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2008/09/07

地球の舳先から vol.92
パリ滞在記録 番外編その2

paris_ana.jpg

なんだこの写真はと。ええ、突っ込んでください。

後日談。
さすが、タダじゃ終わらないこの旅。
やってくれたのはChinaAir。

パリを出た現地時間8月30日、節約のためタクシーを使わずメトロと電車で空港まで。
エスカレーターのないメトロの階段も、ウロウロしていればスーツケースは勝手に運ばれる確信犯。
気軽にというか当然のごとく「持つよ」と言って持ち上げた瞬間35kgの重みに「うっ」となった人、
空港に着くまでパリジャン、アメリカ人、東洋人、計4人。
でも何てこたないぜって涼しい顔で階段をスタコラする“男のプライド”は万国共通らしい。

かくして辿り着いた空港、ChinaAirのカウンターは電気がついておらず、そこだけ行列。
ああぁぁぁぁいやな予感がするよぅぅぅ、と思いつつ、空港の表示板を見れば早くもわたしの乗るはずの飛行機は「Delay(遅れ)」でなく「Postpone(延期)」の表示。
カウンターに座ったフランス人の空港スタッフに「一体何が」と聞くと、「知らないわよ!中国の飛行機はいつもこうでしょうが!」と逆ギレされ、「わわわわたしは日本人です!」と妙な主張。
「じゃあ全日空に乗って帰れ」と言われ、思わずおなかに巻きつけた現金のあたりをさする。

遅れてやってきたChinaAirスタッフに聞けば、北京からこの空港へ来る飛行機をそのまま行って来いで又パリから北京に飛ばす算段になっているのだが、
その「北京からの飛行機」が「今どこにいるか確認できない」とのこと。
……。
ねえ、ハイジャックじゃないんだからさ。
どこにいるかわかんないとか、適当なこと言うのやめようよ

3時間が経ち、フライトが出発するはずだった時間になってようやく続報が入る。
「この便は明日の朝7時45分に、上海行き便のルートを変更して共同便で北京へ飛ばす」とのこと。
もちろんその先の東京行きの便までなど案内があるはずもなく、
「とにかくチケットを買ってある土地までは届ける保障はする」
…何日かかるかはわかんないけどね、ってとこか。
時間を急ぐ理由はなにもなかったが、運悪く(というかかなりな確率で)北京で1泊など想像すると、中国嫌いのわたしは鳥肌もの、を通り越して想像しただけで全身の血が逆流しそうだ。
チェックインカウンターのスーツケースを蒼白になって取り返し、
結局はじめからエールフランスで行っていても変わらない、見たこともないような高い正規料金でANAのその日20時に出る直行便を押さえることになったのだった。
もうChinaAirなんか絶対に使わない。と、トラベラー10年目にしてようやく中国離れを決意。

ちなみにシャルルドゴール空港の滑走路には茶色の耳の長いウサギが大量棲息しているのが名物。
滑走路の轟音と爆風にもめげず、うじゃうじゃぴょんぴょんはむはむしているのが機内からも見える。
離陸をしかかった飛行機はしかし急病の旅客で空港へと引き返し、無駄な滑走で走った燃料を補給し、タキシング(予定通りにほかのフライトの離陸があるのでそれ待ち)で2時間停滞。
そうかそうか…パリはそこまでして、わたしを日本に帰したくないのか…(ポジティブにいこう)

3週間もパリで過ごしたわたしには、普通だったはずの日本式サービスがひどく異常にうつる。
「お暑いところ遅くなりまして大変失礼をいたしました、お客様、お飲み物はいかがなさいますか」
そ、そこまでへりくだらなくても?! とびびり、「おそれいります」と5回くらい言う。
機内食ももちろん合格。
ChinaAirの機内食はなんてったってホラーなのだ。
深皿に5ミリ以上のお湯が溜まってふやけて溶けかかっているナポリタンスパゲッティ、
「チキン」を頼んだはずなのにもはや原型を留めていないペースト状のぐちゃぐちゃした物体、
食べはじめから食べ終わりまでそれが何なのか全くわからない甘いデザート(らしきもの)、
紙コップに注がれる、酸化しきってすっぱくなったワイン(「お酢か?!」と突っ込む)…。
対するANAは食べものがでてくるし、ワインはミニボトルをCAがタオルでくるんであけてくれる。
その仕草だけで泣きそうになる。日本はやっぱりクレイジーで、そして、凄い。

インディージョーンズも、セックスアンドザシティも食後のお楽しみに取って置いて
ゲームの神経衰弱をやっていたら途中でモニターが壊れて呆然としたが、小さな問題だ。

成田に到着したのは、ChinaAirが定刻で到着していたら着いていたはずの時間。
われながら、辻褄を合わせたなと思いつつ、日本のべちゃっとした空気にやられて、早くもタチの悪い風邪をひいたのだった。

2008/09/01

地球の舳先から vol.91
パリ滞在記録 番外編

パリには、文化的背景もあり、バレリーナを育成するためのバレエ団だけではなく
一生踊ることを楽しむためにおとなのオープンスクールが充実しています。
更衣室が男女同室だったり、意外に男性も多かったりと日本と違う点も多々。

情報アーカイブとして、お世話になったダンススタジオを掲載しておきます。
住所を頼りに飛び込みで全然大丈夫。パリでバレエの参考にどうぞ。

※住所は、GoogleMapに入力すると地図が出てくるので便利。
※ほとんどのスタジオにタイムテーブルが用意してあるので貰ってください。

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【Centre de Danse du Marais】
41,rue de temple 75004 PARIS 
01 42 77 58 19
http://www.ParisDanse.com/

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オープンクラスとしてはパリで一番有名で規模も大きいバレエスタジオ。
バレエ、ジャズ、モダン、フラメンコ、サルサから、歌やピアノなど常時50以上のクラス。
スタジオにはシアターとレストランも併設。
中庭のテラスはレストランで、2階のレッスンがチラ見え&ピアノ伴奏が聞こえて開放的。
1レッスン(90分)/ 18ユーロ。

■Frederic LAZZARELLI 先生(メキシコ国立バレエ団出身)
バー45分+センター45分。専属生ピアノ演奏。参加者30人ほど。(うち日本人1~4人)
先生はノリノリでピアノに合わせてタンゴ踊ったりテノール披露したり。歌わせることもある…
クラスはお気に入りでいじられキャラの男性生徒とのコントのようでいつも笑いの渦。
先生は親日家でたまに自慢げに日本語話す。ほかの生徒さんもフレンドリー。

■Daniella RAJCHMAN 先生
初級専門の先生で、バー・オーソルのクラスもあり。
クラシックのクラスは、クラシックバレエよりもモダンバレエ・コンテンポラリー寄り。
バーは使わず、フロアとセンターでひたすら踊る。

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【Cite Veron】
4 Bis,Cite Veron 75018 PARIS
01 42 52 07 29
http://aac-citeveron.com/

paris_citeconbine.gif

ムーランルージュの赤い風車のすぐ左隣の「Cite Veron」と書かれた小路を上がってすぐ。
床のリノリウムがめちゃくちゃ踊りやすい。
基本的に上級者用スタジオで、Advance-Professionalレベルがほとんど。
でも反対方向飛んで人にぶつかったりしなければ大丈夫(笑)。
1レッスン(90分)/ 14ユーロ。

■Alice PSAROUDAKI 先生(パリ・オペラ座バレエ団・ベルリンバレエ団出身)
Advance-Professionalコースだけど、前述の通りあまり関係ない。
オフシーズンのパリオペラ座の現役ダンサーもいれば、週末バレリーナのおばさんもいる。
が男性は本当の上級者が多い。レベル高いだけあって、センター多め。

■酒井達夫先生
わたしが行ったときは夏休みでお休みでしたが、月~金の11:00からレッスンの
酒井先生は日本人としては初めてヨーロッパでプリンシパルとして通用した方。
ゴネると日本語喋ってくれるとか、くれないとか。笑

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【Le Centre de Danse ALESIA】
119 Av Du General Leclere 75014 PARIS
01 45 43 56 57
http://www.centre-danse-alesia.com

paris_alesiaconb.gif

メトロ4番の終点、Porte d’Orleans 下車すぐ。
中庭を抜けるとダンスセンター、まずフロントがあり奥にいくつかスタジオがある日本のスタジオ的。
こちらも複合的に常時多くの色々なクラスがある。
レッスン後、かならず隣のパン屋に誘惑される。
1レッスン(60分)/ 13ユーロ。

■渡辺裕子先生
金曜日の10:30~11:30にクラスがある、2000年からパリで活躍中の先生。
クラスは6~8人ほどでほとんど日本人、レッスンも日本語で行われる。
バー30分+センター30分で、60分の割に凝縮していろんなことやる。
初級コースの割に、センターはそこらへんの中級より難しい。

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【INSTITUT INTERNATIONAL DE DANSE JANINE STANLOWA】
23 rue de la Baume 75008 PARIS
22 28 32 43 80 84
http://www.ecole-danse.com/

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シャンゼリゼ通り近くにある、こちらはダンススタジオではなくバレエ団付属のスクール。
スタジオの住所は128 Haussmanとなっていますが、スタジオの入口は建物の真裏のコチラ。
パリ・オペラ座バレエ団の公式ウェアにもなっているJanineStanlowaブランドの学校です。
バレエ団の付属なのでバレエ専門、講師もほとんどがオペラ座バレエ団の現役ダンサー。
外国人もほとんどおらず、オープンクラスにしてはきっちりやります。
1レッスン(75分)/ 15ユーロ。

■Dora CARPOV 先生
本当に丁寧にゆっくりと、難しくないことをやる。
が、歌って踊る的バレエではなく基礎的な「体づくり」をストイックにやるので
そのへんのレッスンとは比べ物にならないほど全身使う。終わったあと、しばしグッタリする(笑)。
太っちょ先生のピアノ生伴奏つき。4~5人と少人数で、先生さらによく見てる。

■Bertrand BARENA 先生
パリ・オペラ座バレエ団出身。ピアノは生伴奏。
こちらも基礎からきっちり、踊るというよりも体づくり。
75分終わる頃には明らかに動きが違って綺麗になっていることを実感する。
先生は男性だけれど指先まで表現がとてもきれいな演技派。

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【Presentation du Studio Harmonic】
5,passage des Taillandiers 75001 PARIS
01 49 23 40 43
http://www.studioharmonic.fr/

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バスティーユにあるスタジオ。スタジオは3階建てで大小合わせ10室ほど。
カフェも併設で、クラスの終わった人たちが談笑してるにぎやかなスタジオ。
朝から晩までコースが満載、JazzやHipHopなどダンス系が中心で、
紛れてクラシックのクラスもある日本のダンススタジオ的。
1レッスン(90分)/ 19ユーロ。

■Gérard SIBBRITT 先生
先生おとなしい。喋り方もやさしげ。クラスは8~9人ほど。やることは簡単。
バー45分+センター45分。アダージョなどよりピルエットなど技巧系が多め。
男性比率高め(3分の1くらい)。何の変哲もなく淡々と進みます。

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個人的な好みは、
ひたすら楽しく、パリで文化としてのバレエを感じるならマレのFrederic先生、
本場でいわゆる「バレエ」を学びたいのならばJanineStanlovaでしょうか。

ご参考にどうぞ。

2008/08/31

地球の舳先から vol.90
パリ滞在記録 vol.24

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22回見た朝のほの暗さ、午後の光、最後の1日を家でゆっくり過ごし、外出。
最後の晩はセーヌ川からパリの夜景を見納めることにしていた。

分厚くたちこめた雲も夕方4時頃には退き、歩いて一路シャンゼリゼへ。
まずは正面からエッフェル塔を眺める。
いつもの淡いオレンジ色ではなくて青いのが残念だけれども…
フランスがEUの議長国になったことを記念して、2ヶ月だけの特別ライトアップ。
EUの旗とカラーを統一した青に、加盟国の数の黄色い星。
東京タワーよりもすこしだけ低い鉄塔。
あたま4分の1は、いつもこのコラムを更新しながら家の窓から見えていた。

シャンゼリゼを通って、アルマ橋のたもとへ。
遊覧船バトー・ムーシュに乗るのは、一昨年に続いて2度目。
やけにノリのいいどこかの国の団体客(橋をくぐるたびに歓声、しまいにはみんなで
StandByMeの大合唱…笑)に押されながらも、パリの夜の街。
広場でサルサを踊っている100人近い集団がいたりと、
川から眺めるパリはまた違う顔。

paris_night2.gif

夜はあまり出歩いていなかったので、
オテルドゥヴィル(市庁舎)、アンヴァリッド、パレ・ド・トーキョー、そして
このコラムでも紹介した2つの島、シテ島とサンルイ島の向こうで折り返した船は
質素なものや豪華なものなどたくさんの違ったデザインの橋をくぐり抜けていく。

21時半の便に乗ったので、途中の22時にエッフェル塔がちかちか光りだす。
イルミネーションを開始してから、1時間ごとに(ちょうど10時、11時というように)
10分間だけキラキラと点灯するのだ。

9月から新学期を迎えるパリには序々に人が戻りつつあり、
逆に日に日に観光客の姿は少なくなっていた。
チュイルリー公園の移動遊園地も数日前に姿を消し、
この青いエッフェル塔も、もうすぐもとのオレンジ色に戻る。
今年もまた、桁違いに多くの人がこの街を訪れ、去っていったんだろう。
通り過ぎる場所にこの地がある幸福。

体調とか精神衛生とか、いろんな調子を狂わせてこの地へきたわたしも、
いろんな意味で帰る準備ができた。
また東京に帰ったら、こんどは絶対に「適度に」生活しつつ、
また地球儀をまわして次の目的地に頭を悩ませようと思う。

JunkStageで執筆を初めてから初の試みだった、リアルタイム更新。
3週間お付き合いいただきました皆様、ありがとうございました。
来週からはまた、過去の僻地旅の記録を中心にお届けします。

2008/08/30

地球の舳先から vol.89
パリ滞在記録 vol.23

paris_zoo1.jpg

わたしは、水族館とか動物園とかが好きである。
もうそろそろ荷造りでもしておとなしくしようと思っていたのだが、ふと行き忘れた所を思い出し
今日は2時間近く歩いてパリの一番端っこにあるヴァンセンヌというところへ。
ここには約900ヘクタールの広大な森があり、北端にはヴァンセンヌ城がそびえたつ。
緑の芝生にオフホワイトの城、周辺住宅も非常に瀟洒で、パリじゃなくてオランダみたい。
古きよき田舎町のような異国情緒溢れる雰囲気で、また違うパリの顔を堪能。

そのままもう少し歩いて、今日の目的地・パリ最大といわれている動物園へ。
キリン、シマウマ、ペンギン、猿山、フラミンゴ、オオカミ、カンガルーと、だいたいオールスター。
敷地の使い方が贅沢で、動物ものびのびとした佇まいで居る。

ちなみにわたしはペンギンマニアなのだが、一番好きな動物は白い子ヤギである。
アニメ「アルプスの少女ハイジ」に出てくる子ヤギの「ユキちゃん」のファンだからだ。
だから、白い子ヤギを見ると「ユキちゃん」とよびかける。
昨年浦和レッズのオーストラリア遠征に行ったときは、鹿せんべいならぬヤギせんべいで
ユキちゃんをいっぱいつってご満悦だった。
しかし、おなかに子どもを入れたでかいカンガルー(昔、絵本で見たような、袋から子どもが顔を出しているような図ではなく、おなかの袋からは子どもの4本足が突き出ていて非常にエグい)
まで突進してきて逃げまくったのも、よき思い出である。

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平日で空いているかと油断していた動物園は、幼稚園と小学校らしき遠足で
子どもたちが力の限りわめいており(なんで子どもは叫ぶのか?)、賑やかだった。
入場料は5ユーロ。800円というところだろうか。動物ミュージアムも併設されている。

ここでまた2時間ほど歩き、さすがにまた足が棒になったので、
帰りはヴァンセンヌの街を見ながらバスで帰ることにした。

paris_escargot.jpg

そして夜は、とてもステキなディナー。
こちらで知り合ったお料理教室の先生をしている美人の日本人女性と、
パリの古き良き哀愁漂う大衆レストラン「シャルティエ」でご飯。赤ワインを2本空け、
エスカルゴ(上写真)と子羊ステーキ(ヤギじゃないよ、ユキちゃんじゃない)を堪能。
エスカルゴはゲテモノだなどと言う人もいるが、わたしの感覚は「……サザエ?」という感じ。
バターとバジルたっぷりしみこんだソースもまた絶品。

お邪魔したのはchartier(シャルティエ)というお店。
ものすごく大きくて天井の高い開放的なお店で、6人がけのテーブルに次から次へと相席。
気取らない大衆食堂のような感じでとても値段も安い!
エスカルゴは6ピースでたったの6ユーロ、テリーヌ2ユーロ、子羊ステーキ11ユーロ、ワインも高めのものでもボトルで11ユーロくらい。
たらふく飲んで食べても、がんばってもひとり30ユーロ。探せばあるんだなあ、パリにもこういうお店。
注文していると次々とおすすめをべらべら喋る。
早めの18時に行ったのでまだお客さんも少なく、ゆっくり注文と食事ができたのでよかった。

美女先生とは初対面にもかかわらず、とても魅力的な方で話にも花が咲く。
日本での再会を約束して、岐路へ。

パリでの出会いは素敵なものばかり。
それではまた明日。

2008/08/29

地球の舳先から vol.88
パリ滞在記録 vol.22

paris_mille.jpg

アフタヌーンティーならぬ、アフタヌーンワイン。

やっぱりどこを歩き回っても、いちばん良い時間を与えてくれるのはここのラウンジ。
軽くお腹がすいたので、1杯のシャブリでミルフィーユを注文。
思ったより2倍くらいの大きさにびっくりしつつ、
ここのミルフィーユはカスタードでなくハーブの香りの生クリームで、
イチゴではなくてフランボワーズだった。
生クリームは、泡立て方が特殊なのだろうか、口に入れると「溶ける」というよりは「なくなる」感じ。

この適当で奔放で自由なパリの地に、ゆっくりと馴染んだように
帰国3日前を迎えて、ゆっくりとトーキョーに馴染みつつある。

来たばかりの頃は「ゆっくり過ごす」って言い聞かせていたけれど
そんな呪文もつぶやかなくなり、周りの目も気にしなくなった頃
ふと帰り先を思い出すようになった。
この3週間はもう一度地に足を付ける十分な長さだった気がして
働くこととか、時間を“もつ”ということとか、
自分にとって大事なものや大切な人、どうでもいいもの、そういうことが
わかるようになって、生(き)の自分になって日本で背負った変な憑き物が落ちた20日目。

夜が過ぎるから朝が来るように、
トーキョーに住んでいるからパリに来たくなるんだろう、と思った。
どっちかだけじゃ、やっぱりダメで。

トーキョーには、なんでもあるようでなんにもなくて、
しがらみやら駆け引きやら競争やら不安やらばっかりがあるけど
なにか空をつかむような「目的」とか「目標」とかを設定して依存せずにはいられない
そんな「ひとりっきりのストイックさ」があるんだなあ、きっと。
結局好きな、生きるべきトーキョーと、逃げ出すなら一番に選ぶパリと
その中間に、ふたたび歩き出してる今ここで
ああそういえば帰ったらあれをしたいとかあの人に会いたいとか
すっかりワイン1杯で酔えるようになった頭で思うことは
午後のワインよりミルフィーユより、贅沢な時間

無理をせずに、のびのび生きよう、
とこの地では思ってもきっと帰ったら帰ったで
空輸したマカロンのようにしぼんでしけるのかもしれないけど(笑)

あと2日半。そのまんまに過ごそうと思った。
こんな生活してたら日本で社会復帰できないよ、とか思ってたけど、
むしろ逆なことになりそう。

それではまた明日。

2008/08/28

地球の舳先から vol.87
パリ滞在記録 vol.21

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「ライオンキング」が、20ユーロで見られる。との聞き捨てならない情報を得て、
オペラ座近くのMOGADORという劇場へ。

日本でも見られるし…と思い、行くか行くまいか悩んでいたのだが、
仏版公式サイトで流れていたフランス語版の音楽にすっかりハマってしまい
気付くと劇場にいるという“ポニョ現象”。
この音楽での洗脳というのは新手の宗教のような気さえしてくる。
結局バルコニーの真ん中の席にしてしまったので55ユーロ。

ライオンキングといえば、日本でも劇団四季でロングラン中。
それを想像していたので、まず劇場の小ささにびっくり。舞台の広さも小劇場規模。
しかしオープニングのコーラスに圧倒され、姿を現した舞台セットの凄さにまた驚き。
ワイヤーワーク多用で人(動物って設定か)が飛びまくる。
やはり歌がとにかく良く、舞台なのに目を閉じて聴きたいほど。

国によってこんなに違うものかと思うほど、演出も振り付けもフランス流だった。
サイドの2階バルコニーに設置されたパーカッションスペースで演奏するのは、
アフロヘアーをオールバックにしたジャマイカ風の人。
ダンスの振り付けにはRockやHiohopも取り入れ、
キャストはどこかのバレエ団とは違って人種・肌の色が入り乱れている雑多さ。

そして何よりも、舞台上の人たちに「演じている」という感じが全くしないのだ。
キャストが心から楽しそうで、「今の絶対台本にないでしょ」というような動きも。
こんなにコメディだったはずがない、と思いながら、フランス流ライオンキングに心から笑わせてもらう。

途中の15分間休憩ではサロンでシャンパンを。
シアターに来た時は高くてもシャンパン、が日本でもパリでも変わらないわたしの小さな贅沢。

paris_lion2.jpg

やはり演劇に規模は関係ない、というか、
この地であらためて小劇場の魅力がどこにあるかを実感した気がする。

本来、この2倍の大きさの舞台でやってもいいであろうはずの公演。
しかし小さすぎる舞台に多すぎる人と大きすぎる音の組み合わせは、異常な臨場感を生んでいた。
身ひとつでは受け止められないくらいの凄まじい熱。
オペラグラスやブラウン管を通して観るものではなく、
自分の視覚だけに、そして五感に飛び込んでくるリアル感。
役者の息遣いどころか、流れる汗まで見える、手の届くところにある舞台。

ショーを “Spectacle”(スペクタクル)と称するフランス語の感覚を実感した。

すっかり熱にあてられて、帰りは道を間違えて遠回り。
パリの夜遊びは、夜が深い。
この公演も20時開始(休憩込みで約3時間)、
先日のカテドラルでのコンサートも20時半開始、サッカーの試合は21時開始と、
だいたいエンターテイメントが終了するのは23時過ぎ。
昼間や朝とはまた違うパリの街を歩いて帰るのも、楽しみのひとつ。

それではまた明日。

2008/08/27

地球の舳先から vol.86
パリ滞在記録 vol.20

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滞在も最後の週となり、今日は買い物へ。
といっても、パリにある人気店ってほとんど日本にあるのでそうレア感もなく。
ただ外装がかわいかったりするので、いろいろめぐってきた。
で、またしても足が棒になる。
パリの街がちいさくて、ほんとによかった。

<<サン・ルイ島>>
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空港とかに売っていないようなちょっと変わったお土産を探すならサン・ルイ島がおすすめ。
(左)サン・ルイ島によくある雑貨屋さん。
ここでしか買えないものや面白雑貨いっぱい。見ているだけで楽しめる。
(右)チョコレート屋さん。
自家製チョコを使ったアイスクリーム、エクレアも絶品。

<<マレ地区>>
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おしゃれ通りのマレ地区(同性愛者が多い地区でもある)には、日本でも人気のブランドショップ多数。
(左)言わずと知れた紅茶ブランド、マリアージュフレール。
キロ買い・ティーバッグなどはなく、購入には敷居が高いかも。ティーサロン併設。
(右)こちらも言わずと知れた化粧品ブランド、ロクシタン。
ユーロ高なので価格的にそんなにお得感はないが、日本未発売商品が多い!

<<シャンゼリゼ通り>>
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有名店のパリ本店が多く、内装も外装もすべてがフォトジェニック。見ているだけで楽しい。
(左)ラ・メゾン・デュ・ショコラ、本店。日本人スタッフもいる。
小さい2個入りトリュフやマカロンなどパッケージも素敵。
(右)最後の砦といわれていたが銀座三越にとうとう出店してしまったマカロンとティーサロンの名店、ラデュレ。シャンゼリゼ本店はサロンはコスト兄弟によるデザインで名作と言われている。

<<その他>>
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とにかく見た目に美しい専門店が多い。パテの店、調味料のお店、オリーブ専門店…
(左)ワインのデパート、ラヴィニエ。
シャンパンをはじめ、ありとあらゆるワインは5000種もあるのだとか。
(右)フォアグラ専門店
缶詰から、野菜と混ぜてペーストにしたものなど色々。

パリはディスプレイもどこも綺麗で、街歩きも楽しい。
けど、やっぱりとくにここで買わなきゃいけないようなものはなかったり…。
シャンパン買いました、シャンパン。うまく持って帰れるかな。
でも前述のワイン屋さんラヴィニエよりも、巨大スーパーMONOPRIX(モノプリ)のほうが1~2割程度安かった…。

以上、たまには情報アーカイブでした。
それではまた明日。

2008/08/26

地球の舳先から vol.85
パリ滞在記録 vol.19

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新しい週になり、語学学校は2人の新メンバーを迎えた。
1人はポルトガル人でリスボンから32時間かけて車で来たロイ。
クリスチアーノ・ロナウドに似過ぎ。ポルトガル人はみんなこんな顔なのか。
もう1人はハリウッド在住アメリカ人数学教師のジェーン。
良くも悪くも主張の国民、そして国自慢が凄い。アメリカ人はみんなこうなのか。
リュテスラング、やたら濃いインターナショナルっぷり。

学校帰りに両替所に行ったら、手数料を合わせると1ユーロ300円で、倒れるかと思った。

本日は夜景を見に、セーヌ川を越えてシテ島へ。
「Ce soir(今夜)」という看板に近寄ると、ノートルダム大聖堂でコンサートが行われるそう。
さっそく行ってみた。
ミサが行われるような並びの椅子に、ステージ。奥には十字架。
曲は賛美歌中心に12曲ほど。バッハ、モーツァルト、ビヴァルディ、メンデルスゾーン。

わたしは、インドでの一件以来、神とわたしが呼ぶにはおこがましいとしても
なんらかそれらしき見えざる力というのは働いているのだと信じているのだが、
十字架の後光を背負って響くその音色は
最新の音響設備などないはずなのに、ゆうに500人を収容したカテドラルに荘厳に響き
照明は淡い粒子が飛び交うのが見えるのではないかというくらいの神々しさだった。
真ん中のソプラノとメゾソプラノの歌手を見ながら、賛美歌はほんとうに神のために作られた曲なんだろうと思う。

カトリック教徒でもないのに、ちょっとだけ、うるっとくる。
わたしは、(だから小劇場演劇が好きなんだけれども)こう、人が全身全霊をかけて舞台に立つ姿の圧倒感に弱い。
両足を地につけて“立っている”その生きている感に、リアルな人間を感じるのだ。

あっという間の2時間が過ぎ、徒歩1.2キロほどの岐路につく。

paris_ntd2.jpg
(帰りに渡ったセーヌ川)

今日のメトロ、chatelet駅近くは、あまり治安の良くない雰囲気が漂っていた。
警戒しながら、早足で帰る。
この「警戒感」が結構大事で、警戒オーラを出していれば危ない目に遭う確率は低くなる。
もちろん、薬を飲まされただ、いきなり路地裏に連れ込まれて刃物を突きつけられただ、男3人に囲まれただという、狙われたら最後やられるしかない、人為的というよりは不運な事故ととらえるしかない類のものもあるけれど。
「ヤバイ」の空気がわかる人だけが、「ヤバくない」もまたわかるのだと思う。

ちなみに知り合いのバックパッカーは、ナイロビの空港に降り立った瞬間「殺られる」と思ったらしい。
ナイロビは、渡航者に聞くとみんな顔が暗くなるくらい、ほんとうにやばいところらしい。
海外においては、「怖がらないこと」はすこしも勇気ではないという話。

で、わたしはバックパック旅などしたことがない(=綺麗なとこに泊まってラクして旅したい)ヒヨッ子というかヒヨコなので、
ヤバイなと思っても大した対策もなく
右を見たり左を見たり後ろを見たりとにかく首をブンブン振りながら
バッグを前で抱えて、6ユーロで買ったぺたんこ靴で小走りするくらいのモンであるが。

無事帰宅。最後の週が始まりました。
それではまた明日。

paris_gohan16.jpg
(今日のごはん)
・10種の野菜入りトマトリゾット
・昨日のタルタルソースでパスタ入りポテトサラダ
・デザートは赤いプルーンと白いプルーン

2008/08/25

地球の舳先から vol.84
パリ滞在記録 vol.18

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(メトロのソルボンヌ駅。エリアのイメージに合わせて工夫しているメトロの駅も多い)

風邪から1晩で復活。朝起きたら、お天気もピーカン。
よかった、よかった。

今日は、Alesiaのバレエクラスの先生と映画を観に行く。
「バレリーナ」という、その名の通りのドキュメンタリー。
こちらの映画館でも、1日1回しか上映されず、日本では公開しないのかも…
朝一番(といっても11時)の会なので、料金は割引の5ユーロ!ラッキー。
ロシア語、フランス語、英語入り乱れる、字幕フランス語の映画でしたが
前の「WALL-E」ほどではないにせよドキュメンタリーなのでかなりわかる。
加えて文法や単語がスペイン語と似ているので字幕があるときはさらにわかる。

そのあと、サンミッシェルにガレットを食べに行きました。
クレープより茶色い生地で、中に具を挟んで四角に折りたたんであるもの。美味。
そして食前酒にいただいたシードルも美味しかった。
そっか、パリには白ワインだけじゃなくてこれもあったぞ。

ちなみに先生は、フランスのバレエ教師国家資格を取得された方。
フランス人の子供にバレエを教えたり、ダンスカンパニーでも活動中らしい。
学校を卒業してすぐ2000年からこちらにいるとのことで、フランス語もペラペラ。
「フランス人っぽく発音しようとしないで、カタカナ発音でもはっきり言ったほうが通じる」とのアドバイスをいただく。

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(サンミッシェル近くの、シェイクスピアの名がついた古本屋さん)

その後、JunkStageでライターとしても活躍されている原田和英さんのお友達で、パリ近郊にお住まいのパリジェンヌをご紹介いただきデート。
時間に正確で思慮深い、パリの人とは思えないすごく素敵な美女。
ルーブル美術館のピラミッドを出発して、セーヌ川沿いをエッフェル塔まで。
それからアンヴァリッドを通ってサン・ルイ島、シテ島(共にセーヌ川の中州の島)、
パンテオンという圧倒的な建築が連なる区域を抜けてソルボンヌ大学地区まで、
多分10キロくらい歩く。
わたしは時間さえあれば自宅の渋谷近辺から新橋、銀座あたりまでなら徒歩で行きたい派なのだが、彼女も散歩好きでよかった。

カフェに入るでもなく、パリの街をくまなく歩きながらいろんなことを話す。
エッフェル塔の見える16区は、家賃が18平米で24万円くらいすること。
ストライキが多くて、先日3週間電車が動かなかったときの定期の払い戻しはたった10ユーロだったこと。
フランスでは第1外国語を中学生のときに選べること(英語を選ばなくてもいい)。
ヤギのチーズはクセがあるが、ワインと一緒に食べるととても美味しいこと。
(ちなみにこちらの人はいわゆるブルーチーズはあまり食べないらしい。
 ロックフォールが好きだと言ったら「クレイジー」と言われた。笑)

彼女はフランス人、第1外国語ドイツ語、第2外国語英語。
わたしは日本人、第1外国語スペイン語、第2外国語英語。
お互い英語が得意でないので、いろんな国の言葉が入り混じるが、
なにを口にしてもたいがい通じるという事もわかる。
しめて、5時間で4ユーロ(途中で買ったシャーベット代)のデート。非常に楽しかった。

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(サン・ルイ島のチーズ専門店。いっぱい!安い!)

さすがに足が疲れていたが、明日は日曜日で店という店が閉まるのでスーパーへ。
今日の第一目的はもちろん、昼間に飲んだシードルだ。
「シードル」と言っても通じず、「シードっ」とか「シーっルっ」とかいろいろ言ってみるが首を傾げられる。
スペルもわからないので筆談もできない。しかしここで負けるわけには。
ここからがサバイバルフランス語の腕のみせどころだ。とやる気になり、ひらめいたのは。
野菜売り場からリンゴを拝借してきて、ワイン売り場に戻り、
「Vin de Pomme?」(りんごのお酒)。
「アーッ!」と店員は叫び、「Cidre!」と。 フゥ、今日も通じたぞ。

わたしは日本でニッカの出しているホントにちっちゃい瓶で300円するシードルが好き。
でも財布のなかには10ユーロしか入ってないけど、他の食材も買わないと餓死する。
値段を見ると、もちろん750ml入りのボトルでわずか1.4ユーロ!
ますますパリ住みたい病と日本帰りたくない病がうごめき出す。
「Merci beaucoup」(どもありがと)と言うと、件の店員さんに
「ドウイタシマシテ」と日本語で返された。ウィンク付き。

だいたいバレエスタジオと語学学校(さぼりがち)でしか人と交流がないので、
今日はよく喋った一日だった。充実!

それではまた明日。

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(今日のごはん)
昼間外食だったから軽めにサンドイッチ。(パンでとじる前)
タルタルソース作って、エビアボカドサンドイッチ。日本みたいだ。笑

2008/08/24

地球の舳先から vol.83
パリ滞在記録 vol.17

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パリに秋がやってきたらしい。
ここのところ5日くらい、雨続き。そして毎日寒い。コートが欲しいくらい。
ということもあって、今日の最低気温は11度、最高気温は18度(でも日中16度までしか上がらなかった)。

わたしはエッフェル塔の下で突然の大雨に降られて風邪っぴき。
ビタミン飲んで、風邪薬飲んで、暖房炊いて、ホットワイン飲んで寝る。
あまり食欲も沸かないので、今日はごはんにお味噌汁。
鍋でごはん炊くのは相当難しい。「こげるよーこげるよー」と大騒ぎ。
むかーしのタイプの電気コンロなので、温度調節がうまくできないのだとか。

散歩か探索に行きたかったけど、雨のなか歩いたらまた悪化しそうなので自粛。
日曜日いっぱいまでは雨らしく、短期の旅行者には気の毒な週末。
それでも傘をさして観光用二階建てバスは今日もお客でいっぱいだから、ほんと観光客はストイックだ。
かく言うわたしも、一昨年4日間旅行にきたときはタオルを頭に載せて観覧車乗ったけど。

今日はAlesiaというダンスセンター(パリでバレエ情報は帰国後アーカイブします)へ。
呼吸と疲労度で、昨日と比べて体調がどうなったかすぐわかるので、今日も踊る。
昨日よりはまし。昨日はシソン(とにかく前上に飛ぶやつ)飛んだら意識まで飛ぶかと思った。
余談だけどバレエはホントに体にやさしいスポーツである。(ハードだけど)
骨格が矯正されてホルモンバランスも整うから、「バレエをやってると妊娠しやすい」という論文も出てるらしい。

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写真はAlesiaのダンスセンターの隣にあるパン屋さん&ケーキ屋さん。
ダンスセンターと同じ敷地内にキッチンがあるので、建物を出るとバターの香り。
かわいいひとくちケーキ盛り合わせ。よし、これで糖分を取ろう。
9個盛って7ユーロ(1000円くらい)。エクレアやフルーツタルトやチョコケーキ。
ちゃんと箱に入れてくれる。
「C’est tout?(これで全部?)」と聞かれ、ついマカロンも買ってしまう。
こちらのマカロンはてのひらサイズ。おなかにたまるので、昼食ならマカロン1個でわたしは十分。

パリは雨で、わたしは風邪で。
しばらくはおとなしくしていよう。
そうだ、外に出られない今のうちに、映画や演劇を見ておこうっと。

それではまた明日。

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