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2011/12/17

これまで長らくジャグリングのことについて延々と語ってきましたが、
「じゃあ結局ジャグリングって何?」
と言われてしまうと、困ってしまいます。
あまりにも色々なことがあるので、一言に定義できないのです。

敢えて一言で言うならば「物を操る曲芸」ですが、
そうとも一概に言い切れないんです。

大道芸には、風船を使って、プードルや花を作るパフォーマンスもありますね。
しかし、あれは「物を操る曲芸」ではありますが、ジャグリングではありません。
日本の伝統芸能に「紙切り」というものがありますが、それと似ていると思います。
折り紙なども「紙切り」とカテゴリは同じではないでしょうか。
その場で即興で絵画を描くというパフォーマンスもありますし、
製作過程を人に見せながら行うパフォーマンスというのは、
それはそれでワンジャンル、ジャグリングとは違うものです。

パントマイムとジャグリングの境界もまた難しいです。
パントマイムというのは、その場に壁があるように錯覚したり、ロボットのように動いたりするもののイメージが強く、
普通は道具を使ったパフォーマンスは想像しないでしょう。
しかし、ジャグリングの中に含まれる「コンタクトジャグリング」と呼ばれるジャグリングは、道具こそ使っていますが、
「ボールがその場に止まっているように」見せたり、
「ボールが空中に浮いているように」見せることもあり、
パントマイムと非常に良く似ています。
もしかすると、中には、パントマイムをやっているつもりで
コンタクトジャグリングをやっている人もいるかもしれません。

逆に、先日紹介した「マニュピレーション」は、
ジャグリングの演出にこそよく用いられますが、 パントマイム系のジャンルの色が強いので、
僕の意見ではジャグリングの一種ではないと考えます。

手品、マジックにもジャグリングと良く似たものがあります。
本当にタネも仕掛けもなく、 指先のテクニックだけで、指の上でコインを転がしたり、カードを操ったりします。
ペン回しなんかもこれに近いジャンルですね。
これは、逆に「ジャグリング」一種であると言われても僕は何の違和感もありません。
マジシャンがどう思うかは別ですが。

こちらはコインロールの動画。

このように、
ジャグリングの中には、他のパフォーマンスと隣接するものがあり、
その「境界」は曖昧です。

ただ、ジャグリングの大会であるならまだしも、
ジャグリングの大会ではない、大道芸などの人に見せる機会である時、
「ジャグリング」か「ジャグリングではない」か、ということはあまり重要ではありません。
むしろ、ダンスと組み合わせたり、バランス芸と組み合わせたりするなどした方が、
パフォーマンスとしてはより面白いものになる筈です。

さて、そのように他のジャンルとの境界があいまいであるジャグリングですが、
ジャグリングをやっていると、「だいたいジャグリングってこういうものなんだな」
ということは、少しずつわかってきます。

次回は、「ジャグリングって何?」という話をしたいと思います。

2011/12/17 11:55 | ryuhan | No Comments