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アフタヌーンティーならぬ、アフタヌーンワイン。
やっぱりどこを歩き回っても、いちばん良い時間を与えてくれるのはここのラウンジ。
軽くお腹がすいたので、1杯のシャブリでミルフィーユを注文。
思ったより2倍くらいの大きさにびっくりしつつ、
ここのミルフィーユはカスタードでなくハーブの香りの生クリームで、
イチゴではなくてフランボワーズだった。
生クリームは、泡立て方が特殊なのだろうか、口に入れると「溶ける」というよりは「なくなる」感じ。
この適当で奔放で自由なパリの地に、ゆっくりと馴染んだように
帰国3日前を迎えて、ゆっくりとトーキョーに馴染みつつある。
来たばかりの頃は「ゆっくり過ごす」って言い聞かせていたけれど
そんな呪文もつぶやかなくなり、周りの目も気にしなくなった頃
ふと帰り先を思い出すようになった。
この3週間はもう一度地に足を付ける十分な長さだった気がして
働くこととか、時間を“もつ”ということとか、
自分にとって大事なものや大切な人、どうでもいいもの、そういうことが
わかるようになって、生(き)の自分になって日本で背負った変な憑き物が落ちた20日目。
夜が過ぎるから朝が来るように、
トーキョーに住んでいるからパリに来たくなるんだろう、と思った。
どっちかだけじゃ、やっぱりダメで。
トーキョーには、なんでもあるようでなんにもなくて、
しがらみやら駆け引きやら競争やら不安やらばっかりがあるけど
なにか空をつかむような「目的」とか「目標」とかを設定して依存せずにはいられない
そんな「ひとりっきりのストイックさ」があるんだなあ、きっと。
結局好きな、生きるべきトーキョーと、逃げ出すなら一番に選ぶパリと
その中間に、ふたたび歩き出してる今ここで
ああそういえば帰ったらあれをしたいとかあの人に会いたいとか
すっかりワイン1杯で酔えるようになった頭で思うことは
午後のワインよりミルフィーユより、贅沢な時間
無理をせずに、のびのび生きよう、
とこの地では思ってもきっと帰ったら帰ったで
空輸したマカロンのようにしぼんでしけるのかもしれないけど(笑)
あと2日半。そのまんまに過ごそうと思った。
こんな生活してたら日本で社会復帰できないよ、とか思ってたけど、
むしろ逆なことになりそう。
それではまた明日。