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2009/12/28

地球の舳先から vol.150
イエメン編 vol.11

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とうとう最後の夜がやってきた。高地にも慣れたので、最上階の部屋に代える。スイート仕様でかわいらしい部屋。最終日はサナアの街を名残惜しみながら歩くことに。
まず一行は、マサさんの運転する子ベンツでサナアの少しだけ郊外へ。
かつてユダヤの大富豪が所有していたという、これまた崖の上にある村である。
今では人は住んでいない、ということなのだが、ヤギを連れた人たちが見えた。

ここへ行くときは要注意。ファティーマというおてんば娘がものすごいイタズラをしてくる。
最初は英語などで話しかけてきて可愛いものだったのだが、ガイド料をよこせとか言い始め、そこまでは普通(イエメンではあまりないけれど)なものの、断ってクルマに乗り込むとフロントガラスにダイブしてくる。
弟を応援で呼んで、2人でやりたい放題。汚い言葉で恐縮だが、久々に「くそがき」という単語を思い出した(苦笑)。
ファティーマとその弟を振り切って下山したわたしたちは、一路大統領モスクへ向かう。

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これが「大統領モスク」の外観だ。
中東にはよくありそうな光景だが、アラビアンナイトの雰囲気漂うサナアには場違いな巨大なモスクである。
相当な建設費がかかったらしいのだが、そのお金の出所は様々に噂されているという。
近隣のイスラム諸国との政治問題に絡んだこのモスク、住民からも評判が悪い。
まずは靴を脱ぎ、モスクの外にある下駄箱にしまう。すごい量の下駄箱なのだが、4万人が一度にお祈りができるキャパシティだという…

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モスクの入口まで、炎天下の中、熱せられた屋外の大理石の石畳を歩かねばならない。熱い。とにかく熱い。この記念撮影でわたしの顔が歪んでいるのはまさにそのせいである。
入口で手荷物検査をして、中へ。わたしは、文字通り言葉をうしなった。
写真の中の人間の大きさを見ていただければ、このスケールがわかると思う。
きらびやかなシャンデリア。大きなステンドグラスに、降り注ぐ陽光。
昔見た曼荼羅図の天国の絵のようである。
だだっ広い広間で人々はコーランを読んだり昼寝をしている人もいる。
「なんだこりゃ…」これが率直な感想だった。
マサさんもこの大統領モスクには初めて入ったそうで、「柔道場…?」と呟いていた。

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モスクを出ると、社長(現地の旅行代理店の社長がずっと付き添ってくれていたのだ)がカート禁断症状を起こしている。
カートを買いに行くことを「故郷へ行く」というようなジョークがイエメンにはあるらしいのだが、空ろな目でしきりに「マサ・ヴィレッヂに行きたい…」とうわごとを言っている。
これはヤバイ。というか、カートヤバイ。何が「常習性はない」だ。大嘘ではないか。
しょうがないので社長を放出し、カートを買いに行かせることにした。

ちなみにイスラム教徒でないわたしたちは、昼のお祈りの時間を避けて見学に行った。
昼のお祈りの時間は、近くの食堂で念願のラクダを食べた。臭みがあってあまりおいしくなかったが、人生経験ということで。
添乗員で2カ国以外全世界を旅している立花さんは、アフリカかどこかの奥地でカバを食べたらしい。カバに乗ったらしい。危険らしい。
「It’s so dangerous」と言ってしかめっ面で首を横に振る警備員に5ドルを渡すと、とたんににこにこして「Not so dangerous~♪」と乗せてくれたのだそうだ。
恐るべし、袖の下文化。イエメンの話ではない。

さて、カートをドーピングして元気になった社長と再び合流し、マーケットへ。
が、わたしは、僻地旅の経験から、あまりお土産には期待をしていない。
その地では魅力的に見えても、日本に持って帰ると「なんでこんなもの買ったんだろう」ということがとかく多いのだ。ある意味ディズニーランドマジックとも似ている。
今回は世界遺産のシバーム・ハドラマウト砂漠で拾った砂を星の砂よろしくお土産にすることにしていた。下手にあやしい食べ物やよくわからない小物よりも、こういう究極的に役に立たないもののほうが好きなんですが、迷惑ですか。
砂を入れる小瓶を10個買って、わたしの土産物は終了。ラクなもんである。
リツさんはしきりに絨毯を選んでいる。もちろん、日本で買うより異常に安い。

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右側が絨毯屋のおやじ。タイムスリップしたようであろう。
マーケットはこの日も断食明けのイード休みの名残で多くの店が閉まっていたのだが、ダダをこねて(わたしではなくリツさんが)開けてもらったのである。
そうこうしているうちに日も暮れ、わたしはわたしでいいものを発見した。

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暗くてわかりにくいが、「窓屋」である。窓枠を作っている工房だ。
この窓屋が、イエメンの芸術的ともいえる伝統的な窓枠の形を模した写真立てを、観光客向けに副業で作っているのである。
わたしはここで精巧にホンモノと同じ要領で作られ、ちょうつがいを開け閉めしてひらく窓の形のフォトフレームを買った。

夕食はマサさんのお友達の日本人(国連に勤めている方で、地雷除去プロジェクトをやっているそう)とともにとったあと、マサさんの提案で夜景を観に行くことに。
サナアに夜景が…?とすこし不思議だったのだが、完全に真っ暗な山をのぼって見下ろすサナアの夜はとてもきれいだった。もちろん、光量が少なめだから、星もキレイ。
崖の手前に車を止めて、車中で音楽をかけてデートをしているイエメン人もいる。
こうして最後の夜もフルスロットルで更けていったのだった。

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2009/12/28 11:46 | ■イエメン | No Comments

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