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2010/09/23

地球の舳先から vol.181
パリ(2010)編 vol.1

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なにかあるたびごとや、転機のたびごとにここに来たくなるのは、
かわらないものを見て、むかしの自分とかわらない部分を確かめたくなるからなのかもしれない。

2年ぶりにパリへ戻ってきた。
つまりは私の場合、それは「転職をした」と同義なのだけれど。

初の直行便にして、初の西側欧州系航空会社。
シルバーウィークを外した成田空港の南ウィングは、静寂そのもの。
いつかエールフランスでパリへ行きたい、と願ったわたしの思いは4年越しで叶えられたわけだが、座席がエアチャイナより狭いのには衝撃を受けた。
しかし機内食が異常に美味しい。
アペリティフには陽気なCAがシャンパンをすすめてまわり、テリーヌと魚介のマリネの前菜に
メインは舌平目のグリル、食後にはこれまたコニャックをすすめてくる。
フライトの半ばにはセルフサービスコーナーがOPENし、カップ麺やサンドイッチ、アイスクリーム。

ただ、12時間の長旅はこたえた。(ほら、いつも、乗り継ぎ便だから途中休憩があるわけで)
ここのところの不摂生と睡眠不足に見事にたたられる。
睡眠に関してだけはドのつく神経質なわたしは、飛行機のなかでなど寝られない。
しかし本を読んだりテレビモニターを見つめれば意識は朦朧とし、「落ち」かかっているのに
眠りには至れないというあの辛さ…
パリへ向かって高度を落とし始めた頃には目はまぶたが腫れて開かないし、
足はむくんでかかとを踏まないと靴が入らないという酷い状態。
大好きな地が見えてきたというのにわたしの頭の中にあったのはただ
「横になって今すぐ眠りたい」である。

それも滑走路が近付くと、とあることが気になるせいで弱まっていく。
パリの国際空港、シャルル・ド・ゴールには野ウサギがいっぱい住んでいる。
あんな轟音のなかで住みづらかろうと思うのだが、草を食み、駆ける。
そんなわけで、飛行機が嫌い(というよりは、正直申し上げてコワい)なわたしでも、
ドゴール空港でだけは窓に貼りついて外を眺めている。
しかし滑走路にはウサギが見当たらない。移住か、まさか駆除…?などとはらはらしていると、1匹、ぴょんこと跳ねる物体をわたしの起動ぎりぎりの動体視力が捕えた。
いた!と目をこらすと、やっぱり、いるわいるわ。
裏側だけが白くなっている平べったいしっぽをひょこひょこさせて、駆けるわ駆けるわ。
わたしはなぜだか、心底安堵した。

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空港へ着くと黒塗りのタクシーに心を奪われながらも、RERという列車の乗り場へ急ぐ。
最初に来た時はタクシー(約50ユーロ)、次は空港バス(約30ユーロ)、今回は列車(8.7ユーロ)。
ちょっとずつ旅慣れているのだろうか。
と思いつつ、パリへ着くとまるで旅の実感がなくなってしまう。
2年前に歩きまくったおかげで土地勘はあるし(もともと簡単なつくりの町である)、
メトロの乗り継ぎもアタマというよりは足が覚えている。
ぼーっと歩いていてもデパートの惣菜コーナーに着くし。
それよりも意外だったのは、他愛もないことばかり思い出すことだった。

そういえばこのへんを歩いていたら雨が降ってきてあのカフェに入った、とか、
このあたりで信号待ちをしているときに当時の恋人からの電話を取った、とか。

ルーブル美術館のことは土偶コーナーくらいしか覚えていなくても、そんなことは覚えていて、
いや、覚えているというよりは思い出すのだと思った。
とりあえず、観光にあくせくするのは今回もやめて、毎日散歩でもしていよう、と思う。
そしたらきっと、なにかあとあともう一度思い出すような、小さいことが起きるかもしれない。
喜怒哀楽の外側にある、ほんとうに他愛もないこと。

あしたへつづく

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#明日からはアパルトマンを押さえてますが、今日だけ仮宿。
 サンラザール駅、オペラガルニエやプランタンに近いホテル。
 見事になにもない(コップも)ので、風邪薬かっくらってこれから寝ます。
 明日は世界最大のシューズ売り場(150ブランド格納)というデパート
 ラファイエイットへ行ってクツ買います。
 時差マイナス7時間のパリより、おやすみなさい。

2010/09/23 05:17 | ■パリ , ■パリ(3rd/2010) | No Comments

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