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2010/05/13

親からの視点

最近の子供時代の話を書いているのですが、これが予想を上回るレスポンスが返ってきております。特に家族からのコメントは強 く、先週のゴールデンウィークにこんな出来事がありました。弟夫婦と姪っ子は連休を利用して、関東から北海道まで、両親の暮らす実家へ帰省した時に「兄 ちゃん、Webマガジン書いているの知ってる?」と、両親に読ませたのです。

一ヶ月ぶりだろうか、久しく両親と話しもしていなかったし弟 夫婦も帰省しているという事でスカイプをオンラインにしモニター越しに家族の姿が…。途中から母親に変わり、開口一番「読んだよー」と浮かれない表情と 声。。。「しまった、あれ読んだか」と瞬時に思ったが時は既に遅し。

自分の息子が幼少の頃に、そこまで寂しい思いをしていたなんて知らな かったということ、小学校を通うようになっても、うちは店舗付き住宅の理容室(昔は「タナカ理容院」のちに「ヘアーサロンタナカ」、「ヘアーショップたな か」と屋号が変わっていった)なので、毎日学校から帰ってくれば「ただいまー」「おかえりー」といつも顔を合わせ近くにいるわけだから、そんなに寂しい思 いはさせていないと思っていたということ。

その当事の親の思いを一つ一つ思い出すように話をしてくれた。そして「正直、息子の記事を読ん でショックだった、心が折れた」と。「まさか学校の先生から、そんな虐めのような扱いを受けていたなんて知らなかったし、どうしてその時に親に言わなかっ たのか」とも、かなり衝撃を受けていたようだ。そして何度も「寂しい思いをさせてごめんなさい」と。

弟にも「子供の頃は寂しかったか?」 と尋ねたところ、「兄ちゃんが書いているのと同じかな…」と答えが・・・。そこでまたショックを受けたらしい。

もう僕も申し訳なくなって しまい、親に「ごめんなさい」と・・・二人で画面に向って「ごめんなさい」を何度も何度も。母の日を前に、親を泣かせてしまった。

そこ で、当事30年以上も前の親の心境も聞いた。(でも執筆の題材になるからねと断りをいれた(笑))

2歳、3歳の自分の子供が、抱っこし てと側に寄ってきていても、お客さんがいるからドアを閉めて部屋にいなさいと「言わなければならない」親の心境が、どれほど辛いものだったか。ドアの向こ うで「ママー」と声が枯れるまで泣いている子供を振り切って、お客さんのために、生活のために、仕事を続けなければならない親の気持ちがどれ程のものか。 お腹がすいているだろうに、きちんとした食事を作って与える事のできない辛さ、仕事とはいえ親として抱っこすらしてあげる事のできない悲しみ。親も毎日毎 日心の中で泣きながら仕事と子育てを両立してきた苦労。

それは当事の親の年齢に自分がなった今、理解しているつもりです。だからこそ育て てくれた両親に感謝できるようになったのです。親の職業を恨んだことはあっても、親を恨んだことは一度もありません。

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【当事の写真。左前が弟ヒロ、右前がヤスユキ、後ろに両親】

どうして、この執筆 に幼少の頃の話を取り上げたかという理由も話をした。自分が見習いで住み込みで修行して耐え抜く事ができたのも、海外でゼロからのスタートを切ったのも、 親の姿をみながら育ったおかげだし、「お客さんが来てくれるからご飯が食べれる」、「だからお客さんに感謝しなさい」、子供の頃から教わったこと。それれ が誰からも習うことなく自然に身についたのも、自分の育った環境が良い結果をもたらしたと信じています。

子供の頃に、ご飯に髪の毛が入っ ていることが珍しくなく、それを母親に訴えると「その髪の毛のお陰で、毎日ご飯が食べれるし着るものも着れる」。その食べ物に入ってしまった髪の毛を一度 も「きたない」と言った事がない親。

「あなたの知らない人でも、ご近所さんは床屋さんの息子って分かっている、きちんと笑顔でこんにちは と挨拶をしなさい」、「悪い事をすると店の評判までもが悪くなる、親に迷惑がかかるのだから、外で悪い事はしてはいけない」、「女の子には優しくしなさ い、自分がされて嫌だと思うことは他人してはいけない」。この三つは昔から言われ続けたこと、でも大人になった今でも通じている。

スカイ プを切る寸前に母親が言った言葉「もう、言いたい事を言ったからスッキリした!思い切って好きな事をどんどん書いていきなさい!」と笑顔だった。さすが自 分の母親だ!潔い!お言葉に甘えて遠慮しません。

この家族だったからこそ、今の自分があると胸を張って言える。

有り難 う、お父さん、お母さん。そして弟のヒロ。

今、ブリスベンは秋です。

2010/05/13 12:20 | 第三章 われ、弱ければこそ | No Comments

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