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2014/06/27

地球の舳先から vol.325
東北(2014)編 vol.1

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「ボランティアか何かで?」
「いえ、観光で!」
慌しく仙台で駆け込んだ鮨屋で、もう何度目にもなるそんな会話をした。
「観光で来た」と、わたしはあえていつも言っている。

最初は、「被災地」という言葉の重みに勝手にやられて、東北へ行くこと自体が
不謹慎なことだと思っていたし、たぶんそれはそれで間違ってはいなかったと思う。
自分になにができるのか、あのころ多くの人がそうだったように、もちろん考えた。
しかし結局のところ、諦めた。
想像を絶する体験をした人に、わたしがしてあげられることなどなかった。
そんな特殊能力を、自分が持ち合わせていないことについて、くよくよしないことにした。

震災後に観光情報誌を見て「観光で」行った気仙沼で、わたしが出会ったのは、
山、海、美味しい料理とお酒に、温泉。そして何より、親切な人たち。
気取ったどこかの西の方の観光地より、そこにはよほど日本の美があった。
JAPANESE BEAUTY、トーホク。

復興支援なんて仰々しいことを考えなくても
行って楽しんで来れば、それでいい。
そして毎年、気仙沼に行こう。そういうことにした。

でも、今回で私の旅行人としての気仙沼訪問は最後になりそうだった。

飽きたわけではない。
そろそろ、「何かする」時期に、来たらしかった。
いいことを、思いついてしまったのだ。帰りの新幹線の中で。
普通に考えれば不可能そうだけど、そこはたぶん、やるかやらないかだけの話。

ひとつ、ステージが変わったのがわかった。
これもまた、運命。
旅のノートに、東京へ帰ったらやることのリストを綴った。
山形ワインを飲みながら。

4度目の東北。
気仙沼、南三陸、女川、雄勝を回って東京へ向かって仙台を出たその日、
6月22日は、あの日からちょうど1200日だった。

さて、そろそろ
いや、今度こそわたしも、前へ。


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