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地球の舳先から vol.127
イエメン準備編 vol.4
イエメンの最終日程が出た。
ちなみに同行者はJunkでおなじみ丸太作家のリツさん。実は旧来の友人なのである。
んが、僻地に人といっしょに行くのは初めてなので、リツさんの命は背負えない。ということで、
このコラムでお馴染みの、僻地専門旅行代理店の店長「立花さん」に添乗願うことにする。
あぁ、すごい濃いな今回の旅のメンツは。
当初、添乗は考えていなかった、のだが…。情勢の不安定さというのもあるのだが
…たったの+4万で出発から到着まですべて添乗してくれる、というのだ。
なんでそんなに安いのか立花さん?!
儲かってるのか立花さん?! そんなんで店は大丈夫なのか立花さん?!
と声を大にして聞きたい気持ちは山々である。
そしてあの理不尽極まりない「燃油サーチャージ」という制度。
ようやく石油バブルが崩壊した。
見積りを作ってもらった年明け当初の値段に比べると、ないに等しい値段に変更されていたが
ここにきてさらに、続報が来た。
「エミレーツ航空の燃油付加制度が廃止されます」
ナンデスッテ?! は、廃止~?!
そんな事情もあって立花さんの添乗費用は4万円になったのである。
あんまり安い安いと連呼しすぎると業務に支障がでるかもしれないのでこのへんでやめとくが、
そんなわけでわたしのトホホな財布事情につき、「ギリ」な旅程は当初より10万円以上下がり、
しかしながらすべての希望を詰め込んでもらった旅程が、下記のようになっている。
【1日目】
20時に羽田を出発。そう羽田なのだ。らくちんだ!!!
羽田からはエミレーツ航空の直行便が出ていないので、関空経由でドバイへゆくのである。
行きはトランジットのみで出国せず、ドバイをスルーする。
【2日目】
朝ドバイで乗継ぎ、イエメンの首都サナアへ。時差ぼけに負けずに観光する。
サナアはアラビアンナイトのモデルとなった街。お泊りはアラビア式の旅館で。
僻地ではある程度のクラスのホテルに泊まらないと、とんでもないことになる。
そしてこの日が、ちょうどイスラム教徒のラマダン明けである。観光に支障がなくなる。
イエメンがわたしたちを呼んでいる。
【3日目】
山岳地帯シャハラへ。「奇跡」といわれる絶景の観光地なのだが、
周りをアルカイダ制圧区域に取り囲まれているというのが厄介モノである。
これまでも何度もクローズになっているので、ここにいけるかどうかは情勢とご相談。
イエメンに行くなんて一生で一回だろうから、幸運を祈りたい。と思いつつかなしそうにしていると
「もしクローズになった場合は、アル・マウィート(天空の村落)と、スーラと、シバームと、コーカバンと、ロックパレスを全部あわせて50ドルでアレンジさせますから、そこへ行きましょう」
とすかさず代案を出してくる立花さん。
ねえそれってホントにアメリカドル?と、安すぎる金額に突っ込むわたし。
【4日目】
アラビア式のはたごに泊まり、サナアに帰りながら山岳地帯の村々を見学。
いまだに、人が住んでなさそうなところに生きてるからすごい。
もっともこのありえない山岳たちのおかげでイエメンは領土を守ってきた背景もある。らしい。
【5日目】
サナアにて自由行動。
せっかくだから、今年のお正月に初対面した、イエメンのユニセフに勤めているマサさんに会う。
この日は翌日が早いので、とっとと寝る予定。直った時差ぼけがまた狂いだすあたり。
【6日目】
砂漠の摩天楼都市「シバーム」に日帰り旅行。
行きのフライトが朝6時という突貫だが、週2便しかヒコーキが飛んでいないので仕方ない。
ちなみに世界文化遺産。
【7日目】
またしてもサナアにて自由行動。イエメン最終日。
【8日目】
ふたたびドバイへ。昼イチには着くので、ラクダに乗って砂漠サファリツアーに出かける。
【9日目】
夜中の2時台の便で帰路へつく。翌日からは仕事である。
以上ビザ取得代行込みの、お値段35万円、ファイナルアンサーです。
「それって日本円ですよね?」と、またしても突っ込んだことは言うまでもなく。
今回は立花さんもかなりイエメンに情熱をもっていたというところがラッキーだったところ。
「添乗しないことになっても、イエメン久しく行ってないし、マイレージも切れるし、毎年9月に休み取ってるし、個人的に行こうかな」とか言っていたくらいである。
というか、そうでもなきゃこの金額はありえない。
…旅はタイミング。
そして、この類の「タイミング」には割と恵まれているわたしである。
あとは情勢の「タイミング」が味方してくれれば、と思うばかり。無茶はしないのでね。
とくに最近は、誘拐されたアジア人が殺されたり、イエメンの飛行機が落ちたりとなにかと喧しい。
月に1回くらい、立花さんを通じてとどく現地からの情勢を待ちつつ、引き続きの準備を進める。