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2013/06/15

地球の舳先から vol.280
タイ編 vol.1(全4回)

わたしはバンコクが嫌いである。
というか、いわゆる、バックパッカーの多いところが嫌いである。
別に、彼らのたくましさを妬いているわけでもなければ、
「みんなが行くようなところには行かないわ」という選民思想でもない。

危ないから嫌なのである。
穏やかな後進国や、民度の高い孤国を訪れた身には、
バンコクや、デリー、ニューヨーク、フィレンツェなどは
犯罪のデパートすぎて、まったく旅を楽しむどころでない。

ぼったくり当たり前のタクシーと戦うのも疲れるし、
ホームレスの人にお金をせびられてあれこれ難しい問題を考えるのも疲れるし、
第一、気をつけていないとスリに遭うとか、いったいどうなってんだ。

わたしのことをよく「危ない国に行くのが好きだ」と称する人がいるが、
わたしに言わせれば北朝鮮よりバンコクの方がよほど危ない。
アメリカや六本木で道を歩いていて死ぬ確率を考えてみたらいいと思う。
まだそんなに回ってはいないが、地球上でスリに遭ったのはイタリアだけだ。

そんなわけでトランジットで降りても空港の外には一歩も出ないバンコクに
この春、行かなくてはならない事情ができた。
浦和レッズである。
わたしが昔割と真面目にサポーターをしていた話は何度か書いたが
それを卒業した今も、海外遠征は旅行がてらに行くと決めている。
たいした成績を収めていなかったはずの浦和レッズは、結果論的タナボタにより、ACLというアジアで一番のチーム(国ではなく、チーム)を決める大会に出場を果たしていた。
1次リーグの最終戦の相手が、タイの「ムアントン・ユナイテッド」だった。
こうしてバンコクへ行く事になったのである。
しかも、イタリアでスられた、母と一緒に。

わたしは盤石の体制を(主に金の力で)築こうと、
浦和レッズのオフィシャルツアーに申し込んで空港と市内の間の足を確保し、
外出はすべてオプショナルツアーのホテルまで送迎してくれるものを予約した。
ええい、あのふざけたチャリタクシーになんて、絶対に乗ってたまるか。

そして夕方に到着したその日、ディナークルーズに出かけた。
が、バンコクの道路はありえないくらい混雑している。
どのくらいかというと、市内の中心部から、そう何キロも離れていない
船着き場まで2時間半かかるレベル。
すこし市内のはずれにあったために、ピックアップの最後だった我々のホテルには
送迎のバスはついぞやって来ず、ガイドさんがタクシーで迎えに来た。

事なきを得た我々は、船が出るまでテラスでビールを飲んだり優雅に過ごしたが
バス組は、途中でバスを放棄し、爆速で車の間をぬって二輪車タクシーで来たらしい。
やっぱり危なすぎる国タイ。

そうこうするうちにグランドパール号というクルーズ船がやってくる。
水兵さんの制服のみなさんが敬礼で出迎える。さすが軍隊の国タイ。
クルーズは、暑かったがぎりぎり外で食事をできる気候だったのでそうした。
ライトアップされた寺院が次々と現れ、入場するまででもなくちょっと見られれば
寺院はいいや、という身にはちょうどいいくらい。
タイ料理は種類も多く、野菜もあっておいしい。無色なのに激辛のイカがあった。
ただし、日本人向けに用意されたらしい寿司は不評。

帰りは渋滞も落ち着いていたので、用意されたシャトルバスで帰る。
この国で観光業をやることの難しさをいきなり垣間見たのだった。。

つづく


2013/06/15 08:00 | ■タイ | No Comments

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