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2009/01/31

地球の舳先から vol.112
日本編 vol.7(全10回)

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さて、なんとなくや勢いで三沢まで来たわけだが、つまりこれといって目的もない。
少し足をのばせば十和田湖やら、奥入瀬渓流などもあるのだが、観光疲れはしたくなかった。
こんなときは、わたしの場合、歩くに限る。
というわけで旅館を出発して、米軍三沢基地、三沢空港、市街、と地図ももたず歩いて回った。
歩いていた時間から逆算して、だいたい12~13キロだろうか。
しかし、わたしはトーホクというところをなめきっていたのである。

天気が良かった。道も乾いていた。
わざわざ着込んできたエベレスト登頂隊が採用したという保温ハイテク下着も、
楽天市場で800円で購入したムートンブーツも不要に思えた。
だいたいユーゴスラビアへ行ったときもカナダにオーロラを見に行ったときもそうだったが
寒い、凍る、死ぬ、マイナス○度、などといっても実はたいしたことない場合が多いのである。
が、知らない地でもあるのできっちり防寒してわたしは雪の三沢の街歩きに出た。

……が……。
何もない。店もない。コンビニがあると感動する(わたしの歩いた軌跡では2軒しか出会わなかった)。
しかし東京生まれ東京育ちだと、雪の中をあるくだけで結構楽しいものである。
ここの人たちはみんな車を使い、ほとんど徒歩でどこかに行くということはないようで、
歩道は雪かきされた雪の積み上げ場所と化している。
しょうがなく雪をよけて車道を歩くので、なんだか迷惑な通行人と化すが正月で車通りもあまりない。

三沢駅を出て三沢空港まで行ったくらいで、それまで防寒をしすぎて気づいていなかったのだが
ブーツが雪に負けていることに気づく。靴、靴下、タイツ、と浸水して初めて気づいた。
雪と水ってなんだかイメージが一致しないのだが、雪の中を歩けば当然靴はびしょびしょ。
「さ、さみぃ…ちめたいよぅ」ということになる。防水スプレーしてきたのに!
しかし歩いて体もほくほくしているので、とりあえずそのまま歩き続けるが
トヨタとかスズキとかのディーラーか、もうあとは民家しかない。

なーんだ、そろそろ引き返すかなあ、と思いぐるっと回りはじめてすぐ、いきなり吹雪になった。
雪が猛烈に横に吹雪いているのである。みぞれのようなものが顔にばちばち当たる。イタイよ。
こりゃヤバイ、と思ったが、ようやく発見した三沢駅行きのバス停の時刻表は日に7本。
こんなところで1時間も待っていたらどうなるかわからない。
しかし流しのタクシーなんて、いるわけもない。
観光地でもないので、道端に地図もない。ここどこ?!

赤くなった手がだんだん白くなってきて、危機感を募らせるも、周りには民家かトヨタしかない。
コンビニもレストランもない。凍死する!いや、しないと思うけど寒すぎる。
八戸人フィルコさんが「鼻毛も凍る」と言っていたことが今になって蘇る。
どうしよう、いよいよやばくなったら民家に助けを求めて、タクシーを呼んでもらおう。
でもそれはあまりに格好悪いから、もうちょっと駅に向かって歩いてみよう。
と思ってとりあえず大通りを目指し、交差点を曲がったとき。看板が見えたのである。

「岡三沢温泉」

なんだかきらきらして見えた。わたしはぐしゅぐしゅのブーツを引きずって入り、280円の入浴券を買う。
地元の人の集まる銭湯のようなもののようだ。
冬の海に飛び込んだら心臓が止まるように、これだけ冷えていて温泉に飛び込んだら死ぬかもと思い
わたしはサウナに直行した。5分計があるので計る。
10分も我慢していると、体の表面からは汗が出るのだが、驚くべきことに吐く息がまだ冷たいのだ。
これが、「体の中が冷えている」ということなのか?!
さらに5分もすると、息はあったかくなったが、奥歯が冷えたままだった。
体の部位でも、冷えやすいところや温まりにくいところって色々あるんだなあ、と感動しつつ
命拾いしたわたしは、トロン湯、寝湯、電気風呂などいろいろ試して温泉を出た。
(電気風呂はびりびりして、とても怖かった。)

もう絶対にタクシーを呼ぼうと思っていたのだが、出てみれば外は再びの快晴。
おまけにあったまったわたしはまたも調子こいて、歩き始めた。
そして今度は無事に駅に、そして宿に着いたのだった。

北東北、あなどるべからず。
そして、きっと東京人は「身体」のポテンシャルがものすごく低いと思う。
都道府県別に代表をだして、サバイバル対決とかしたら真っ先に負ける気がするけど、どうですか。

2009/01/31 04:37 | ■日本‐三沢 | No Comments

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