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2009/08/31

地球の舳先から vol.136
イエメン準備編 vol.6

どうやら旅先で襲われたり病気になったりすることを勲章のように語るバックパッカーが
多いので困ったものだが、わたしはとことん、トラブルに遭遇したことがない。
いや、遭遇しているのかもしれないが、最後は笑い話で終わることが多い。

インドで少年にボート代を5ドルと言われて離岸したあと「ボート代は5ドルだけど僕が漕ぐのに
あと50ドルだよ」と言われたときも、「じゃああたしが漕ぐ」とキレて漕ぎ終わって岸に帰ってきた後
「あたしが漕いだから50ドル寄越せ」と要求してビビらせたりとか…

だが、わたしにも怖い体験のひとつやふたつある。
それが、イタリアでのジャンキー事件と、東ティモールでの急性腸炎事件である。
イタリアはフィレンツェの街で明らかな麻薬中毒者に町中追っかけられて(彼の目的は謎だがとにかく追いかけられたので逃げた)全速力でフィレンツェの町を走りまくりホテルにゴールインしたのが、前者の「ジャンキー事件」とわたしが勝手に自分史のなかで呼んでいる事件である。
もうひとつが、一昨年12月に行った東ティモールでの急性腸炎である。
このほかにも東ティモールでは熱射病になって、国連軍御用達のホテルに滞在していたため
夜すが国連軍に看病されるという野戦病院的な親切を受けたのだが、帰国して腸炎を発症。
元々、落ちているものを食べても、腐っているものを食べても、集団食中毒でも、なんともなく、
会社の人と行ったオイスターバーで全員があたってもひとりぴんぴんしている人間で
およそ今までの人生で「お腹をこわす」という経験がなかったため、この衝撃は大きかった。
そのころわたしはすごく激務な会社にいて、弱ったカラダで僻地にいったのが元凶なのだが。

それからわたしの中では、「僻地で危ないのはヒトじゃなくて病気だ」という構図が出来上がった。
今度のイエメン行きも、いま、いろいろなWebサイトなどで、病気情報を調べている。

◆経口感染
いわゆるA型肝炎とか、B型肝炎とか、赤痢とか、腸チフスとか、サルモネラとか、
つまりざっくりいうと食中毒系である。イエメンでは、乳製品がとくに危険とのこと。
一番ポピュラーな「A型肝炎」は、ちょっとしたマイナー国に中長期滞在したことのある人間は
発症したことがあるかどうか、自覚があるかどうかに関わらず、ほとんどかならず1度はかかっているものらしく、免疫ができているのだそうだ。だから多分わたしもすでにどこかでやっている。
これは、僻地に限らずどこでもリスクのあるものなので(日本で牡蠣にあたることもある)除外。
ちなみにわたしは、旅に出ると人格が変わるらしい。
人と旅に出て同行者が病気になろうが盗難に遭おうが、放っておく。
いやむしろ、「かわりに色々見てくるね!」ばりに。だから余計と、デフォルトは一人旅、誰かと行くとしても、それなりにドライで個人主義な相手としか行かないのである。
恋人なんかと行こうものなら、出国“前”のほうの空港で成田離婚まちがいなし。
もっとも、結婚は修行であるから、新婚旅行で自分の抑制力と、相手の忍耐力を戦わせるというのは有効かもしれない…(何の話だっけ)

◆マラリア
これが9月から多いらしく、注意が必要だ。わたしはものすごく蚊にさされる。
蚊のいるところに行くときは、わたしを連れて行くとよい。なぜなら、わたしばかり刺されて同行者は無傷のことがほとんどだからだ。そのくらい、刺される。
今年もヤブ蚊で2度病院へ行った。そんなわたしにとって、蚊を媒介とするマラリアは脅威である。
どこぞの製薬会社が開発した「絶対刺されないパーカー」なる服を発見したがダサすぎて却下。
そういえばマラリアには予防薬があることを思い出し調べてみたが、副作用がすごそうである。
『不安、不眠、眩暈、錯乱など精神神経系の副作用が多く、悪心、嘔吐、下痢、頭痛、洞性徐脈、胃痛、皮膚症状、食欲不振等。副作用が強いため、出発の2週間前から試験的に服用し、それから現地入りするのがよい。』
…。錯乱…。 こまります。というわけで結局、いつもどおりキンチョーの蚊取り線香で対策とする。
日本の蚊取り線香は優秀だ。いつぞやイラクに派兵した自衛隊員は、他国軍と違い規律を重んじる日本らしく、イスラム圏のイラクに合わせて酒類の持込を自粛していたのだが、日本の蚊取り線香があまりに優秀なのでオランダ軍から「ビールと蚊取り線香を交換してくれ。頼む」と頼み込まれた、と知り合いの自衛隊員が言っていたくらいだ。

◆ビルハルツ住血吸虫
…新キャラである。
なんでも、イエメンの川や池に生息している寄生虫で、巻貝に住み着いており、ヒトが水のなかに入ると皮膚を食い破って侵入、体内で繁殖。重症になると肝臓にやってくるという。
こここここここここコワイよぅぅぅぅぅぅぅ。なんなんだよぅコイツ…。
が、とにかく、池を見つけてもみだりに足を突っ込んだりしなければよいので、
これは知ってさえいれば防げそうな寄生虫である。

◆狂犬病
これもイエメンに限った話ではないのだが、イエメンでは年間20~30人も発生しているとのこと。
WHOいわく「狂犬病は発症すると100%近く死亡してしまう恐ろしい病気です」…。
イヌと足で戦っても勝てる気がしないが、これもワクチンがあるので噛まれたら病院へ行けばよし。目の据わったイヌを見たら逃げることである。

◆高山病
山地は結構標高が高い。わたしは高いところへ行ったことがないので、未知の世界だ。
イエメンに関する情報はないので、ペルーの旅行代理店のWebサイトで対策を調べた。いわく…
【高地到着後の過度な運動は避ける。】
  最初は少し、ゆっくり目の行動を心掛けて下さい。
【高地到着翌日はアルコールの摂取を控える。】
  (イエメンには酒はないから大丈夫だ)
【十分な水分を取る。】
  アルコール以外なら何でも良いですが、水道の生水などは避けて下さい。
【炭水化物を多く摂取する。】
  すぐにエネルギーになるので良いです。飴を舐めるのも良いです。
【首を激しく振ったりすると、高山病の引き金になる。】
  高地に来て、いきなり激しく踊りだすような人はいないでしょうが、
  とにかくそうして下さい。
…うーん。最後がおもろいなぁ…。

そんなわけで一通りの病気を調べた。
リツさん、わかりましたか?池に足を突っ込んじゃダメですよ。

ちなみに意外なハナシだが、イエメン(といっても基本は首都のサナア、ということだろうが)では
水道水が飲めるらしい。ヨーロッパでも飲めないのに、案外インフラ整ってるのかしら。
しかし、塩素濃度が高いのでマズイからやっぱりミネラルウォーターがいいらしいのだが。。

つづく

2009/08/31 11:21 | ■イエメン, □旅の準備 | No Comments

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Comment & Trackback

>リツさん、わかりましたか?池に足を突っ込んじゃダメですよ。

↑ダチョウ的な押すな押すなかと思ったのですが、
ビルハルツ住血吸虫をググった所、本当に大変な事になるんですね。
絶対池とか川とか入らんようにしよう(((゚Д゚)))ガタガタ

Posted at 2009.09.4 5:31 PM by リツ
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