉の歴史民俗博物館、

早稲田大学の演劇博物館、両国の江戸東京博物館、まだまだまだまだ…

 

本当に、どうしたらいいんでしょうね…!

困った困った!

 

 

2013/01/31 05:01 | miya | No Comments