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この2週間の気になるニュースを取り上げています。
キーワードは社会福祉や、市民活動です。
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ソース:朝日、読売 2012/6/29
「精神科への入院、原則1年以内」に。
入院治療の必要性がない患者を早期に退院させ、地域で暮らせるようにするのが狙いです。この分野は、昔から市民活動の大きな活躍の場です。私が責任者をしています、京都サポートハウスでも収益事業の出品スタッフとして活躍して頂いていた時がありました。うまくツボにはまれば健常者以上に仕事をしてくれる方もいらっしゃるので、病院になんとなく入院をさせるよりは、地域に多くの受け皿を用意したいところですが、いくつか問題があり、結果的に長期の入院者が存在しているわけです。資料を見てみますと、精神疾患による入院患者は約33万人(2008年)で、1年以上の入院が22万人、10年以上の入院も7万人を超える。政府としては医療費の抑制をと考えているのでしょうが、なかなな簡単に行きそうにありません。ただ、朝日新聞の記事では精神病院の医療スタッフを他診療科並みに人数を増やすということが詳しく書いています。これはありがたいですね。そうなればその分野での労働者人口も増えるので偏見や差別も少なくなります。偏見や差別はおおよそ誤解と無知の上になりたっていますからね。もちろん、長期入院患者さんが減るのは間違いないでしょう。医師については、患者さん48人につき医師1人だった基準を、入院後3カ月未満に限り、16人に1人になるそうです。話は変わりますが、地域の受け皿が少ないのは、ひとつには大きな壁があるからです。それは、差別意識です。市民活動の大きな障害は、実はこの差別意識です。退院後の受け皿つくりには、スタッフ、場所、資金の調達や確保が必要ですが、この分野は、相変わらずの差別意識で、地域に精神疾患をもつ方の集う場所を作ろうとすると、猛烈な反対運動が起きます。(そのエネルギーを政府に向けられないのか?と思うほど)この記事にあるように、早期の退院を目指すならば、患者さんが生活する地域の方の温かい支援体制を充実させないとうまくいかないと思いますし、そこには、市民活動の活躍の場があるのではと考えます。
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ソース:読売 2012/6/28
「胃ろうなど人工栄養中止可能に、医学会が指針」
日本老年医学会(理事長・大内尉義東大教授)は27日、高齢者の終末期における胃ろうなどの人工的水分・栄養補給について、導入や中止、差し控えなどを判断する際の指針を決定した。以前、私は、尊厳死について書きました。(過去記事32,33番、胃ろうが尊厳死の妨げになっていると言う論調ではありません) 何をして尊厳が保たれているというのか意見が分かれるところですが、終末期の高齢者の患者さんにこれ以上の医療は不要だと感じながらも立場上、言えずにいた医師には朗報ではないか。家族の意向を無視して勝手な治療の打ち切りはもってのほかですが、指針ができたことで医師の方から家族に中止や差し控えが提案できる。もちろん、正しい見地にたっての情報提供が大切なことは言うに及ばずです。一方、医療費の削減は重要な課題です。胃ろうなどを始め、各種の延命治療には多額の費用が必要です。ただ、その面だけをみて、できるだけ利用者を減らそうでは、あまりにも悲しい世の中です。数字だけを見るのではなく、それに心が伴っているのかも考え見てゆきたい。患者と家族には延命治療のメリットとデメリットをきちんと説明し、しっかりと理解をしてもらい、納得のいく選択をすることができる世の中こそ、尊厳死を迎える第一歩です。
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ソース:朝日中学生ウィークリー 2012/7/1
「日本のPKO参加20年」
1992年から、国際貢献は、お金だけではなく人も出す方針に変えてから20年経過したPKOです。若い方には当然のように受け入れられていると思いますが、92年より前は自衛隊の海外派遣なんて考えられませんでした。実際私は今も、国際貢献は、自衛隊の海外派遣は無用で、できるだけ市民レベルと行うべきだと考えています。コストの面でも自衛隊に任せるより現地の日本のNGOに任せたほうが安価で費用対効果も大きい。新聞の記事では、8割の方が自衛隊の派遣を評価しているということですが、それは多数の死傷者がでるような規模の大きな戦闘行為になっていないことなどが理由としてあるのでしょうが、現地の方々には、軍事的な装備をした人にウロチョロされるより、民間人がサポートにきてくれるほうがうれしいでしょうね。(カンボジアPKOでは民間人と警察官、合わせて2名亡くなられています。警察はPKOには参加しなくなっています)私が思う海外派遣は、できれば自衛隊は解散し、国際救助隊として再編して欲しい。日本の国旗をみれば、赤十字や赤新月が来た様に歓迎される組織になって欲しい。原発に依存する世の中からの脱却を目指そうと歩みを始めた日本。できれば、軍備からも脱却をし、真の国際貢献を目指してゆくべき時代に来ていると考え行動したい。軍事的支援はそのときには効果があるかもしれませんが、何の根本的な解決にはなりません。それは歴史をみれば明らかです。PKOのOは「operations」です。「活動」と訳されていますが、「作戦」とも理解できます。ここで言う作戦は、国益という美名の下、行われる戦闘行為です。PKOは、現地の方の平和維持のために使われるべき言葉で日本の国益のために使うならば、派遣ではなく、「派兵」です。