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広告人・須田和博氏の場合
After Talk – 一問一答
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※この回は、インタビュイーの言葉をそのまま掲載します。
解説はつけませんので、各々のうけとり方でお楽しみ頂ければ幸いです。
●現在過去問わず、衝撃だったメディアは?
ニコニコ動画。
映っている人が何をしていようとも野次られるあの感覚。
社長が収支決算を大真面目に話していても、コメントは「ハゲ、ハゲ」ですよ。
炎上が怖いとかじゃなくて、ああいうのにさらされるのが当たり前と思わないと、
今の時代、仕事やってられなくないですかね?
●マスvsデジタル について
分業しないと間に合わないという部分はあります、実際。
でもやっぱりTVは強力。CMだって、使い方ひとつ。というのが、Webをやっているから
こそわかる。
田舎に帰ったら、うちの父親なんてテレビしか見てないですから。
僕自身も、ネットニュースより新聞を読みます。知るつもりのない情報にも接することが
できるから。
今ちゃんとやるべきことは、各メディアのながれをどうつくるかでしょう。
●広告はどうなる?
広告は終わりません。
みんなが不可欠と思っているGoogleだって、広告で成り立っている。
人間の本質は変わらないし、広告も昔からやっている事は同じ。カタチが変わるだけ。
広告がなくなったら、みんながなくしてしまうものが、たくさんありすぎます。
ただ、“ウザい”と思われてる広告がいっぱいあるのは事実で、そういうものは淘汰されて
いくとは思います。
●今後、注目の分野は?
スマートフォン。
前問で「人間の本質は不変」と言いましたが、スマホが出現して、人間ちょっと変わるか
もと思った。
人間は進化しない。でも唯一、進化しているのは「面倒くさい」という感覚。
全自動洗濯機がある日突然壊れたら、マジ勘弁してくれと思いますよね。今の僕の家です
けど。
スマートフォンを持つと、「超能力」を手に入れたみたいに、できることが俄然増えた。
だから、逆に電源が落ちたり、圏外になったりすると、強烈な「無力感」に襲われます。
これが広告の新しいフィールドになるかもしれないと思っています。
●尊敬する人はいますか?
藤子・F・不二雄、ゴダール、大貫卓也。
●これからの広告のキーワードは。
「広告」から、「広場」へ。
いろんなところで言ってますけど。
一方的に告げるやり方から、ユーザが伝えあう場づくりへ。
そういうものになるぞ、というよりは、そういうものになったらいいなあ、と。
●総合広告会社のこれから
総合だからできることはある。たとえばメディアやクライアントを組み合わせること。
仕掛けを作るというのは、クリエイティブを極めるブティック系ADが持たない発想。
デジタルじゃ儲からない、たしかにそう。だけど、これは必須の武器。
組み合わせ価値の提供こそが、要は「総合」の仕事。だからこそデジタルが出来なきゃ、
もう無理っていうシンプルな話なんです。
もうひとつの、その先の仕事は、企業の中に入り込んで、そこでマーケティングを変えて
いく仕事です。
この2つが総合広告会社の未来の仕事になるはずです。
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了
Special Thanks to K.SUDA & C.NISHIO / Hakuhodo Inc.