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2007/05/21

地球の舳先から vol.9

d38dosen.jpg

北朝鮮旅行記vol.7

滞在2日目、とうとう最大の目的のひとつである38度線へ。
地名は「板門店」。数々の映画の舞台としてもすでにお馴染みの軍事境界線だ。
半径2キロが武装解除区域。その2キロ以内では、農民が野良仕事をしている。
韓国側はセキュリティがかなり厳しく、服装の制限があり写真撮影も禁止だという話だが、北朝鮮側はフリー。
(韓国側から38度線を訪れるほうが、相手が北朝鮮だから危ないという説がある)

停戦協定所を見学した後、突如ガイドと引き離されて挙動不審になる私。
ガイドはにこにこと「いってらっしゃい!」と手を振っている。
ここから先は、観光客ひとりに対して人民軍兵士がひとりついて案内をするのだという。
兵士はかなりフレンドリーで、私も金日成の碑の前で人民軍兵士とツーショット。
成田で発見されたら確実にアウトな物的証拠である。

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私の護衛&説明をしてくれた人民軍兵士は、日本人相手と知ると興味津々。
しかも若い女性がひとりで旅行に来るなんて、相当稀なのだそうだ。(まあ、そうか)

北朝鮮のイメージが実際に来てみて変わったと伝えると
「是非ひとりでも多くの日本の方にそれを伝えてください。
 今すぐは無理でも、両国が関係を改善していければ、素晴らしいことです。
 私は2国両方の未来がともに明るいことを心から望んでいます」
とのこと。
日本と朝鮮は大変微妙な関係なのに、そんなことをこの国で堂々と言える彼はカッコいい。
かなりの高官だったようだが穏やかでいい人そうな軍官で、私が何を言っても終始遠い目でニコニコしながら話していた。むしろ達観か。
会った中で、一番印象に残っている人でもある。

d38dosen_up.jpg

これが境界。
人民軍兵士が向かい合って立っているその足元の、50センチ幅のコンクリがそれだ。
城壁があるわけでもなく、またげば超えられる小さなものが国を分けている不思議。

人民軍兵士が、また質問をしてきた。
「この民族の分断された様子を見て何を感じますか?」
来た来た。日本人には必ずこの質問をするのだとガイドブックに書いてあったのだ。
ちなみにそのガイドブックには、「ひとつの民族が悲しい歴史によって分断されているのを目の当たりにし悲しい気持ちです」と言えと書いてあった。
が、島国で戦争も知らない世代の私にそんなことを言う筋合いはなく、ただ率直に
「不自然です」
と言った。確かに何かが変だったのだ。1本の線。それはホントにただの「線」。
周りの土地の形も、山あいの具合も、南北で何も変わりはしないのに、
横たわる現実はといえば、そのコンクリの線を挟んでこっち側はでこぼこの石、向こう側は綺麗に舗装されたコンクリだってことだ。
ただ不自然だなと思った。

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板門店の帰りに寄った古都高麗で食べた、宮廷料理。
豪華すぎる。食器が全部金なんだとか。ハシが重いですけどね。

別れ際の私の最後の質問に、彼はやはり私にはわからない答えを言った。
「どうして統一を望むのですか?」
「同じ民族だからです」

2007/05/21 02:38 | ■北朝鮮 | 2 Comments

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[…]  http://www.junkstage.com/yuu/?p=16) […]

[…] 壁は高かった。 ここでわたしが思い出したのは、北朝鮮の38度線だった。 あそこにあった「壁」は、高さ10センチくらいの駐車場にある車止めみたいなコンクリ片だった。 が、そこでは […]

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