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2014/04/30

ジャズというのは元々ニッチな音楽というか、難しそうだとか、暗いとか、そんなイメージが強いみたいです。わからないから耳を傾けなくて済むということで飲食店のBGMに良く使われるくらい(笑)です。

でも、良く使われ始めると流石に「最近お店で良くジャズっぽいものがかかっているよね、あれってどんな音楽?」と思われるようになります。そして、初心者にも分かり易いジャズを演奏して裾野を広げよう、みたいな機会が増えてきます。
そんな時、知っている曲じゃないと耳を傾けてもらえないから、歌謡曲やポップスや知っている曲をジャズっぽくやろう、とか、アドリブは長いと飽きられるから聴きやすく短めにやろう、とか、ジャズを知らない人のほうに擦り寄る(言い方は悪いですが)方法を取ることも多い。また、そうするように主催者側から頼まれることも多いです。

でも、本当にそれでジャズが好きな人が増えるのかな、と疑問に思うのです。

ジャズを知らない人はまず「◯◯をジャズっぽくアレンジしました」と言ってもジャズっぽいって何よ?ということになりかねない。知ってる曲をやると「私の知ってるポップスやってるけどあの人たちのやってることって、ジャズなの?」となる。やる側の問題もあって、本当に自分がその曲を魅力的に思って、ジャズプレイヤーとしての自分のフィルターを通して昇華させて演奏しているならそれは立派なジャズと言えるけれど、「これやれば受けるな、聴いてもらえるな」という目的で演奏していても、それは聴き手の心に真に迫る演奏にならず、返って素通りすることにもなってしまう。聴き手はシビアなのです。

自分がジャズを好きになったキッカケを思い出してみると、どジャズを聴いたインパクトなのです。全くジャズを知らずに、そして聴いてもその音楽の内容がどんなもので何をやっているのかわからなくても、かっこいい!もっと聴きたい!という衝撃。演奏者の本気のパッションに胸を撃ち抜かれて、ジャズの魅力に取り込まれていく…。
今ジャズを聴いたり演奏したりしている人には必ずそういう瞬間があったことと思います。
ジャズ好きを増やそうとするなら、ジャズという音楽を人気が出るような方向にねじ曲げるのではなく、本気のジャズを聴いてもらえる機会を増やすことなのではないでしょうか?

自分がそういう本気のジャズを届けられるのか、ジャズを魅力を本当に伝えられるジャズミュージシャンだという資格があるのか、常に厳しく問い正しながら活動しています。

2014/04/30 11:51 | ジャズのお仕事 | No Comments

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