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2014/12/31

もう少しで、除夜の鐘を聴くことになる時間ですね。

新年早々、初詣にでかけるつもりです。

一人で仕事をしながら、この一年に振り返ってみました。

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医療の世界の進歩はすさまじい。

ただ、単に技術だけではなく、先月にもご紹介した通り、ビッグデータの利用も始まっているので、治療は医師の個人的な経験頼みだったものから、世界の医師の経験値が共有される時代に入ったと言えます。また、患者の個人的な想い(願い)にも配慮がなされるようになりました。そういう意味では、患者さんと病院の距離は一層近くなったと言えるかもしれません。制度的な面でも前進がありました。(例:難病法「難病の患者に対する医療等に関する法律」)

一方、闘病生活や障がい、介護などが原因で、本来もっとも密接な関係であるはずの家族が崩壊してしまうケースもあり、難しい時代に入りました。同じアジアでも、フィリピンでは、お年寄りへの尊敬の念と、愛情があふれているので介護の問題はないそうです。そういう背景もあり、フィリピン人の高いホスピタリティーを活用しようと、フィリピン人介護士を派遣する会社が現れています。カナダでは、フィリピン人の介護士については、労働期間がわずか2年で永住資格が与えられますから、フィリピン人にとっては、魅力的な移住先でもあるようです。一方、日本では、日本の介護士の資格と、日本語検定2級の資格も取らないといけないなど、ハードルが高いくカナダのようにはいかないようです。

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話は少し変わりますが、先にもあるように、海外からの移民を受け入れるということを真剣に、それも市民レベルで考えてゆかねばならない時代でもあります。介護だけではなく、いわゆる3Kの現場で働く外国人労働者が日本で生活をしています。およそ、220万人の日本に住む外国人のほかに、これからは、年に20万人の移民を受け入れようという議論が始まっています。こういう流れに対して、拒否反応を示す人も出てきています。とある、団体の演説を聴きました。数十人はいると思われる聴衆の前に50歳代と思われる男性が登場。彼はなぜかサングラスをかけ、素顔で演説することに抵抗がある様子。興奮した様子で、20万人もの移民受け入れには絶対反対だと。なぜならば、日本の伝統や文化が失われるからだと。だが、全身洋服でサングラスの出で立ち(いでたち)で、伝統云々といわれても説得力が無い。きっと、日本語が通じない人への漠然とした恐怖心があるのではないのかなと感じた次第です。しかし、今の社会制度を維持するならば、移民を受け入れるか、もっともっと子どもをたくさん産むかの2者択一しか無いのは明白です。日本の伝統も大切ですが、まずは、当たり前の生活を確保せねばなりません。

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新しいことが必ず良いことではありません。また、古いことが決して悪いわけではありません。なので、「どちらが良いのか!」的な発想で、世の中を単純に決着つけることは非常に危険です。しかし、新しいことが始まると、必ずそれに付いて行けない人が登場することは必然であります。この様に、新しい考えと、古い考えがぶつかり合う時に、「時代は大きく動く」と言えます。

今年は、医療の新しい動きに感動し、古くからある「家族」という枠組みが崩壊しつつあることに悲しさを覚えた一年でもありました。また、市民活動は一層元気な時代にはいりましたが、その分、行政は財政難もあり、社会的問題にきちんと向き合えていないケースが増えてきています。来年は、まったく正反対にある意見や考え方を排除するのではなく、双方の良いところや人材、お金をうまく使って、社会的問題が1つでも解決の道筋ができるよう、私も、常に社会の動向に目配りして行きたいと考えています。1つでも実感できれば、2つ目もできるはずです。これからは、「古い、新しい」、「右だ、左だ」なんて言っている場合ではありません。そういう考えや議論をはるか超越した世界がきっとあるはずです。来年はそういうテーマを持って一日一日を丁寧に過ごして行きます。

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2014/12/31 11:30 | hamamoto | No Comments