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2012/08/14

地球の舳先から vol.249
番外編

念願の、「清里フィールドバレエ」へ行って来た。
バレエ・シャンブルウェストが毎夏、山梨県・清里高原にある「萌木の村」で行う屋外バレエ公演。

お盆休みというものを取ったことのないわたしは8月11日の土曜日という日が
ラッシュであることなど知るよしもなく、のんきに甲府までのバスを取っていた。
結果、2時間で着くはずのバスは2時間経ってもまだ八王子で
しかしわたしは持ちこんだ分厚い小説『外事警察』などを読みながら
ハードボイルドに浸っていたので、さほど問題は無い。

清里へ着く頃には、大雨で足元もあやういほど。
もちろん屋外バレエなので、雨が降ればアウトである。
有人改札を抜けSLの前でしばし呆然状態。
坂を下りてバレエスクールの皆と合流し、かわいらしいロッヂのようなレストランで夕食。
会場では、降り続ける雨にも負けずせっせと舞台を拭き続ける人々。

奇跡的に開幕の8時にはきっちりと雨は上がり、
事務局長の「言いたい事は沢山ありますがもう始めましょう!」
という一言に暖かい拍手が起きて開演。


(本当に完全屋外のステージ。後ろは椅子席、前の方は芝生が区画整理してある指定席。)

屋外バレエを初めて見たが、本当に素晴らしかった。
演目は「白鳥の湖」。
森の中の湖畔で王子とオデットが出会うシーンだが、それを実際に「森の中」でやるので
目の前の森が舞台のセットの一部であることも忘れ
実際にそこで物語が起きているような錯覚に捉われる。
しかも、芝の上にシートを敷き、同じ目線で舞台を見上げる。
非現実的なストーリーなのに、リアリティが半端でない。
照明技術も素晴らしく、雨で中断して全幕すべてを見ることはできなかったものの、いたく感動。
普段習っている深沢祥子先生が主役を踊っており
オデットのヴァリエーションもパ・ド・ドゥも見られたので満足。
それなのに、中断したからということで今後の公演で半永久的に使えるという再入場券をもらった。

その後帰ったペンション「オーチャードハウス」はドイツの片田舎のようなかわいらしいロッヂで、
やさしげなオーナーのおじさんが出迎えてくれた。
たった7室のペンションはオープン33周年で、このあたりでは最も古いとのこと。
暖炉を囲むリビングにはゆったりとしたソファがいくつも置かれており
共同のバスルーム(各部屋にも別途設備あり)にはオーガニックコスメや
アロマキャンドルも整備されており、心ときめく。


(宿泊したオーチャード・ハウス。大きな煙突はリアル暖炉のためのもの。)

翌朝の朝食は、こちらの宿が所有している向かいのブルーベリー畑から
収穫したブルーベリーミルク、旬の桃にシリアル、メープルシロップを合わせたヨーグルトから。
このあたりで焼いている米粉パンとクルミパンには名物のアップルジャムを合わせて。
メインのプレートも、ハーブソーセージとキッシュ…と清里名物が並ぶフルコース。
チェックアウトすると裏のとうもろこし畑で収穫ができるチケットを貰い
トトロの森の世界さながら、背丈の高いひまわり畑をくぐって進む。

 

その後萌木の村へ戻り工芸品や雑貨店を見ながらぷらぷらと歩いた。
ROCKというビアホールやオルゴール館、メリーゴーランドなどもあり、まさに1日楽しめる場所。
空気は澄んで涼しく、毎夏の恒例にするのもいいな、と思った。

彩りに溢れ、紫陽花とひまわりとコスモスが同時に花開く美しい晩夏の清里。
バレエを観に行くだけのつもりだったのに、すっかり遊んで充電をして帰って来た。
来年は一眼レフを持ってじっくり楽しもう!と決意したのだった。

2012/08/14 12:00 | ■日本-その他 | No Comments

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