« ■パリのバレエスタジオ | Home | ■オハイオ州の地下室 »
なんだこの写真はと。ええ、突っ込んでください。
後日談。
さすが、タダじゃ終わらないこの旅。
やってくれたのはChinaAir。
パリを出た現地時間8月30日、節約のためタクシーを使わずメトロと電車で空港まで。
エスカレーターのないメトロの階段も、ウロウロしていればスーツケースは勝手に運ばれる確信犯。
気軽にというか当然のごとく「持つよ」と言って持ち上げた瞬間35kgの重みに「うっ」となった人、
空港に着くまでパリジャン、アメリカ人、東洋人、計4人。
でも何てこたないぜって涼しい顔で階段をスタコラする“男のプライド”は万国共通らしい。
かくして辿り着いた空港、ChinaAirのカウンターは電気がついておらず、そこだけ行列。
ああぁぁぁぁいやな予感がするよぅぅぅ、と思いつつ、空港の表示板を見れば早くもわたしの乗るはずの飛行機は「Delay(遅れ)」でなく「Postpone(延期)」の表示。
カウンターに座ったフランス人の空港スタッフに「一体何が」と聞くと、「知らないわよ!中国の飛行機はいつもこうでしょうが!」と逆ギレされ、「わわわわたしは日本人です!」と妙な主張。
「じゃあ全日空に乗って帰れ」と言われ、思わずおなかに巻きつけた現金のあたりをさする。
遅れてやってきたChinaAirスタッフに聞けば、北京からこの空港へ来る飛行機をそのまま行って来いで又パリから北京に飛ばす算段になっているのだが、
その「北京からの飛行機」が「今どこにいるか確認できない」とのこと。
……。
ねえ、ハイジャックじゃないんだからさ。
どこにいるかわかんないとか、適当なこと言うのやめようよ
3時間が経ち、フライトが出発するはずだった時間になってようやく続報が入る。
「この便は明日の朝7時45分に、上海行き便のルートを変更して共同便で北京へ飛ばす」とのこと。
もちろんその先の東京行きの便までなど案内があるはずもなく、
「とにかくチケットを買ってある土地までは届ける保障はする」
…何日かかるかはわかんないけどね、ってとこか。
時間を急ぐ理由はなにもなかったが、運悪く(というかかなりな確率で)北京で1泊など想像すると、中国嫌いのわたしは鳥肌もの、を通り越して想像しただけで全身の血が逆流しそうだ。
チェックインカウンターのスーツケースを蒼白になって取り返し、
結局はじめからエールフランスで行っていても変わらない、見たこともないような高い正規料金でANAのその日20時に出る直行便を押さえることになったのだった。
もうChinaAirなんか絶対に使わない。と、トラベラー10年目にしてようやく中国離れを決意。
ちなみにシャルルドゴール空港の滑走路には茶色の耳の長いウサギが大量棲息しているのが名物。
滑走路の轟音と爆風にもめげず、うじゃうじゃぴょんぴょんはむはむしているのが機内からも見える。
離陸をしかかった飛行機はしかし急病の旅客で空港へと引き返し、無駄な滑走で走った燃料を補給し、タキシング(予定通りにほかのフライトの離陸があるのでそれ待ち)で2時間停滞。
そうかそうか…パリはそこまでして、わたしを日本に帰したくないのか…(ポジティブにいこう)
3週間もパリで過ごしたわたしには、普通だったはずの日本式サービスがひどく異常にうつる。
「お暑いところ遅くなりまして大変失礼をいたしました、お客様、お飲み物はいかがなさいますか」
そ、そこまでへりくだらなくても?! とびびり、「おそれいります」と5回くらい言う。
機内食ももちろん合格。
ChinaAirの機内食はなんてったってホラーなのだ。
深皿に5ミリ以上のお湯が溜まってふやけて溶けかかっているナポリタンスパゲッティ、
「チキン」を頼んだはずなのにもはや原型を留めていないペースト状のぐちゃぐちゃした物体、
食べはじめから食べ終わりまでそれが何なのか全くわからない甘いデザート(らしきもの)、
紙コップに注がれる、酸化しきってすっぱくなったワイン(「お酢か?!」と突っ込む)…。
対するANAは食べものがでてくるし、ワインはミニボトルをCAがタオルでくるんであけてくれる。
その仕草だけで泣きそうになる。日本はやっぱりクレイジーで、そして、凄い。
インディージョーンズも、セックスアンドザシティも食後のお楽しみに取って置いて
ゲームの神経衰弱をやっていたら途中でモニターが壊れて呆然としたが、小さな問題だ。
成田に到着したのは、ChinaAirが定刻で到着していたら着いていたはずの時間。
われながら、辻褄を合わせたなと思いつつ、日本のべちゃっとした空気にやられて、早くもタチの悪い風邪をひいたのだった。
>SOLAさん
せめて経由地を台湾にしてくれれば(北京とかじゃなくて)、
もうちょっと気持ちのいい旅ができそうなものを・・・
しかし現地の方も敬遠なさるとは初めて知りました(苦
China Airは、中華人民共和国(中国)ではなく、中華民国(台湾)の航空会社です。僕もそうですが、台湾人も怖くて躊躇しますね。