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2014/09/09


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いろいろ紆余曲折がありつつも、借りることになりました。
以前ご紹介した、瓦屋根のアトリエです。

荷物置き場も兼ねて、「とりあえず」の作業場所として、お借りしました。

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トイレがないのが難点で、隣りの友人宅のトイレをお借りしています。

でも実は、なかなか気にいっており、シアワセにお仕事しています。

今日は、宮古島のシンガー・ソングライター、下地勇さんの音を聞きながら。

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ちょうど1週間前から入居し、
じぶんでコツコツと清掃して、荷物を自宅から運んで・・・。
電動ドライバー片手に作業してたら、大家さんが
「あんた女なのにそんなことするなんて。せつないなあ。」
と手伝ってくれたりしました。
私、べつに、そういう作業も好きでやってるんですけどね・・・
だから男にモテないのか〜(笑)

先週の金曜日午後。2014年9月5日。

準備ができたので、あるクライアントからの依頼で作る香水のための下作業を始めました。
アトリエの始動です。
ひと作業終えてから、夕方にひとりで乾杯。

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おもえば、じぶんのアトリエを持つ事は、ずっとずっと夢でした。
それまで持ったことがなかったので。
多くの方は驚かれます(笑)
いままで「その時」がくるのをじっと待っていました。

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幼い頃は、札幌の叔母が持っていたオートクチュール・アトリエ「PEPE & 洋子」に遊びに行くのが楽しみで仕方なかった。
そこは、布の香りと、シャネルの香りに満ちていました。
ほんもののビロードや、シルクシフォンなどの高級布を、リカちゃん人形に巻いて遊んだり・・・。
わざわざシャネルの石鹸で手を洗うために、何回もトイレに行ったりして・・・。
その手触りと香りは、幼少の記憶、いわばわたしの原風景です。

そのイメージがじぶんの中にあったからこそ、
「アトリエを持ちたい」と自分も思えたのだろうと思います。
叔母のことを思い出しながら、感謝しながら、
ビール片手にひとりで静かに、「40歳にしてようやくか」と祝いました。

 

その時間帯にちょうど彼女は、
くも膜下出血でひとり倒れていたそうです。

 

夜に発見され、4時間半に及ぶ手術の後、現在は集中治療室で昏睡状態だそうです。
70歳の彼女は、いまでも現役でクライアントの服を作っていました。
すすきのの歓楽街の女性たちが主なクライアントでしたので、
今ではその方達の引退もすすみ、
彼女もマイペースにオーダーをとりつつ、
洋裁教室を開いて、洋裁を教えていました。

彼女がふたたびアトリエに復帰できることを祈っています。
でも後遺症が残る可能性もある。

私がアトリエを持ったら、彼女が倒れた。何か意味があるのでしょうか・・・。

私は、彼女に感謝しつつ、
彼女の分もじぶんの仕事に励もうと思います。

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2014.09.09. オモト山の麓のアトリエにて
2014/09/09 01:38 | maki | No Comments