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2010/07/05

地球の舳先から vol.173
ラオス編 vol.10

寺地獄に突入したわたしの観光コースはそのあと、凱旋門、国会議事堂のようなもの、
マーケットと続いて、また大量の昼食を食べさせられると、しばしの自由行動となった。
ちなみに昼食は、白身魚のはちみつ揚げ煮、野菜6種の炒め物、酢豚的な豚と野菜の和え物。
これに白米と、えびの入った赤いスープ、デザートにコーヒーがつく。
頑張っても半分しか食べられず、コーヒーの後にダメ押しで出たバナナが美味しくて困った。
オーガニックの名のついたレストランには日本人が多く、必死にハエを手で払っている。
厨房はもっと虫だらけなんだから気持ちの問題だとは思うのだが。


(魚介と野菜のスープが、とにかく美味しい。)

わたしは睡眠に関してはかなり神経質だが、食についてはほとんどこだわりがない。
美味しいものを食べるのは当然幸せだが、食が貧しければそれはそれ。あるものを食べて不満はない。
衛生面には気を使うことにしているが、それは「気持ち悪い」とかじゃなく病気を防ぐためである。
精神的に逆毛が立ったのはキューバでピザの具にハエが混じってあぶられていたときくらいだ。
ふたつに折ったピザ(そして、キューバはだいたいのものが不味い。「美味しくない」のではなく、真剣にマズイのだ)を頬張り、中からカラカラのハエの死体を発見したその瞬間を想像してほしい。(イカン、今日のこのコラムのエントリはいつものお昼どきを外そう。)

食後に、目を付けていたマッサージ店でフェイシャルマッサージを受ける。爽快。
元々旅に出ると代謝がよくなるので、その後外へ出たら発汗量がすさまじいことになった。
おしゃれなクラフトショップでおみやげを買い、前夜は暗くて何も見えなかった通りを歩く。
ゆったり時間が流れていて、数え切れないくらいある寺院ではオレンジ色の布を着た
僧侶たちが庭でゆっくりなにごとか作業をしている。休日だからか、車も少ない。

午後はふたたびガイドと合流し、4つほど世界遺産を含む巨大な寺院を訪問した。
あまりに寺に興味が無いので、そのうちのひとつに白と黒の2匹の猿がいて、その子どもが人間に非常になついていて網ごしに手を握ったら離してくれなくなったことと、
屋根のてっぺんの飾りだと思っていた巨大なペリカンみたいな鳥が実は生きていて、ガイドが果物を投げたらキャッチしたので相当びびったことしか覚えていない。メモもない。
いや、車を降りるときも肌身はなさずトラベラーズノートを持ち歩いているのでメモはあるのだが、
「そのあと、ワットなんとかへ行く」とか書いてあって、まるで役に立たない。
ちなみにワットというのは寺という意味である。そりゃ「ワットなんとか」だろうよ…。

 
(左:証拠写真。字までやる気がなさそうだ。 右:普通はこれくらい書いている。)

ちなみにラオスでは英語がばっちり通じた。
なんでも、英語ができないとオフィスワークは当然のこと、レストランでも働けないのだという。
そう、「日本人が英語をしゃべれない」というのは、実は大変幸福なことなのだ。
外国語を話し、外国人を相手にしなくても仕事がわんさかあるくらい、国内に需要がある。
それはある意味、国としての豊かさを表しているともいえるだろう。
国が豊かだからこそ、英語ができなくても生きていけるどころか稼げる。という、この皮肉。
逆に昔とくらべて「英語ができないとやばいよね」となっている昨今の風潮は、…つまりそういうことなのだ、きっと。

終盤にガイドに、六本木からの東京の夜景が写るポストカードをあげたら仰天していた。
外国人にあげるなら、東京の夜景の写真が一番受ける。逆に一番受けないのは富士山だ。
富士山は日本人だからシズるのであって、わたしたちがすごい後進国の5階建くらいの建物がギラギラ光っている写真を見せられても「…」としか思わないように、大自然を知っている人たちに富士山の写真を見せても「…山、ですね?」くらいにしか思われない。


(ガイドとさびしがりやの子猿。)

気温38度の灼熱寺地獄を終え、空港に向かう。さっそくフライトが2時間遅れるという通達がある。
「バンコクでトラブルがあり、そこの乗客をルアンパバンに先に飛ばす」らしい。
本当かどうかは知らないが、いま「バンコク」の話を出されると反論できない雰囲気がある。
「先に搭乗券だけ出してくれ」と食い下がると、すんなり出てきた。今度は手書きではない。
一緒に待たせては気の毒なのでガイドはその場でバラし、ひとりで時間つぶしに国際線ターミナルへ。街中で買えば60円のビアラオが150円だが、止むを得ない。

遅延定刻6時のフライトに合わせ、5時半に国内線ターミナルへ戻ると、係員につかまり急かされた。30分も前に到着したのに、どうやらここでも最後の乗客になってしまったようだ。
遅延に定刻などはなく、チェックインした乗客を全員乗せたら出るらしい。
逆を言うと空港へ行かずになんらかの事情で遅延を知って、出発の頃空港に行ったら飛行機はすでにいないかもしれないというシステムなわけか。
わたしのせいではないと思いたいが、地上での操縦がかなり粗い。
片方の車輪を固定して猛烈なUターンをするので、窓に頭をぶつけた。エアコンから煙が出ている。

lao17.jpg

それでなくとも飛行機嫌い(なぜ飛ぶのか意味不明である)のわたしは、ビビリ始めた。
飛行機が怖いので、基本窓側には乗らない。雲の上にいくまでは、外など見たくもない。
「通路側、通路側!」と指定してチェックインしたのにも関わらず、先に乗っていた隣のガイジンはジェントルマンで「窓側をどうぞ」と通路側の座席ですでにシートベルトをしている。
フライトの安全のため離陸最中は窓をシャットアウトすることも許されないので、
ひたすら目を閉じて最後の車輪が陸を外れるあの「ガタン」という音に血色を悪くする。
よほど急いでいるのか、わずか30分足らずで着いたフライトは最後の高度の下げ方も半端なく、胃がジェットコースターに乗ったときのように「ひゅう」っとなる。そして揺れまくる。
ちなみにこのときのメモには、「なんかよくわかんないけどアレ、もう乗りたくない。」とある。

最後まで粗い運転だったが、とにかく最大の目的地、ラオスの古都ルアンパバンに到着した。

2010/07/05 04:50 | ■ラオス | No Comments

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