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2013/01/31

地球の舳先から vol.262
パリ編 vol.1(全4回)

久々のパリで、随分遊んだ。
いつも、割と長い日数で行く唯一の国なので、
静かなアパルトマンを借りて、朝はスタジオへ踊りに行き
自炊をして街並みを眺めて過ごすのだが、
やれ「数日しかない」ということになると急にバタバタと
観光をし始めるから不思議なもの。

今回は、バスティーユ劇場でのパリ・オペラ座バレエ団の公演、
去年映画でも話題になったキャバレーのクレイジーホース、
そしてMOGADOR劇場で観たミュージカル公演について簡単にご紹介しようと思う。

以前オペラ座へ行った時は、メールで問い合わせをし、
なにかあやしげな書類に心配になりながらクレジットカードの番号を
書いて添付ファイルで送り(セキュリティも何もない)、
冷や冷やしながら滞在したホテルにチケットが届いていて安心したものだが
世の中はもはや当然のようにeチケット。
家庭のプリンターで印刷までして、バーコード付きのチケットを持って行けばよい。
予約が解禁になる日には、専用ページでカウントダウンまで行われ、
当然安い席から真っ先になくなった。

演目は、大晦日の「ドン・キホーテ」。
やたら明るいスペインバレエで、ここのところ難解なコンテンポラリーを
お家芸にしつつあるパリオペでは珍しい。
逆に古典作品が好きなわたしは当然飛びついたのだが
この日のパリオペの本命はギラギラのホームグラウンド、オペラ・ガルニエで行われていた
「フォーサイス/ブラウン」とかいう作品のほうで、ダンサーも多くがそちらに流れたそう。

ギラギラの宮殿シャンデリアや天井画が拝めないのは残念だが、
モダンなデザインのバスティーユの方が、すべての席から舞台の視認性を確保している印象がある。
なんてったって、ガルニエ宮の最底辺の席といえば可動式の丸椅子なのだから…。

ロングブーツを、このためだけに持参したヒールのパンプスに履き替え、
ワンピースに着替える。それでも観客の中ではカジュアルな方だった。
入場を断られたりはしないが、それなり以上のTPOで向かいたいもの。
日本だと、セレブなおばちゃんがコアターゲットだが、夫婦で来ている人が多く
大晦日に夫婦でバレエを鑑賞に来るなんて、なんて優雅なのだと溜息。

バーカウンターでシャンパンを頼むと、「お金はいらないよ」と言われた。
大晦日のガラコンサートということで、フリードリンク・フリーフードだったのである。
値段が通常よりも高い設定になっているのは、この理由もあったのだろう。
全3幕の公演には、ダンサーの体を休める目的もあり長めの休憩が2回。
1回目の休憩ではおかず系のフィンガーフード、2回目の休憩ではデザートが
次から次へと気前よく大皿で何種類もサーブされてくる。

終演後に立ち寄るブラッスリーまで調べておいたのだが行く事も無く
すっかり満腹状態。
大晦日のレストランは、特別メニューで価格も非常に高いことも多いので
こうして過ごすのはひとつ手かもしれない、と思った。

公演の内容については、音楽も踊りももちろん文句なし。
ヌレエフ版の振付はオリジナルよりド派手で、衣装も舞台セットも豪華絢爛。
あとで聞いたところによれば怪我人が続出で大問題になっていたらしいが
(王子マチュー・ガニオ(様)も怪我を押して出ていて痛々しかったらしい。
 わたしが見た日のカール・パケットはぴょんぴょんと元気でしたよ。
 ヌレエフ版は飛びまくるから、怪我人にはきつかったろう…)。

夜は更け、カウントダウンの喧騒をホテルの中から聞いた。