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年度末、最終日の最後の配達に社長が出発いたしましたので
すっかり落ち着いた中、コラムを書き始めました。
今回は真面目に書いてみようと思っています。
先日、Junkstageの桃生さんがご結婚されました!おめでとうございます~ヽ(^o^)丿
そして、ご披露宴パーティに使われるブーケをご注文いただきました。
とても幸せなお仕事をさせていただきました。
花屋をやっていると、多くの方の人生の節目に関わることが多いのですが
Junkstageがご縁でお仕事をいただけるなんて、本当にコラムを書かせていただいていて有難く思います。。。さぼりさぼりですみません。。。
このブーケですが、今回はプリザーブドフラワーで作らせていただきました。
それは鹿児島からの発送という点、またご友人へ贈られるということから
こちらで提案させていただいて、生花ではなくプリザーブドフラワーということになりました。
今でこそプリザーブドフラワーも認知されてきまして、
いろいろなお店で見かけることが増えてきました。
割高な価格も、そういうものだと認識されてきましたことは嬉しく思います。
が、私は以前、プリザーブドフラワーが好きではありませんでした。
ぶっちゃけますが。
あれは、花屋で扱う必要はない!と思っていました。
今さらかとは思いますがプリザーブドフラワーって何なの?という方のために簡単に説明させていただきますと
・薬品を使って着色し、保存の効く状態に作ってある花のこと
・造花と違う点は元の材料は生花であるということ
ということです。
着色するために、普通の生花では見られない色を確実に手に入れることができますし
生花を使ってあるので触ってみたら生花そのものです。
しかし長く保存がきくメリットがあります
長く保存がきくというのは、メリットなのかデメリットなのか
そこらへんは個人的な考えになりますので、今は割愛します。
手間暇をかけて作られたプリザーブドフラワーの花、メインはバラですが
その花首(茎はなし)だけがケースにいくつか入って資材屋さんで販売しています。
その花首にワイヤーなどを掛けてボンドなどの接着剤で土台に付けたりしながら作品を作ります。
その作業は、花というより、どちらかというと手芸、工作。
花も自然の色ではないし、茎を見せられないため花は下の方に沈んだアレンジになってしまう。
今まで生花で作っていたような大きさのアレンジをプリザーブドフラワーで作ろうと思えば10倍以上の金額がかかってしまうかもしれない。
そんなストレスを感じてまで、プリザーブドフラワーを扱う必要はない。
同じような理由でうちの店は造花も扱ってきませんでした。
そしてそれは、うちの店のスタッフでは共通の認識でした。
しかし、時代はそれでヨシとしてはくれませんでした。
ある時、お得意様よりプリザーブドフラワーのブーケのご注文をいただきました。
それも中がピンクで外側が白いバラのキャスケードブーケ。
その頃のプリザーブドフラワーには中がピンクで外側が白いバラなんて
素敵なものはできておらず(今は近いものがあります)
さらにキャスケードというのは長く下に垂れ下がるタイプなので手間もかかるし
茎のないプリザーブドフラワーの花をどうやってしていいのかもよく分かっていない。
金額もどのように設定していいのかわからないし
扱わないつもりでいたので、たいして勉強もしてこなかった。
そんな状態でしたが、結局お客様の熱いご希望で思い切って受けることに!
それが6年前のお話。
そしたらですね、プリザーブドフラワーの魅力がちょっとわかったんです。
中がピンクで外が白いバラ。。。作れたんです。
生花ではありえない、はがして貼るという原始的な方法でしたが。
しかも枯れる心配もないので時間をかけてじっくり作ることもできる。
なるほどな~、プリザーブドフラワーもありかも。
そう思えるようになってきたころに、ご注文をぽつぽついただくようになりました。
ブーケやアレンジ、プリザーブドフラワーを使ったフレームアレンジなど
種類は多岐にわたります。
作っている時は楽しいです。
そして気づいたんです。
プリザーブドフラワーの魅力は、もらうことより作ることが楽しいんだということに。
いまだに手芸と同じ感じという感覚はぬぐえずにいます。
ただし、手間暇がかかりますので
作っている時間は楽しいのですが、それは時間に余裕がある時限定です。
バラを一本給水スポンジに挿すという行為は
生花でしたらハサミでシャッと切ってグサッとさせばいいところ
プリザーブドフラワーは花首にワイヤーを通して(大きさによっては2本)
それをフローラルテープで巻き、ボンドをつけて挿す
この繰り返しになるため、やっぱり時間が必要です。
出来上がればやっぱり長時間向き合っていたため、愛着もわきますし
売るのがもったいなくなるぐらいです。
また、これを書いていいのかわからないのですが
お客様でプリザーブドフラワーを求められる方には2種類いらっしゃって
お花が好きでプリザーブドフラワーも好き
今回、人に贈るにあたってこの人はプリザーブドフラワーを贈ったほうが良さそうだ、と判断してのご注文の場合
それと、お花は枯れてもったいないからプリザーブドフラワーって枯れない花の方がいいんじゃない?というお客様の場合
後者の方の場合、花屋自体に来ることがあまりなく、枯れたらもったいない、が先に立っているので、まあ、ある意味、プリザーブドフラワーであれば(予算があえば)いいという感じでしょうか。
ここが実はとても気になるところなのです。
確かにプリザーブドフラワーの認知度が高くなり求められるお客様も増えたので
量販店さんなんかにもプリザーブドフラワーが置かれるようになりました。
手芸店にもありますし、もともと手先が器用でご自分でハンドメイドをされている方がアレンジされて販売していることもあります。
ご自分で作られている方は良しとして、
量販店などにずら~っと並んでいる商品を見た時に
・・・がくっと来るんです
これを買う人がいて、プリザーブドフラワーって高いな~
そしてあまり喜ばれなかったな~
プリザーブドフラワーって贈り物にだめなのかな、やっぱり花はやめた
になっちゃうのではないか、と思うほど
プリザーブドフラワーだよ!枯れないからいいよ!だけを押し出している作品が
とてもとても気になります。
どこぞで大量生産をされているんだろうな~
そういうのを見ると私もプリザーブドフラワーに対しての気持ちが下がります。
やっぱり生花だな、となってしまいます。
そんなことを繰り返し、ご注文をいただけばお作りしてみて
やっぱりプリザーブドフラワーもいいじゃん♪と復活したり下がったり、の毎日です。
そして、そんな葛藤の日々の中で、ある先生に出会いました。
その先生はこうおっしゃいました。
『花屋さんにしか作れないプリザーブドフラワーを作りましょう!』
そうだ!そこだ!
私たちは日々、お花に接しているので
いちばんお花をきれいに見せる方法を知っています(はずです)
技ももっています(はずです)
量販店にあるような作品(と言っていいのか?)とは全く違うものを作れるのです。
わざわざうちの店に注文を下さるお客様はそれを求めているんですよね。
そう思い立ってからは、プリザーブドフラワーに対しての気持ちが復活しました。
生花で作るアレンジは、多少技術がなくとも生花のパワーが補ってくれるけど
プリザーブドフラワーは技術とセンスがすべてです。
センスがすべて。
だから、常にセンスを磨いていかなければいけないな~と思っています。
それと、以前作っていた作品は
いろいろな技法を使って開花(きれいに花を開かせた状態)させていましたが
私は、満開より多少つぼみの状態が好きですので
今はあまり開花させずに使っています
バシャっと人工的に開かせたバラがどうしてもだめなのです。
きれいに開いていればいるほど、だめなのです。
これは本当に個人的な好みなので、良い悪いではありませんのであしからず。
そんなこんなで作らせていただいた桃生さんのブーケですが
私好みの『大人ラブリー』をテーマで作らせていただきました。
桃生さんのイメージです。
お写真もちょっと見せていただきましたが
美しい(T_T)感激でした
ぜひ、皆様もこそっと見せてもらってください(笑)
長々と書いたコラムですが
結局のところ、プリザーブドフラワーは花屋の作る作品が素敵!
というのが認知されるように頑張ります、と言いたかったのです。
最後ですが、枯れない枯れないといいますが
1年ほど変色しないで楽しめますよ、その後はまた新しいものに変えても
充分元取れますよ、ということもお伝えしておきます。