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地球の舳先から vol.133
グアム短信 編 vol.6(全6回)
さて、潜水艦からおりたら、たった1泊のグアム旅行ももうおしまいです。
すこしはなれたところにある潜水艦が出る場所から、またクルマで海岸線を走って帰ります。
この旅で終始、お世話になったのがこの真っ赤なMUSTANGちゃん。
リゾートに似合いの、サイコーに気持ちいいクルマでした。もちろんコンバーチブル。
そしてまっすぐで信号も少ない海岸線、踏むわ踏むわ(笑)。
さすが「暴れ馬」(でしたっけ?)の称号をもつMUSTANG、踏めば踏むほどなんとやら、です。
イカン。スピード狂の血が…
MUSTANGのエンブレム。
…カッコイイ…ヤバイ…欲し…(以下自粛
と、グアムだから思うのであって、日本に帰ってきたらきっとポンコツに見えるんでしょう。
作家であり無類のクルマ好きの北方謙三先生は、ベンツのことを「ドイツ野郎」と言っていましたが、ワタシは断然日本車派。
性能も良くってよく走る優秀なクルマがこんなにあるのに、わざわざ外車に乗らなくてよろし。
クルマにはやっぱり、「似合うシチュエーション」というのがあるのだな、とつくづく思うのでした。
キューバの排気ガスの中を走る60年代のアメ車も。ギラギラの太陽光線を受けるこのMUSTANGも。
その国にフィットするスケール感と馴染みかたが、空間的に格好いい、のがクルマなのだと。
だから、日本でMUSTANGなんて乗り回すのはただのアホウだと思うし、トーキョーの公道しか走らせてやれないのにレーシング仕様のクルマを見ると、欲求不満だろうなあ(運転者ではなく、クルマが)、と、とても可哀想に思い、アホウな飼い主にあたったことを同情するわけですが。
さて断腸の思いで空港でMUSTANGを返し、軍隊の島・グアム(←イメージ決定。)をあとにします。
入国が楽だったので、油断していると、ものすごい出国審査の厳しさにビックリです。
「逆じゃない普通?!」と一瞬思いましたが、「空港」にとっては、たしかに、外国籍の機体から無事着いた飛行機に乗っている人間なんかより、飛び立ってアメリカ機でアメリカ上空を飛んでいく出国する人間への警戒の方が大きいのでしょう。
まず、クツは全員脱がされます。ヘアピンひとつ、だめ。ベルトなんてもってのほか。
カバンの中身は「キーケース」「小銭」「パソコン」「カメラ」「携帯」「財布」は出して、別のトレーに乗せるよう指示されます。
あの…それ全部出したら、カバンの中なにも残らないんですけど…
身ぐるみはがされて金属探知機をブン回され、ボディチェックをされ、ようやく放り出されます。
逆に入国時と違い、パスポートはほとんど見られません。搭乗券のチェックのみ。
出国ゲートの向こうでは、出しまくったカバンの中身を再びパッキングしている人の群れ。
ベルトコンベヤーに載せられたハウスみかんの気分で、一挙に疲弊します。精神的に。
昼はジャンクフード(アメリカ式)でした。噛めば噛むほど、体が汚されていく気がする油の味です。
わたしの好物、フライドポテト。こればっかりは国によってえらい違いがあるということがなく無難。
加えてイモ好きで、3食フライドポテトでも全然大丈夫なので、僻地ではお世話になります。
…が。アメリカのフライドポテト。
…塩がかかりすぎで、逆にケチャップでもつけないと、食えたもんじゃありません(怒)
たった1泊しかしていないのに、「ニッポンでおいしいものが食べたいよう」と泣き言をいいます。
「っていうか、ウェンディーズのポテトが食べたいよう」と、小さくて大きいボヤキ。
結論。アメリカには住めん。
さて、1泊で6回も引っ張ったこのグアム篇もおしまいです。
軍隊の島であるという以外には、わたしを萌えさせる要素はなにもありませんでしたが…
グアムへいくなら、ほんとうはなにもしないことをおすすめしたいです。
綺麗な海や砂浜なら、ほかにもっと綺麗なビーチはたくさんあるし、
ブランドショッピングがしたいならヨーロッパの方が断然いい。
ただ魅力なのはこの近さであり、時差であるわけで、なにか目的をもって、というよりも
フラっと言ってフラっとゆっくりするのが「リゾート」の楽しみ方なのかな、と思いました。
わたしはそこまで人生に疲れていないので、やきもきひりひりする僻地のほうが、やっぱり好きです。
おしまい。来週からは、ふたたびイエメン準備篇です。