« | Home | »

2007/05/14

地球の舳先から vol.8

d_hotel.jpg

北朝鮮旅行記vol.6

平壌で日本人が観光に訪れる場合、多くはある2つのホテルのどちらかに泊められることが多い。
ひとつは川の中州に立つ最高級ホテル、もうひとつが私も泊まった高級ホテルだ。
この2つのホテルには両方とも、カラオケボックスが入っていることで有名である。

せっかくなので、ガイドさんと一緒にこの名物カラオケへ行く。
なんせ夜はやることがないし、ホテルの中でも誰ともすれ違わないし、ホテルから勝手に一歩出ればスパイ罪でとっ捕まるのだ。
おとなしくマッコルリでも飲んで、1曲だけ知っている朝鮮の歌でも歌っていたほうが得策である。

日本の曲も、演歌を中心に結構入っていた。
写真は、カラオケの本。(日本の曲専門の本)
本自体はそのまま日本から入手しているので、その上からグレーで消されている歌や歌手がある。

思わず、戦時中の日本が教科書の都合悪いところを黒で塗りつぶしていたことを連想せずにはいられない。
大日本帝国との共通点を挙げればきりがない気がする。
金日成崇拝も天皇崇拝と精神構造としては似ているし、日本人だってあの時代は涙腺が天皇に感じるようにできていたのだ。
北朝鮮が半世紀も続いてるのは奇跡のようだと人は言うが、大日本帝国だって4分の3世紀も続いたのである。

この「黒塗り」の基準だが、在日の歌手や平和礼賛(ビートルズとかね)が対象のようであるが、
ドリカムなどの歌も何曲か塗りつぶされていた。
このことについては特に触れもせずガイドにも聞かなかったので、明確な基準は闇の中。

カラオケといってもいわゆる個室ボックスではなく、スナックとかでコーナーにステージと機材が置いてある感じ。
ここもバーで、だいたいの客がガイドと一緒に来る。
私はガイド2人とも女性だったが、2人とも男性の客も中にはいて、黒スーツに金日成バッヂをつけた人に両脇固められていたりする光景は、わかっていても結構ものものしいものがある。

d_karaoke.jpg

この日は中国人の客が2組と、ヨーロッパからのお客、それに私たち。
みんながそれぞれの国の歌を歌い、なんだか6カ国協議のようである。

言葉がわからなくても歌なら通じるので、みんな聞き入って飲んで拍手して結構大盛り上がり。

ちなみに金正日(ジョンイル)さんは極悪非道の悪党扱いされているが、芸術にかけては天才そのものだったらしい。
(キューバに住んだことのある私はアメリカによるキューバ報道の偏りを肌で経験したため、日本による北朝鮮報道も結構話半分に聞くことにしている)

映画監督、本、詩、などなど、若い頃はすごかったらしい。
泣ける映画を撮って重鎮たちの支持を勝ち取ったとも言われている。

そして実は正日さんの政治のやり方には、北朝鮮人でも疑問の声があがっている。
悪口なんて言ったら拘束されたりとかするのかと思っいたのだが、人々は結構言っていたりする。
といっても面と向かっての批判というのとはかなり違い、
「今は金正日同志は政治、経済、外交などおひとりで全てやられているので、とても難しい状況になっています」
という感じで、ここはニホンジンとして過剰反応してはならないところだ。

それにしてもそんなに才能があるのなら、テポドンとか言わないで文化交流から始めてほしい。

が、日本もやっぱり十字架を背負ってはいるのだ。
「曽我ひとみさんを拉致しましたね?」と言ってみても
「日本軍は戦時中、朝鮮から2万人を強制連行しましたね?」と言われると
「だってしょーがねーじゃん、それは戦争だもーん」なんて言えないのもまた当然だ。
「あたしは戦争中は生まれてないもん」と言ってみたところで、
「私も曽我さんを拉致していません」と言われれば同じことである。そして
「はぁ・・・すいません」と言うと彼らも
「私たちも日本人の拉致については非常に心を痛めています」とくるのである。

だんだん、世の中と歴史がよくわからなくなってくる。

2007/05/14 02:38 | ■北朝鮮 | No Comments

Trackback URL
Comment & Trackback
No comments.
Comment




XHTML: You can use these tags:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">