2008.05.25

>コラム(新発見)「ふんわりタマゴ炒めへの道」

毎度ばかばかしい料理の話など。

突然だが、俺は料理が好きだ。

食べるのも好きだし、作るのも好きである。

先日は終電がなくなった事務所の後輩をうちに泊め、腹が減ってないというのに2時から手料理を振る舞い、優秀なエンジニアたる

彼をして涙目にさせてしまったくらい、俺は料理が好きだ。

わかってもらえるだろうか?

料理好きなわたしの唯一苦手、卵料理。

ニラタマはもちろんトマトとタマゴ中華炒めなど、いためてタマゴを料理するのが上手じゃない。ふんわりいかねーんだよ、これが。

コツは火力らしい。レシピや料理番組で見る限り、猛烈な炎が中華鍋をあおっている。

我がコンロの火力が弱いからだ。

火のせいなんだから、いかんせん仕方ないのだ。

そうおもってきた。

昨日も特価のニラ(群馬産)を3束買ってきて、リベンジにらたまを作ってみたのだが、15分後かなり気合の入った塊である炒りタマ

ゴとニラが中華鍋内に散見される結果となった(写真は自粛)。

ふうむ、やはりだめか。

強力な火力のコンロや、いろいろと使い勝手がいいらしいIHコンロに目が行く今日この頃である。
 

ほぼ、勝手なおれの趣味のお料理コラムとなっているが、どうだろう?

普段は難解な単語をちりばめて行革だ、格差社会だとガナっているワタクシ黒川が実は料理大好きニンゲンだというのはちょっと

した新発見ではなかっただろうか?

一皮向けばわかんないもんなのである。

ぱっと見で人を判断しがちな日常。経歴や肩書き、名刺や物腰であいてを見がちだし、経験や状況に基づいた判断はある意味で

合理的だ。

しかし、意外なところに新発見は転がっている。

それはジャンクを読み続けることで見つかることもあるし、謙虚に明日も人に接することで見つかることもあるだろう。そして、サポ

ーターのおばちゃんにアドバイスを求めることで見つかることもあるのである。
本日の新発見。
タマゴを溶いたときに、片栗粉を入れるとタマゴがふんわり仕上がるわよ(byサポーター中華屋のおばちゃん)。

2008.05.19

■本編>派遣にまつわるエトセトラ ①

突然だが、俺の妹の話をしよう。

彼女は某派遣会社と契約し、派遣社員として働いている。時給1700円。2時間残業すると時給は1.25倍だから1日で18000円! 

これを週5日続ければ月給36万円。…20代では確かにかなりの高給である。

記事を書いたり、編集したりというちょっと技術のいる仕事をしているらしい。

そしてもうすぐ大台に乗ろうという彼女自身は派遣で働く自分に何の疑問も持っていないそうな。

「お金はいいし、旅行にいけるし、楽しいじゃん」。

わが妹ながらまさにキリギリス(妹が昆虫だから俺も昆虫だ)。

問題は「今」じゃないのだ。

20代ー30代は家庭を持った際の生活基盤を作ったり、職業人として生きていくための技術・経験を蓄える期間。

多くの派遣職場は技術や能力が身につくような環境ではないし、歳をとったときの転職可能なキャリアを提供しない。

いい派遣の職場だってある?

あるかもしれない。

しかし考えてみてほしい。

あなたが社員や管理職だとしたら、すぐに別の職場に移動してしまうことが明白なスタッフには、どうしたって必要最低限以上のも

のを教える気にならないのではないだろうか。

すぐやめちゃうかもしれないバイトさんや派遣さんには、最低限のルーチンだけ無難にこなしてほしいというのが経営側の本音であ

る。

だから基本的に派遣を何年やっても職業スキルは上がらないのだ。

2008.05.13

■本編>労働のジャストインタイム ③趣味の労働

従来いわゆる『フリーター(派遣含む)』とは豊かな社会が生み出したモラトリアム継続人間であり、一種の贅沢病とみなされて

いたよね。しかしながら実はこれ、日本経済の構造が変わったことに伴うマクロ経済問題なのだというのが最近のトレンド。つまり

フリーターで増えているのは、本人の精神的な問題ではなく、日本の労働環境の劇的な変化に代表される経済社会のせいであり、

もっと言えば国のせい。(してもしょうがないけれど)その気になれば、仕事がうまくいかない理由を日本という国のせいにして責任転嫁できるのだ。

「社員の中高年化がすすんでいる大企業ほど、中高年の雇用維持の代償として新卒の採用と抑制している。高齢化の進展に伴い、高所得や能力開発の機会を提供する雇用機会が多くの若者から失われた代償、それがフリーターの代償なの

である」とは労働経済学者の玄田有史氏である。

一方で、東京学芸大の山田昌弘氏はパラサイトシングルに代表されるように卒業後も自宅に住み続けられるため、生活
コストを両親に負担してもらう若者たちの間に「労働の趣味化」がすすんでいると指摘する。家賃や光熱費など基礎的

生活条件を親に負担してもらっているため、生活をかけて働く必要がなく、そのため自分にあった(と本人は信じ込んでいる)職やプライドを保てる職にこだわり、なかなか定職につかなかったりいったん就職しても自分に向かないと感じた仕事をすぐ

にやめてしまうのではないかというのだ。 さてこのように理由はいろいろありますが、ともかく増え続けるフリーター(含

む、派遣社員)。

けど、フリーターのなにが悪いの?

本論は、いよいよ終盤に差し掛かります。

2008.05.01

■本編>労働のジャストインタイム ②フリーターと派遣の微妙な関係

フリーターとは一般に「定職につかず、パートタイマーやアルバイトといった一時雇用等で生活している若者」を


指す。めんどうだが内閣府に定義してもらうと「
15-34歳の若者(但し学生と主婦を除く)のうち、パート、アルバイ ト、派遣社

員、及び働く意思のある無職の人」であり、その数は90年の183万人から01年417万人にまで拡大している(調査の数字は特筆が

ない限り内閣府調査・定義を引用)。


驚くべきは、派遣社員もフリーターとして扱われている点である。とかく社会では

 
フリーター < 派遣社員

 
という構図があるような気がしていたが、実はこの両者は同様にカテゴライズされている。たしかに派遣社員はフリーターと比較した場

合、企業との間に派遣会社が介在するだけシステム的に守られているものの、本質的に労働組合があったり、福利厚生があるわけではな

いし、昇給もないし保険組合も脆弱だ。このようにいわゆる「正社員」とは根本的に異なる派遣社員は、生活の不安定さや将来キャリア

の構築という意味においてじつはフリーターという大枠のなかにしっかりと含まれているのである。

2008.05.01

>コラム「魔法の言葉。選挙とは背広を着た人間同士の戦争である」

「選挙なんです!」
わたしたち政治家予備軍及び候補者にとってのmagic word.
古今東西を問わず「選挙」の二文字こそ、魔法の言葉に他ならない。濡れ手に粟の儲け話を前にしても、妻との関係がこじれていても(この場合はむしろ)、アドレナリンが体を駆け巡り、とにかくこの言葉にいきり立つ。

自分の選挙より、むしろ親しくしている仲間の選挙に燃えるのが通常である。
なぜならだいたい自分の選挙に対峙する候補者の心情は千々に乱れるからだ。戦いの興奮は最高潮に達するが、同時に不安と焦燥にさいなまれ、正常な判断力を喪失する。したがって戦略やスタッフの確保、財務などキャンペーンはスタッフや事務局長(選挙対策チーム)の手に移り、候補者は蚊帳の外というのが通常。決められた作戦を忠実に実行する操り人形になるし、なるべきである。ときに経験の浅い候補が選挙戦術に口を出してこのバランスが崩れることがあるが、きまって選挙は失敗する。政策以外で候補者は口を出さない。政界において、これは万有引力くらい決まりきった法則なのだ。

話を戻して、仲間や恩人の選挙。
恩義や友情を感じている当人(候補者)は、上記の理由により思考停止している。いわば不能力者。気持ちはあせるが空回りしているわけだ。とたんに「俺がやってやらなきゃこいつは負けちまう」という母性にも似た感情が、周囲に芽生えてくるのである(うそだと思うなら選挙直前の候補者に同行してみよう。別名ボランティアスタッフとも言う。我が事務所も、熱烈なボランティアスタッフを大募集している)。

こうして仕事を休み、家庭を顧みず、不眠不休での作戦立案が始まる。言っておくが、選挙は現代における戦争である。公然と相手陣営を攻撃し、自分の主張を大声で訴える。選挙戦以外の舞台で行えば、どちらも名誉毀損罪及び侮辱罪、状況によっては威力業務妨害などいろんな罪に問われるが、徹底的にやりあっても選挙だけは合法なのだ。

特に1対1の選挙は熱くなる。市長選挙や衆議院小選挙区が燃えるのは、敵の顔が見えるから。敵陣営の兵力(スタッフ数)、資金、補給力、機動力(クルマ、自転車)、そしてマニフェストに代表される敵方の戦略。
一つ一つを分析し、味方陣営はどんな戦略で、どのエリアに攻め込むか。候補者に街頭で演説させる内容さえときには選挙対策チームが決定する。総合力の勝負なのだ。
地域コミュニティーが選挙区だけに、甘い勝負をすれば敗戦後にどんな日々が待っているかは明白である。

背広を着た人間同士の戦争こそが、選挙。
燃えないわけがないマジックワードである。

書を捨て選挙事務所に行こう!

2008.04.14

プロポーズとパルプンテ。

ギャンブルなんでしょうか、プロポーズってのは。
交際期間の間にしっかりと外堀埋め、何気ない言葉の端々で彼女の気持ちをしっかりと確かめてから…。
城攻めのようにしっかりと手順を踏むのが正当なプロポーズなのでしょう。
一世一代のギャンブルとしては、およそあるべきではないのがこの言葉。
「ぼぼ、くと結婚してくださいっ」
けっしてどもってはいけないのがこの言葉。
 
しかし時に人はギャンブル的にこの猛威を愉しむ。
なにせこの言葉の前に上も下もない。
どんなに不機嫌であろうとも、バラエティ番組に夢中であっても。
この呪文は一撃で彼女を白日のスポットライトに据える。
 
パルプンテ…
そんな魔法がかつてあった。
大体はろくなことが起きない。
 
プロポーズとパルプンテ。
ギャンブルとしてのプロポーズ。
そろそろ口にすることになる。

2008.03.25

■本編>労働のジャストインタイム ①必要なときだけきてください。

1999年、産業界の要望に応える形で改正労働派遣法成立。
これにより、制限されていたいろんな業務への派遣が可能になった。これまでは(危険だったり、不正規雇用が常態化してしまうため)非常に厳しく職種が制限されていたので乗り出してもうまみがなかった派遣ビジネスだが、この改正によって一気にマーケットが広がったわけだ。

一度採用しちゃうと定年になるまで人件費がかかるのが正社員。生涯賃金は2億―3億円といわれている。それだけの買い物をするのが怖かったから新卒採用を控えてた企業だが、現場に人材が必要なのは事実。その点派遣社員なら一定期間だけ雇用して、時がきたらやめてもらえる。

 

世界に冠たるトヨタ自動車は在庫を残さず、必要な部品をすぐに工場に届けるシステムを作った。これが「ジャストインタイム(必要なときに必要なだけちょうだい)」と呼ぶ。世界中で参考にされている産業システムだ。

誰が呼んだか、この改正労働派遣法をして「労働のジャストインタイム」。

こうしていまをときめく派遣がうまれる素地が出来上がった。

2008.03.17

コラム>ぶかぶかスーツの責任者

冬のとある日、私と行政担当官は茶色の芝生が敷き詰められた広大な中庭を横切ってとある大企業の事務棟へ向かっていた。

受付で待ち構えていたのは年のころ、20代。若い若い担当者。
お待ちしておりましたというせりふもぎこちない彼を、私たちは受付担当の若者かと思った。
だってあまりに若すぎる。きっとあとで中年の課長あたりが出てくるのだろう。これまでは常にそうだった。

体のラインに合わないぶかぶかのグレーがかったスーツを着て、二階打ち合わせ室へと案内する彼は明らかにそんな役目の新人に見えた。
すそが長すぎて躓きそうだな、ってなことを考えつつうつむき加減についていく私たち。
先方はグリーンのロゴが印象的で、名前を知らない人がいないほどの業務規模を誇る企業。かつ今回は行政も絡んだ広告媒体の打ち合わせとなれば結構な規模の話になる。
さていつごろやり手の課長は出てくるのか…
そんなことを思っているうちにお茶が出てきて、名刺交換。
いつのまにやら場がなごみ、彼に向かって世間話をする羽目になり、ぼくちゃん(失礼)からはなにやら”そろそろ仕事を進めましょうか”的ビームが飛んできている。

え、彼でいいの?
どうみても20代前半だけど、御社の広告宣伝責任者として扱っていいの??
ここでいろいろ決めちゃうよ???

私たち二人の戸惑いと困惑は消えることがないまま、約30分の打ち合わせは終わった。
どこまで踏み込んでよいのか、結局わからずじまい。
だって彼にどこまで権限があるのかわからなかったんだもん。

「次回以降で決めていくんですかねえ?」
「普通初回の打ち合わせには関係者は全員顔をそろえるもんだけれどねえ?」
なんてこぼしながら、私たちは撮影クルーが次回のCM制作を続ける賑やかな中庭を横切り駅へと向かった。

さて一気に東京が暖かくなった3月中旬、メタリックな最新型をやり過ごし、旧型のオレンジ中央線に揺られてて思いついた。
そうか、自分より一回り年下のやつらがいよいよデビューし始めたんだ。
そんな初めての経験に対応できず、私は何か妙に不愉快で引っかかっていたんだな。だって10歳も年下のやつらと仕事の話なんてしたことなかったものな、これまで。そんな若いやつらが現場の第一線にデビューしてるなんて、信じられなかったわけだ。
私が最初に起業したのは二十一歳のころ。
風優しい松本で、あの頃私を取り巻いていた大人たちの戸惑いと優しさに初めて気がついたような気がした。
大人として扱ってもらうため、必死で背伸びしていた自分たち。
きっとあのころの大人たちはそんな難しい年頃の私たちを、上手に扱い伸ばしてくれたんだなあ。

もし私たちが次回も、様子見の打ち合わせを続ければ彼はすぐに差し替えられるだろう。
やっぱりお前にはまだ早かったか。まだしばらくは議事録とってろよ、みたいなことになる。

「いいですか。そんなことにならないよう次回以降はしっかり、大人として扱ってやってくださいよ。」
二十歳の頃のわたしから、小言が飛んできた。

2008.03.04

■本編>なぜこうなったのか? ③よし、派遣法改正!!

とにかく人件費を削らなきゃ…

そのための新卒の採用抑制。これによって一時的に人件費を削減することが出来た。

年配の社員のほうが新卒より給料ははるかに高いのだけれど、組合やら解雇無効法規やらいろいろあってカンタンには彼らの首

は切れない。

ならとりあえず緊急避難で新卒の採用をゼロにすれば、とりあえず人件費は抑えられる…。

前回はここまで企業側の理屈を抑えた。しかしですな、採用をおさえて人件費を削るのはいいけれど、その結果業務に支障が出る

ようでは本末転倒だよね。事務や営業、工場人員などあちらこちらでやはり若い人材へのニーズは切実。

うーむ、新卒をとらずに、若い人を雇うことは出来ないだろうか。

バイト雑誌に広告を出してみても高い広告費を取られる割に採用できるかどうか、いつも不安定。もちろん、応募がゼロでもお金

は取られる。

お金を払えば確実に若手人材を何とかしてくれるサービスはないものか。

当時の労働者派遣法ではこの手の業務を若い派遣さんにお願いすることが出来ないため、人件費のかかる社員をそこに置くしか

なかった。経営側からすればそのあたりをまとめて斡旋してくれると楽なんだが…。

なんとかならんか派遣法?

こんな経済界からの要請に応えて、政府は派遣法の改正に乗り出した。

専門職だけじゃなく、もう少し派遣業務を拡大してもいいんじゃないか。

一般事務に加えて、工場内労働や営業職への派遣を認めても、それほどの混乱はおきないだろう。業者登録を厳しくすることでレ

ベルを保てばいいじゃん。経済界の要請に応えなくては税収は落ち込んだままで財政もうまくいかないしさ。

よし、1999年 改正労働派遣法成立。
(続く)

2008.02.26

■本編>なぜこうなったのか? ②派遣法の理想と現実

高時給で働きたいときだけ働ける。やりたいことのために若い人生を燃やしているぼくらと会社のニーズがマッチした

派遣法。バイトよりはるかに時給もいいし、理想的なシステムに見える。だが世の中ってのは甘くないもので、この制

度自体「必要なときに必要なだけ労働力がほしい」という会社側の要望によって、法律の枠外で”派遣社員”が生まれ

たといってもいいくらいなんだ。 
■ 「派遣」を生んだ1999年の法改正そもそも派遣業は雇用者と派遣先が異なるために労働管理がうまくいかない恐れがあったり、簡単に首を切られる恐れ

があったりすることから、その業種は厳しく制限されてた。知的労働や特殊技術を有する業務など13職種に絞られてい

た。これ以外の業務を行う場合は通常の正規雇用をするしかない、となっていたわけ。これがいっぺんに変わったのが

99年。

時は90年代後半。バブル崩壊!
イケイケバブルがはじけて、苦境に陥った大企業は太った体をシェイプアップする必要に駆られる。新規の業務発注や

システム管理費の削減、中間業者へしわ寄せをしてなんとか生き残りを図り始めた会社にとって、人件費の抑制もまた

避けては通れない道だった。 


真っ先に手をつけられたのが新卒採用の抑制。業種によっては採用ゼロというケースがあふれた。
93-04くらいまでの

約10年間。就職氷河期と呼ばれ、新卒採用は劇的に絞られた。従来は毎年の退職者を新卒や中途採用で補完していたわ

けだが、この両者を採らなければ退職者の分だけ人件費は純減していく。今年100名退職者が出た。通常なら新卒を80

名、中途で20名を採用して退職者分を穴埋めしていたが、採用を手控えれば1年間で200名純減。マジック!     

採用をゼロにすれば20年後、25年後に同期社員が1名もいない年代が生まれる。これが将来の技術伝達や人材育成に大き

な禍根を残すことは火を見るより明らかだったが、緊急事態を迎えた大手企業は、現在の雇用を守るために将来を犠牲

にする決断をしたのだ。

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