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地球の舳先から vol.163
ラオス準備編 vol.1
行きたい国のストックは、たくさんある。
ラオス、カンボジア、ベトナム、チベット、ブータン、バングラデシュ。(以上アジア)
ロシア、スペイン、モロッコ、ギリシャ、ドイツ、ポーランド、モナコ。(以上欧州)
ガボン、ソマリア、イースター島、南極。(以上いろいろ圏外)
いつだって、「次どこに行こうか」はとっても迷うし、迷いすぎるから地球儀を回して指差した
ところへ行こう、などとロマンチスト的行為をするといつも止まるのはアメリカだったりする。
「だからそこは入れないんだっつーの!!!!!」と地球儀に話しかける羽目になる。
アメリカ解禁(=パスポート有効期限)まで、あと丸4年。
時とともに、その国らしさが失われてしまうことは大いにある。
たとえばチベットは行った人に言わせると98年以降はもはや中国だと言うし、
逆にブータンのようについこの間まで鎖国をしていて今頃がラストチャンスという国もある。
加えて東南アジアには雨季、ヨーロッパには冬(寒い)という時季的な問題もある。
旅を考えるとき、いつもわたしが考慮するのは、やっぱり仕事のこと。
年に2回、誰にも咎められず(そして後ろ指を刺されず)海外に出るためには、
毎日むしょうに働く(ときに演出)ことは前提条件であるが
そのうちの1回を年末年始休暇かゴールデンウィークにかぶせておくべきなのである。
そしてこの2010年のゴールデンウィークは、1日有給を取れば7連休というラッキーな年。
どこへ行こうか、と考えて、結局ラオス+ベトナムにした。
年末のヨーロッパ疲れで「次は近場がいい」と思っていたこともあり、視野はアジア。
ヨーロッパやそれ以上に遠い国へ行くなら最低でも9日間は必要。
そういった意味でも必然的にアジアだった。しかし、こう決めてからが悩んだ。
実は最有力候補はいちばん変わってしまうであろうチベットだったのだが、
チベットは同じチベット仏教圏としてブータンとあわせて周ると大変おもしろいらしい。
しかし2カ国を回るのであれば最低でも9日間は欲しい。
ということである日のJunkStageの飲み会で整さんと、「夏にチベット&ブータン旅行、
ただし現地着後自由行動・延泊自由」という相互不可侵不干渉条約を結んだ。
だって、わたしと整さんが一丸となって「キャー、アレ○○寺院!」「イヤーン僧侶!」
とかやっている図なんて、ぜんぜん思い浮かばないではないか。ぜんぜん。
だって整さんは、ひとりでトマト祭とか行っちゃうんだぞ。
そんなわけで無事、夏に延期されたチベットとブータンが候補から外されたわたしだが、
正直カンボジアとバングラデシュについては、相当勉強してから乗り込みたかった。
カンボジアは日本の自衛隊OBが地雷撤去の団体を展開しているところでもあり(それについては紆余曲折や賛否両論があり、日本の陸上自衛隊員OBが海外で活動をするということ自体が社会的に全否定されなくなったのさえつい最近のことなのだ)、
バングラデシュはご存知の方も多いだろうが世界最貧国のひとつであり、
「なぜ最貧国なのか」というところに独自の問題を抱えているのだが、これについては最近進展があり、2年後くらいに行くとちょうどおもしろい時期にあたるとわたしは踏んでいる。
そのためどちらも、今回の旅先の候補からは早々に外れた。
比して「ラオス」という国が決して薄いとか予習が少なくてよいとかいう事ではないのだが、
この国はなぜか、わたしの心の中にストンとおちてきた。
時期もいい。首都ヴィエンチャンは遷都450年を迎えるアニバーサリーの年だ。
「あ、なんか呼ばれてる」と思う要素があるときは、乗っかったほうがよい。
逆に「なんか横槍入ってる」と思うときは、無理に飛んでもかならず何かトラブルになる。
こうしてわたしは、ギリギリまでトラベルコーディネーターの立花さんをやきもきさせたが、
結果的にラオスを次の旅先にした。
ギリギリまで粘ったおかげでチケットが取れず、JAL線は自分で手配するハメになる。
GW商戦は、「不況」なんて言葉が絵空事に感じられるくらいキビシいのだ。
…そして出発、2週間前。
…案の定、丸腰である。
どうなる?!どうする?!状態だが、たまにはこれくらいのテンションで行っても罰は当たらないだろう。
という、わたしにしては相当にゆるい状態で旅に臨む。
だから今回は、「見たいもの」よりも、「偶然性」がテーマ。
なにに会えて、なにを感じるのか。これはこれで、ちょっと楽しみだったりする。
つづく