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2012/11/06

地球の舳先から vol.255
岡山・山里 編 vol.1(全4回)

そろそろ年末なので、旅の総括をしようとか思ったりして、
これまでの行き先に想いを馳せる。

1月 マダガスカルへ。
   大自然に圧倒され地球に恐れをなす。巨大な虫にも、恐れをなす。
4月 再びの気仙沼へ。
   変わらないものなど無く、とにもかくにも前へ向かう生命力に圧倒される。
7月 台湾へ。
   巨大渓谷でリゾート気分を満喫し、再訪の台北にほっとする。
9月 シンガポールへ。
   かのマリーナベイサンズに泊まり、ハイカラな街を歩いて過ごす。

…こんな旅生活をしていたら、JunkStageの幹部が
「僻地トラベラーの肩書きを返上しろ」と言い出すのも時間の問題だ。
わたしが無くしたものは、体力でも冒険心でも若さでもない。
最初から、僻地が好きなわけではないし、僻地ばかり行っていたわけでもない。
しかし、ここに連載するコラムがリゾートであればあるほど罪悪感にとらわれる。
わたしのほうが、JunkStageに縛られているのだ。多分。

そんな折、ようやく僻地に行くきっかけができた。
僻地僻地と言ったら怒られそうだが、JunkStageで「百姓見習い」として
コラムの連載をしている川口さん
の家である。

川口さんは、脱サラして、岡山県の山里にこもり、
今は、できるだけ自給自足に近い状態での暮らしをしている。
作物を作り、それを他人に売ることによって生計を立てる「農家」ではない。
あくまで、自分と、家族が生きられるだけのものを、自然からいただく。
そして、こちらも「商売として」ではなく、ごく近しい友人知人に
家に滞在してもらい、一緒に山里体験を楽しむこともあるそうだ。

かくして手が早く、足が軽いと評判のJunkStageのライター・スタッフは、
全8人というさながら団体ツアーの様相で、川口さん宅へお邪魔したのだった。
たった1日の暮らしではあったわけだけれども、
わたしには非常に、考えるところの多い体験になったのだが、
まだ、この自分のぼんやりした「カルチャーショック」の正体をつかみきれていないので
こうして、体験を振り返るためにコラムに書くことにした。

旅に出たときは、いつもそう。
自分が、なにを見たのか。なにを感じたのか。
それは、体のなかにたしかに吸収したものであるはずなのに、
それがなんだったのかよく理解していない、ということが、多々ある。
形をつかみ、把握するために、多分わたしは“旅行記”を書くのだと思う。

…ムズカシイ(=ツマンナイ)話は、ここまで。

列車をこよなく愛するわたしは、とにかく「サンライズ瀬戸という夜行列車で
岡山まで行く」という時点でテンションはダダ上がり。
非常に綺麗で、広く、布団や浴衣まで支給される寝台個室で
夜の都会、横浜、熱海あたりを眺めながら、静岡あたりで意識を失い
早朝の岡山に到着したのだった。


(これが、「サンライズ瀬戸」個室シングルだ!)

これから前後編にわたって、岡山の山里でわたしが触れたものを
すこしずつ、ご紹介していこうと思う。

つづく

2012/11/06 12:00 | ■日本-山里海 | 1 Comment

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