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2007/05/28

地球の舳先から vol.10

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北朝鮮旅行記vol.8

それっぽくない北朝鮮の風景。
平壌(ピョンヤン)にある噴水公園。
向かいには図書館があり、図書館といっても学校を兼ねている。
社会主義の北朝鮮では、ほんとに頭が良く、家柄も良くないと大学に行くことができない。

そこで、この図書館で、語学から生物、化学、コンピューター、工学、音楽、文学…などさまざまな「授業」を無料で受けられる制度ができたという。
中を見学させてもらったが、本当に普通の授業。
前に黒板、プロジェクタ。レジュメと教科書で先生が授業を進める。
ちなみに授業はビデオ録画もしていて、好きなときに見ることもできる。

そして勉強に疲れたら外に出て、この噴水公園でマッタリするらしい。
私のガイドさんのお姉さんがこの図書館で働いていて、いいところだからと言って連れてきてくれたのだった。
結婚式を挙げたあとにここで写真を撮る人も多く、この日も2組のカップルがいた。

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仕事を終えた労働者たちや、兵役中の人民軍兵士たちも利用する。
兵役中の人は、兵役中にここで勉強して、兵役が終わってから大学に進学する人もいるという。
当たり前だがどこかの国とは意識が違う。

ちなみに北朝鮮の兵役は、17歳から10年間。
どうりで、この数だ。車で移動していても、歩いていても、軍服の数にはびっくりする。それは単に「数」の多さ。
日本人の私はそれを、「青春丸つぶれ」と思ってしまうが、彼らにとっては青春時代に身を挺して国を守ることこそが幸せなのかもしれない。
平壌では決して見られなかった、農民や土木作業の人々。わらを運ぶ人々。
彼らにとっては、金日成の思想を捨てるくらいなら、一日数粒の米で餓死したほうが幸せなのかもしれない。
ここへ来る前私は、やっぱり私の基準による「幸せ」でしかものを図れないから、「そんな幸せがあるわけない」と信じて疑わなかった。
「彼」が怖くて、権力でしょうがなく金日成万歳、とやっているんだと思っていた。

が、そんな単純なものではない。
立ち止まって肖像画を見上げる人々の顔、金日成を語るときに豹変する彼らの厳粛な口調。

彼らには彼らなりの幸せがあるわけで、「民主主義」や「個の尊重」を当たり前だと思っている私たちがその価値観から、彼らの幸せを批判したり否定したりする権利はないんだろう。

突き放しているようだが、
わかろうとすること自体が間違っているのかもしれない、とも思う。

写真を撮っていると、一度空港で会った、旅行会社の日本部の部長さんが
「ユウさーん!!! まだ怖いですかー???」
と遠くから手を振ってきた。その顔は自信たっぷりである(笑)

2007/05/28 02:37 | ■北朝鮮 | No Comments

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