2012/04/18

独立を決定づけた出会いはバスケットボールのプロコーチ、東野智弥氏に出会ったこと。慶應バスケのトレーナーをしていた桑井太陽君の紹介で当時は三井生命のアシスタントコーチをしていた通称クラッシャーに渋谷で代々木第2の試合の後あったのです。初めて会いましたが、すぐに意気投合して、バスケの可能性や人とは何なのかとか心の話をしました。

それまで独立して、会社を設立するのか、クリニックを開業したらいいのかなどなど悩んでいましたが、なぜかそんな形式はどうでもいいと思うようになったのはその時にクラッシャーと話してからだと記憶しています。その頃、ユニークな独自のスポーツクリニックをとりあえず開業しようと、トレーナーや栄養士のメンバーと毎晩打ち合わせをしていました。そこにもクラッシャーに参加してもらい、クラッシャーと何か一緒にできることはないかと模索しはじめます。そこで思い立ったのが、スポーツの教育性。スポーツを診るという医療から、「スポーツで診る」という活動に切り替えたのです。スポーツの持つ価値でたくさんの人に役に立ち、パッチアダムスのように人のQOLに貢献できるのではれば、それも広い意味で医療だと確信したのです。そこで会社も立ち上げ、子供たちのためのバスケ塾「チームエミネクロス」を生業の1つとして始めることにしました。スポーツクリニック的な要素とバスケ塾の共存する活動です。わけもわからず無我夢中で始めたように思います。今考えると事業計画などまったくなくやみくもに情熱だけでスタートしました。

その後、コーチクラッシャーは優秀なコーチなので、ブロンコスのヘッドコーチ、トヨタのアシスタントコーチ、レラカムイのヘッドコーチを経て、全日本のアシスタントコーチを今はやっています。早稲田の大学院も卒業して、優秀な卒論が表彰もされているほどです。今はそれぞれの道を歩いていますが、クラッシャーとの出会いがなければ今のわたしはないと言っても過言ではありません。感謝。グラッツェ!

そして、ついに独立して、さらなるいばらの道が始まることになるのです。今思うと苦労の連続がスタートします。その後のストーリーもお楽しみに。

2012/04/18 09:35 | 未分類 | No Comments
2012/03/30

ロンドンオリンピック代表を逃しました。残念です。

川内選手の素晴らしいところは、一言でいえば内発的動機。たいていの人は外発的動機、すなわち外側にある条件で動いています。お金がもらえるから、コーチが見ているから、試合が近いから、などなどです。

一方、内発的動機で生きている人は、そんな外側にあるような理由や条件は一切お構いなしに、自分の心のために活動・行動を起こすような脳の使い方を常時しています。このような脳をライフスキル脳と云います。
例えば、一生懸命にやることが楽しいからやる。理由などなく、ただただ一生懸命が楽しいから走る。走ることが好きだから走る。理屈などなくただ走ることが好き。新しい発見や変化が楽しいから走る。結果がどうのこうのなどなく、ただただ走ることに動機づけがあるのです。それが川内選手。川内選手こそ内発的動機の権化様のような印象を受けていました。スラムダンクでいえば桜木花道です。

マスコミはじめほとんどの人は外的条件が重視なので、公務員をしながら大丈夫ですかとか、公務員で忙しいですねとか、サポートがなくて大丈夫なのかなどなど、を質問してきますし、それを報道しています。川内君はそんな条件のことなど言われても、すごいとか関係ないなどと全く考えているのではなく、とにかく内発的動機で走っている。ただそれだけなのです。

ところが、東京マラソンのときには、さすがの川内選手もタイムや結果のために走ると、外部条件を初めて大きく口にして大会に臨んだように思います。7分台を出すとか、7分台でないとオリンピックメンバーにはなれないとか、いつもの川内選手らしからぬコメントが多発していました。プロセスを大事にする内発的動機から結果を大事にする外発的動機にシフトチェンジしてしまったのです。外発的動機をエネルギー源にすると、外側の状況に揺らぎととらわれが起きるので、人間のパフォーマンスは低下します。内発的動機で動いていた人から普通の人になってしまったのです。今回、東京マラソンにて2時間7分台で優勝し見事ロンドンオリンピックの代表に輝いた藤原新選手も内発的動機で走っているように感じました。川内選手も今回の大会で初心に戻れば復活すると思います。川内選手はもともと内発的動機で走っていたアスリートだから・・・。

今回東京マラソンで敗れた後、しばらく「みなさん、すいません」の言葉が多く、意識が確実に外側に向いていて、結果重視になっていた証拠です。しかし、それからしばらくしてオリンピック出場が正式に無理だと分かったときのインタビューで、こう答えたのが印象的でした。「最近、すいませんばかり言ってましたが、まずはありがとうって自分のために言わないといけなって気づきました!」と。再び内発的動機で動き出した川内選手のこれからが楽しみです。

2012/03/30 01:20 | 未分類 | No Comments
2012/01/25

独立しようと悩んでいたときに、患者さんを診たいわけではないので開業するでもなし、経営して儲けたいわけでもないので起業したいわけでもなく悩んでいました。

そんな時にパッチアダムスの映画を観たのです。ロビンウイリアムスが主演しているのですが、実在する人物のノンフィクション映画です。赤いボールを鼻に付けてたくさんの人たちを笑わすドクターの話です。人は見えないQOLで生きているという強いメッセージのある映画でした。

人は見えるものや数値化できるものばかりに囚われているけれど、本当に大事なのはその人がどんな気持ちで生きているのかということなのだと!QOL(クォリティーオブライフ)という言葉がわたしの心を打ちました。医療の世界でもドクターは患者さんのQOLではなく、コレステロールの数字か病気・症状を診ているだけで、患者さんそのものを診てくれるドクターは少ないと・・・。数字はその人のQOLを反映してないし、患者さんの名前すら知らずに病気と対峙しているのだと主張します。人そのもの、つまり心とか感じることに向き合おうという強烈なメッセージをわたしたちに発しているドクターでした。

しかし、アメリカでもそんなのは医者の仕事ではないとバッシングを受けます。医者は権威の存在で、病気を治すために存在しているのだ。QOLは医療じゃないし、笑いなどもっての他である。患者は友達だというパッチアダムスの主張にも、そんなのは医者じゃないと全否定されていきます。

しかし、そんな社会の中、QOLの大切さを主張し続けるパッチアダムス。次第に彼の理解者が世の中に増えていくのです。今ではウエストバージニアに「お元気で病院」という名前のゲズントハイト・インスティテュートを理解者たちとともに設立して活動されています。全世界に賛同者がいらっしゃいます。

わたしの人生のミッションはこれだと気づいたのです。ドクターとして人や社会のQOLをサポートしていくことをテーマに仕事をしていこうと決めました。開業や企業など形式はどうでもいい、QOLのためにできることをしていこうと!とにかくこのテーマで生きていこうと!

パッチアダムスは笑いが大きな手段でQOLをテーマにされています。わたしも笑いを手段に????そうわたしはパッチアダムスにとっての笑いがスポーツなのだともこの時気づきます。だから、スポーツ心理学なんだ、だからスラムダンクなんだ、などいろいろ整理されていくのです。そして独立を最終的に決断させるある人物との出会いが起こります。

2011/12/20

わたしは兼ねてより、すべての仕事は作品で、自分もアーティストだと言って働いている。そんな思いの中、最近かの有名なアップルのスティーブ・ジョブズが亡くなった。スティーブ・ジョブズといえば、まさにアーティストとして働き生きたビジネスマンではないだろうか?彼の伝記をさっそく感銘しながら読んだ。彼は独裁者、鬼才、奇人などいろいろな側面を有する一言では到底語りきれないキャラクターだということがわかるが、間違いなくアーティストだったといえるのではないかと改めて感じた。

この書籍の中で彼自身が語った言葉で印象的なものを紹介する。

まずは30歳の誕生日にプレイボーイ誌へのインタビューに答えたものだ。
『精神に組まれた足場のように、思考はパターンを構成します。実際、科学的なパターンが刻み込まれてゆくのです。ほとんどの人は、レコードの溝のようにこのパターンにとらわれてしまい、そこから出られなくなってしまいます。アーティストとして、創造的な人生を送りたいと思うなら、あまり過去をふり返るのはよくありません。自分がしてきたこと、自分という人間をそのまま受け入れ、それを捨て去らなければならないのです。自分のイメージを強化する外界の圧力が強くなればなるほど、アーティストであり続けることは困難になります。だから、多くのアーティストが「さようなら。もう行かなきゃ。気が狂いそうだからもうやめるわ」と言ってどこかに隠れてしまうのです。』
アーティストとしてのこだわりと、それを貫くことの難しさを主張している。年齢と外界からの圧力により、ほとんどの人はとらわれ、自由な創造性のアーティストから身を引いていくのだという現状をずばりついているのに心から同感せざるをえない。

次にiPodを世の中に出した頃のコメントも素晴らしい!
『僕は、年を取るほど、モチベーションが大事だと思うようになった。通常の仕事のほとんどがお粗末なのは、アップルと違って音楽や芸術を本当には愛していないからだ。アップルが勝ったのは、僕ら一人ひとりが音楽を大好きだったから。みんな、iPodを自分のために作ったんだ。自分のため、あるいは自分の友だちや家族のために努力するなら、適当をかましたりしない。大好きじゃなければ、もう少しだけがんばるなんてできない。もう一週間とがんばれやしない。音楽を大好きな人と同じだけ、現状を何とかしようと努力なんてできないんだ。』
好きな仕事をする。仕事を好きになる。好きを大事にビジネスをする。好きこそがビジネスに必要な条件の1つ。好きでやるものが勝つ。好きの価値は自然と生活や仕事の中で薄れていく。好きを大事に生きることが成功を生むのだという彼の信念に心から同感したい。

ちなみに、わたしが発行しているメールマガジン(http://www.doctor-tsuji.com/mailmaga/)で『すべての人はアーティストとして働く!』というタイトルの作品をつい先日送ったので、それを最後にご紹介する。
『わたしは”わたしのすべての仕事は作品だ”と考えて毎日生きています。 したがって、私はドクターでもありますし、会社の経営者でもありますが、自分をアーティストだと思って日々生きています。

さて、実はわたしはすべての人もアーティスト、すべての仕事はアートだと考えています。
先日ブルーノートにスタッフと訪れた際にそのことを確信しました。素晴らしいギタリストとピアニストの演奏を聴きながら心が豊かになりました。その豊かさにわたしたちはお金を払いました。
演奏家の2人はもちろんアーティストですが、その晩は演奏という仕事をして彼らはお金をもらいました。
彼らの活動は仕事なのでしょうか?アートなのでしょうか?どちらでもありません、区別などないのです。

誰かの心を豊かにするのがアートであり、仕事だと思うのです。
演奏の直前に美味しい食事をすることができたので、厨房にいるコックさんもお給料をもらって働いていますが、彼もアーティストです。演奏の間にお客さんが心地よく聴いたり食べたりできるように気を配っているウエイトレスの女性たちも、だからアーティストだし、汚れたお皿を下げてなくなったグラスにワインを注ぐのも仕事ではなくアート。それによりお客さんの気分は豊かになるのですから。
音楽家だけがアーティストじゃないんです。演奏する2人の音楽家がトイレに行って気持ちよくトイレを済ませることができたのも、結局は誰かに豊かな心をもたらせるために掃除をしてくれたおばさんのアートなのです。
演奏家もコックもウエイトレスも掃除の方もみな人の心を豊かにするために生きているアーティストなのです。そう、すべての人は誰かの心を豊かに気持ちよくするために、生きている、働いているので、それはすべてアートをしているアーティストなのです。
もしかしたら、機嫌よく生きているだけで誰かが喜び心豊かになるならそれだけでアートだと思います。

そして、どの人も自分がアーティストだとわかれば、どうやったらもっと多くの人にあるいはたった一人でももっと喜んでもらうにはどうしたらいいかを考え自分を磨こうとするに違いありません。
誰もがアーティストとして自分を磨いていくこと、それが生きる意味です。そして、自分を磨くことは一生続いていくのです。アーティストとしての価値はどれくらいの対価をもらっているのかではなく、自分が生きることによって誰かの心を豊かにしているのかということで決まります。
それは決して定量化できるものでもありません。アートなのですから。。。すべての人はアーティストとして、生まれてきているのです。それだけで存在価値があるのです。

アーティストして生きましょう。仕事をアートと思いましょう。
お給料の見方も変わるはず。働かされていることなどありません。どんな人も自分のアートを表現しているのですからね。自分を磨き、自分を表現し、自分のできることで、誰かの心の豊かさや気持ちよさを創出して生きる。その”生きる”をすべての人に享受してほしと心から願います。』

以上がメルマガの内容だ。

このJunkStageに投稿するすべてのブロガーはもちろん、読んでいるすべての人がアーティストだということを知ってほしい。

2011/12/20 10:20 | 未分類 | No Comments
2011/10/13

スラムダンク勝利学が出版されることにもなり、独立をどうやってするのか悩んでいました。大学の研究室では、スラムダンク勝利学の誕生はわたしの個人プレイのように理解されて、先輩からの風当たりがとても強くなってしまったのです。『辻が独立しても大学の名前がバックにないところにはスポーツ選手はもちろん誰も来ない』と言われてしまいました・・・。カチンとも来ましたが、どんな形で独立すればいいのかわたしもわかりませんでした。

そこで少し悩んだのですが、思い切って大学をまず辞めて、そこで本当に自分はどうしたいのかを考えればいいのではないかと再び大学を辞職することにしたのです。長女が小学校の受験をする直前の頃だったので、実は家内にも言えず、数日は大学に行ってくると言って喫茶店で1日中、時間を潰していました。リストラされたサラリーマンのようですね。今思えば・・。やるせない1日でしたが、その頃も喫茶でメントレをしていたのを今でも思い出します。来てくれた選手たちありがとう!

3日後くらいに思い切って家内に辞めてしまったことを伝えると、『また頑張れないいじゃない』と応援してくれ心の底からホットしたことを今でも思い出します。家内には一生頭が上がりません。感謝です。無職はまずいので、父が東海大学医学部の移植免疫学の教授だったので、東海大学に頼んで親父の研究室の研究員として無給で席だけおいてもらうことにして1年間独立の準備にとりかかりました。週末だけ当直に行ったりして食いつないでいました。

しかし、慶應いる頃にはできなかったいろいろな選手たちへのメントレや講演会を目一杯受けることにしました。スポーツ心理学に関する書籍を読みまくりました。この頃の経験がわたしのメントレの知識とアイディアの基礎といっても過言ではありません。結果的にありがたい1年だったのです。スラムダンク勝利学の出版は決まっていましたが、まだ世に出る前の年です。父の研究室は免疫や遺伝子といったことを研究しているのですが、その研究室で1人だけ書籍や講演会の準備の資料つくりをしていた当時のことを思い出します。完璧に研究室では浮いてましたね。当たり前ですが。

独立といっても、会社を作って起業すればいいのか、開業するのか?どうすればいいのかさっぱり分からず悩んでいました。患者さんを診るクリニックをやりたいわけじゃないし、だからといって会社を創って儲けたいわけでもない・・・。イメージはいろいろな人のメンタルサポートとスポーツのよりよい環境づくりみたいなことがしたいんだと。とにかくユニークなスポーツクリニックをやって、そこにくれば元気になってパフォーマーンスがあがるという前例のない施設をはじめようと思いはじめていました。

独立の準備をしているこの1年にわたしの今の人生に影響を与える出会いが2つあり、独立を決心させることになります。次回はその2人の人物との出会いと、独立のころの話をしたいと思います。

ホームページがリニューアルされました。ぜひご覧ください!!
▼スポーツドクター辻秀一 公式サイト

http://www.doctor-tsuji.com/

2011/08/15

最近の大きな出来事で言えばまさに「なでしこJAPANの世界一」。これはまさにいい心の状態でパフォーマンスが発揮できた、私のことばで言うとフローだったと思います。

いろんな場面で気づくことがあるかと思いますが、簡単な例で言うと最後のPKのシーンでの日本の雰囲気です。佐々木監督をはじめ、みんなが笑顔で、楽しそうでした。まさにこういう雰囲気がフローです。楽しそうだけどふざけている訳ではなく、“何をするか”がきちんと脳で明確です。上手く認知の脳が働きつつ、楽しいという心の状態、すなわち“揺らがず・とらわれず”(フロー)な感覚を、主に表情というツールを使いながらつくっていました。
自然につくり出したと思うのですが、自然につくり出せるくらい、普段から表情を大事にすることの価値をみんなが体感していたと思うし、楽しいということは決してふざけている時のことだけではなく、自分たちのパフォーマンスを最大に出していく“フロー”、になることを日ごろから大事にしていたのではないかと思います。

最後のシーンになった時に佐々木監督が突然「楽しもうぜ!」と言ったところで出来ないだろうし、選手も「何のことだろう?」と思ってしまうでしょう。しかし普段からそういうことの重要性をわかっていることが、あの場面でも行われた、すなわち心をまず大事にするということ(サッカーの長谷部選手も「心を整える」という本も出していますが、)が象徴されたシーンだと思います。
一方、日本の心エントリーな雰囲気に比べて、アメリカは世界ランキング1位・今まで日本に負けたことがない・勝てる試合で2回も追いつかれている・絶対負けることができないなど、結果エントリーになってしまっており、揺らぎ・とらわれている印象を受けました。その状態だと最高のPKをすることも出来ないし、キーパーも抑えなければ・選手たちも入れなければ、という結果エントリーの思考が揺らぎととらわれを生み、ノンフロー状態で結果を出せなかったのではないでしょうか。

日頃からライフスキルという脳の使い方を磨くことによって、ああいう状況を創りだせるということをイメージできることは、すごく象徴的なシーンだったと思います。

その他、なでしこJAPANからわかるライフスキルは、“好きを大事にする”“今に生きる”“一生懸命を楽しむ”などです。結果を出さなければいけない場面で急にこういった脳の使い方をするのではなく、普段から練習して習慣化していたらこそ、あの場面で発揮されたのではないかと思います。

なでしこJAPANにはなることができませんが、ライフスキルを皆さんも磨けばよいパフォーマンスがあなたにもやってくるでしょう。是非こういう脳の使い方を日ごろから意識していただきたいな、と思います。

2011/08/15 11:21 | 未分類 | No Comments
2011/07/01

“スラムダンク”の閃きが運命を!

私の画期的な思いつきと閃きとは、スポーツ心理学で確立されたさまざまな理論をメンタルトレーニングとして応用するにためのわたしのオリジナルメソッドとして、あの有名な“スラムダンク”の漫画を使うことだったのです。この頃から見えない心をわかりやすく伝えるために、毎日のように朝から晩までネタを探すようになりました。

その第一弾に思いついた画期的なアイディアこそスラムダンクだったのです。あの漫画は当時、大学体育会でスポーツをする奴で読んでないものはいないほどでした。最初は漫画をコピーしてはスポーツ心理学の内容をそれに添えて慶應の体育会の連中を相手にメントレをしていました。『スラムダンク勝利学』の基となる内容はこの頃に生まれました。体育会のメンバー1人1人にコピーをして資料を作成していたのですが、著作権にも触れますし、何よりコピー代が馬鹿にならなくなってきました。

そこで思い切って井上先生にこの話をして、許可をいただこうと会うことを決めたのです。どうやったらお会いすることができるのか?考えに考えました。当時バスケ協会の仕事をしていたので、この話をどこかバスケ関係の雑誌とくっ付けてもっていったらどうだろうと。。。。バスケットボールマガジンの編集長にこのアイディアを持ちかけたところ、井上先生にアタックしてみてくれるということになったのです。そしたら何とOKが出ました。バスケットボールマガジンにスラムダンクに学ぶ勝つための勝利学なる連載が始まることになったのです。それはもうびっくりでした。連載はもちろん好評で、何より井上先生がゲラをお送りするたびに楽しみにしているとのコメントをいただくようになったのです。それは信じられないことでした。

連載も26回のうち12回位が過ぎた頃に井上先生と直接お会いすることができました。下北沢の居酒屋です。今でも覚えています。感動でした。その時に井上先生がこの連載はバスケの人たちだけじゃなくていろんな分野の多くの人たちにも読んでもらった方がいいよと言ってくださいました。

書籍を出すなど全く頭になかったのですが、まず自費出版で小冊子を作成しました。その当時ないお金をはたいて清水の舞台から飛び降りる感じでした。当時から仲良くしていた元レラカムイ北海道のヘッドコーチで現在は全日本のアシスタントコーチをしている東野コーチが新宿東口になる紀伊国屋本店に直接この小冊子を持って行ったところ、当時の店長がOKを出してくださり地道に売れ始めました。さらにそれを読まれた読売新聞の方がある日それを夕刊に取り上げてくださったんです。そしたら、その夕刊が出るかでないかの時に電話が鳴り続け多くの人に読んでもらうことになるのです。その勢いで井上先生が書籍という話をされたので、正式に出版しようと思うと伺うとぜひと言われたので書籍にすることとなりました。そこから出版までもちょっとドラマがあります。

最初は井上先生が直接ご紹介いただいた井上先生担当の集英社の方とお会いしました。でもどうしてもこの方が合わず(井上先生の凄いところと自分自身を勘違いしているような奴に思えました)、お断りしました。当時本など出したこともなかったので、とりあえず知り合いの写真家に紹介されて小学館の方に話しをしにいきました。残念ながら当時断られたんですね。わたしは無名でしたし。

そしたら、井上先生の勧めで、集英社インターナショナルで痛快シリーズを作成しているのでそのスポーツ版を執筆してほしいと・・・。それは嬉しい話だったので一つ返事で受けました。ホテルの会議室で何度も編集やライターの方々との打ち合わせをしたのを覚えています。何しろわたしにとって最初の書籍だったからです。何もわからず勢いでやっていました。しかし、その痛快シリーズの作者たちはその分野の蒼々たる方々で、有名人ばかりでした。原稿もほぼできて出版間近かのある日、わたしはどうしてもわたしが出すには気が引けると弱音を吐き、唯一の自慢はスラムダンクに学ぶ勝つための小冊子(今の半分の内容)だと編集長に伝えました。すると驚いたことに編集長がそれじゃまずその本を出しましょうと。すでに原稿は26回分ありましたし、井上先生の了解も得ているので、それからわずか1カ月半で『スラムダンク勝利学』が完成し世の中に出版されたのです。ところが当初はなかなか売れず、苦労はまだまだ続きます!そこからわたしの独立へと繋がっていきます。お楽しみに!

2011/06/06

安藤美姫が先頃のロシアで行われたフィギュアスケートの世界選手権で優勝しました。優勝後のインタビューで“日本のために滑った”と言う素晴らしい名言を残しました。

安藤美姫は16歳で全日本を優勝し、オリンピックに2回も参加しています。しかし、本番のオリンピックではプレッシャーに負けて自分の力を出すことができず、明らかに精神的に参っている様子が懐かしく思い出されます。そんな中で精神的な強さ、わたしの言葉で言えばライフスキルという脳力を磨き、フローで生き・演技できるようになるきっかけが今のニコライ・モロゾフ、コーチとの出会いであったように思います。彼がどんなメンタル的なアプロ―チを安藤美姫にしたかは不明ですが、それまでの結果エントリーの彼女から明らかに心エントリーの安藤美姫に変化したように感じます。まず勝たなければ、まず上手く滑らなくてはという考えから、まず楽しまなければ、まず集中しなければという考えになったように思えます。その事がいい結果を彼女のもたらしているのだと思います。

今回の大会はキム・ヨナの復活に注目が集まりました。彼女は素晴らしい。演技に美しさがありますね。涙が印象的でした。また浅田真央が若い時の勢いをやや失い、認知脳が邪魔をし始め苦しんでいます。彼女のスケートスキルに値するライフスキルが今こそ必要に思います。真央ちゃんこそメントレが著効すると思います。そんな中で安藤美姫はやりました。安藤美姫の通訳をしていた女性と知り合いだったので、以前彼女の練習用のコスチュームをもらったのが自慢の1つです。わたしのオフィスに飾ってあります。安藤美姫のこの言葉はライフスキル脳の成長した現れです。誰かのためにプレイするとか演技するとか滑るのがいいのではなく、何かを応援しようという脳の機能が心に揺らがず・とらわれずのフロー状態を心にもたらしてくれるのです。安藤美姫は結果エントリーしないで、フローな心を創るために応援するというライフスキルを総動員していたのだと感じました。何を応援するではなく、応援しようと脳が考えれば、そのことにより心にフローが導かれるということがスキル化されているのだなと感心しました。これからも安藤美姫頑張れ、わたしも応援しています。

2011/06/06 10:14 | 未分類 | No Comments
2011/04/04

スポ研に限界を感じていたと同時に、新しい可能性を模索していたわたしに人生のステップを踏み出すきっかけとなったことがあります。それはアメリカの応用スポーツ心理学学会に参加したことです。日本の心理学会にがっかりしていたわたしにとって人生を変えるに相応しいインパクトがあったといってもいいほどの出来事出会いになったのです。

スポーツ心理学の先生方が事例を中心に発表されていきます。優位差検定の論文発表とは明らかに違いました。あるスポーツ心理学の先生が自分はニューヨークのジュリーアード音楽院で演奏家のメンタルトレーニングをしているんだとか、オーケストラ全体にチームワークトレーニングをしているのだと言う話を聞いて今でも忘れられないくらいの衝撃だったのです。次に発表されたスポーツ心理の先生が自分は病院で最高のオペができるようにドクターとパラメディカルの方々にメンタルトレーニングをしているんだと。さらには企業の中に入り込んでスポーツ心理学者として企業パフォーマンスをエクセレンスにするためにコンサルティングをしているだ、などの発表が相次ぎ、強く感動したのを今でも覚えています。NBAでこんな目標設定トレーニングをやったら上手く行ったけど、同じやり方をNFLで今年やっているんだけれどどうもしっくりいかないのですが皆さんどう思いますか?などという発表もある。要するにスポーツ心理学の学問的背景を基にそれぞれの人がそれぞれの対象にパフォーマンス・エクセレンスを実現できるよう応用しながら独自のメソッドを展開しているのだということがわかったのです。まさにわたしがやりたいことはこれだと。わたしのライフワークに出会った瞬間でした。

それからは日本に帰っても、どのようにしたらこのような仕事をライフワークにできるのか?わたしのメソッドをどのように確立したらいいのかを朝から晩まで考えるようになったのです。まずはもっとスポーツ心理学のベーシックを学ばないといけないということで、スポーツ心理学に関する書籍を徹底的に読み始め、そこで学んだものを慶應大学の体育会の連中に実践することを繰り返していきました。それから数カ月した頃、ある画期的なことを思いつきました。それが今のわたしのすべてを支えることになったのです。その画期的な思いつきがなければ今のわたしはなかったと言っても過言ではありません。

2010/09/02

JunkStageをご覧の皆様、こんにちは。
いつもJunkStageをご訪問いただき、ありがとうございます。

現在、「スポーツは世界を変える!」執筆中のライター・辻秀一さんが9月初旬までヨーロッパ滞在のためこちらのコラムを一時休載とさせていただいております。
再開は9月下旬です。
連載を楽しみにしてくださっている皆様には申し訳ございませんが、再開をお楽しみにお待ちくださいますよう、お願い申しあげます。

(JunkStage編集部)

2010/09/02 12:39 | お知らせ | No Comments

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