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2008/08/29

地球の舳先から vol.88
パリ滞在記録 vol.22

paris_mille.jpg

アフタヌーンティーならぬ、アフタヌーンワイン。

やっぱりどこを歩き回っても、いちばん良い時間を与えてくれるのはここのラウンジ。
軽くお腹がすいたので、1杯のシャブリでミルフィーユを注文。
思ったより2倍くらいの大きさにびっくりしつつ、
ここのミルフィーユはカスタードでなくハーブの香りの生クリームで、
イチゴではなくてフランボワーズだった。
生クリームは、泡立て方が特殊なのだろうか、口に入れると「溶ける」というよりは「なくなる」感じ。

この適当で奔放で自由なパリの地に、ゆっくりと馴染んだように
帰国3日前を迎えて、ゆっくりとトーキョーに馴染みつつある。

来たばかりの頃は「ゆっくり過ごす」って言い聞かせていたけれど
そんな呪文もつぶやかなくなり、周りの目も気にしなくなった頃
ふと帰り先を思い出すようになった。
この3週間はもう一度地に足を付ける十分な長さだった気がして
働くこととか、時間を“もつ”ということとか、
自分にとって大事なものや大切な人、どうでもいいもの、そういうことが
わかるようになって、生(き)の自分になって日本で背負った変な憑き物が落ちた20日目。

夜が過ぎるから朝が来るように、
トーキョーに住んでいるからパリに来たくなるんだろう、と思った。
どっちかだけじゃ、やっぱりダメで。

トーキョーには、なんでもあるようでなんにもなくて、
しがらみやら駆け引きやら競争やら不安やらばっかりがあるけど
なにか空をつかむような「目的」とか「目標」とかを設定して依存せずにはいられない
そんな「ひとりっきりのストイックさ」があるんだなあ、きっと。
結局好きな、生きるべきトーキョーと、逃げ出すなら一番に選ぶパリと
その中間に、ふたたび歩き出してる今ここで
ああそういえば帰ったらあれをしたいとかあの人に会いたいとか
すっかりワイン1杯で酔えるようになった頭で思うことは
午後のワインよりミルフィーユより、贅沢な時間

無理をせずに、のびのび生きよう、
とこの地では思ってもきっと帰ったら帰ったで
空輸したマカロンのようにしぼんでしけるのかもしれないけど(笑)

あと2日半。そのまんまに過ごそうと思った。
こんな生活してたら日本で社会復帰できないよ、とか思ってたけど、
むしろ逆なことになりそう。

それではまた明日。

2008/08/29 01:54 | ■パリ , ■パリ(2nd/2008) | No Comments

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