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ジャグリングには「基本技」と呼ばれる動きがあります。
例えば、ボールなら、左右交互の手でボールを投げ続ける「カスケード」です。
カスケードとはこういう技です
一般的には、ジャグリングはこの状態が一番「安定」していると考えられています。
つまり、一番落とす危険性が無い状態だということです。
この技のパターンをずらし、より落とす危険性のある状態に発展させるのが「技」です。
例えば、1つのボールを高く投げあげて、その間に1回転してキャッチして続けるとか、
手を交差したりして、投げるのが難しいパターンの技をやったりします。
これを、ジャグリングを知らない人が見ると、「おおっ!」と思うわけです。
ただ、ジャグラーでは無い人が見てもイマイチわからないかもしれないですが、技というのは、ある程度パターンが決まっています。
そのため、お客様が大道芸に興味を持つなどして、ジャグリングを見る機会が増えてきたりすると、どの技も同じように見えてきます。
巧いジャグラーは、そこら辺を心得ていたりして、
同じジャグリングでも、他のジャグリングとは一味違うぞ、というところを見せることができます。
では、「他のジャグリングとは一味違う」というのはどういうことなんでしょうか。
圧倒的な技術で他のジャグラーを引き離す、というのも一つの手ではありますが、
他のジャグラーがやっていないことができれば「一味違う」ということを見せることができます。
つまりは、他の誰もやっていない「新しい見せ方」を開発する、ということです。
とは言え、「他のジャグラーがやっていない」ということが、見ている人に伝わらなくてはなりません。
例え、「この技は僕オリジナルの技なんですよ!!」と主張したとしても、それが本当かどうか証明するものは何もありませんからね。
「新しい見せ方」を開発する時は、想像力が必要です。
「今、自分にできる技を応用して……」という方法では、結局「一味違う」物を作るという、本来の目的のレベルには達しないでしょう。
「こんなことができたらすごいよな!!」「これができたらみんな驚くぞ!!」 と、「今、自分にはできないこと」を想像して、それを実現させるために練習をする。これが「新しい見せ方」に繋がるのです。 勿論、今、自分にできないのだから、当然「お手本」などありません。その、「新しいこと」を成功させた脳内の自分をお手本にして、それを目指すのです。
youtubeの動画を見ていると、「どうしてこの人はこういうことができると思ったんだろう……」というジャグリングが多数見つかります。
彼らには、多分、僕らの見えない、違う世界が見えているんじゃないのかなぁと思います。
特に、グレッグ・ケネディという人のジャグリングは、その発想に至るまでの過程を是非とも教えてもらいたいものばかり。
「一味違うジャグリング」の究極形態であると思います。
僕もどちらかというと、新しい見せ方を追求する方が好きなジャグラーですが、そう簡単には「こんなことができたらすごいよな!!」という発想は出てこないものです。