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2007/04/09

地球の舳先から vol.3

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一昨年、北朝鮮へ行った。
…と言うと、大概の人がびっくりする。
というかそもそも、「行けるの?」と言われる。

私も、「入れない国」だという固定概念があり、行こうと思ったことすらなかった。
そんなある日、友人と酒を飲んでいて、
「結構普通に出入りできるらしいですよ」
なんて話を聞いて、その1週間後には飛んでいた。

ちなみにそう教えてくれた友達も、
「これから北朝鮮に行ってくるよ」
と出発直前にメールをしたところ、ものすごくびっくりしていた。

入国手続きはさほど難しくもなかった。
まず、アジアの僻地を専門に取り扱っている
大阪の旅行代理店に問い合わせを出した。
「北朝鮮に行くことはできますか?」

すぐに至極丁寧なメールが帰ってきた。
北京から平壌まで、往復の航空券の手配が可能であること、
入国には現地の旅行会社との契約が必要であること、
日本とは国交がないため、北京の北朝鮮大使館でビザを申請する必要があること…。

また、契約する現地の旅行会社がすべての旅程を組んでくれ、
観光には制限があり、現地での自由行動はできず
ドライバー1名+専用リムジン1台+通訳兼ガイド2名が24時間同行するという。
(ちなみに夜は外出が禁止で、勝手にホテルから出るとスパイ罪で逮捕されるという)

当初は1ヶ月後くらいの出発を希望していたが、
北朝鮮と言えば!のマスゲームの祭典「アリラン祭」の閉幕が1週間後に迫っていた。
この祭りは毎年あるわけではなく、政治情勢に大きく影響を受けるため
この機会を逃せば一生見られないかもしれない、と担当者は熱く語った。
私自身も、機を逃せばどうなるかわからない2国の関係を考えて、
「行けるうちに行く」を決断した。一昨年の、10月のことだった。

19のときに10年用に切り替えた赤いパスポート。
もちろん、北朝鮮のスタンプは残らない。
ビザを発行してもらい、そのビザに入国と出国のスタンプを押し、
北朝鮮を出国する際に回収するのである。

日本のパスポートにはその昔、
「当旅券は北朝鮮以外で有効」の記述があったという。
これでも日朝の関係は少しずつ改善されている。
私は別に右でも左でもないし、
日本がどうだとか北朝鮮がどうだとか言うつもりも思いもしない。

ただ、「遠くて近い国」を見てみたかった。
地球の裏側よりも、見えない国がある。
しかし「見ようとしない」のは私のほうで、実はルートの開かれていた国。

私はその年、韓国語を勉強していた。
アジアに興味をなんとなく持ち始め、またアルバイトで働かせてもらっていた
会社は、韓国企業の日本ブランチで、社内の公用語は韓国語だった。
大学のテキストを引っ張り出して、「挨拶くらいは」と、予習を始める。

そして、出発の日がやってきた。

つづく

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