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2014/01/31

「ピアノを弾いてます」と言うと「お嬢様ですか?」なんて言われることもあって大抵は優雅なもの、というイメージを持たれているようです。でも実は体力も使うし、筋肉も使うし、ジャズになると初見でコードを読んでアドリブを考え、他の人のアドリブに瞬時に反応する集中力も必要になります。座っているけどなかなかに重労働です。一種の運動と言っても良いかもしれません。このコラムの題名「鍵盤の下のバタ足」にはちょっとそういうことも含めてあったりします。

体力的な部分だけでなく、難しいフレーズやパッセージを弾きこなすため、いい音色を出すためには、ピアノに向かう姿勢から肩、腕、手首、指の使い方や力の入れ方にもコツがあります。つまり「フォーム」を整えないといけないのです。そう言った意味でも「ピアノを含めた楽器演奏は運動と同じ」だと思っています。

よく出来ないフレーズをやたらと繰り返し練習すれば出来るようになる、と思われがちです。つまり練習は時間をかけなければいけない、ということにもつながります。しかし無闇に繰り返し練習するだけでは、その練習は一つの動作のため、一つのフレーズのため、だけのもので終わってしまいます。
運動ならあらゆる動きに対応することを可能にすること、つまり「思ったところに瞬時に身体が動く」これが楽器だと「浮かんだフレーズを瞬時に指で表現できるようにする」ためのものになります。そのために、まず「フォームを整える」ことが重要になってきます。もちろんフォームが悪くても何度も繰り返し練習すればフレーズは弾けるかもしれない、大きな音も鳴るかもしれない。でもどこかで余計な力ごかかって、手首や身体を痛めたりする人も少なくありません。
ピアノに対してどの椅子の高さ、距離でどの位置で座ってどのような姿勢を取ると1番無理なく良い音が出るのか、探してみましょう。そしてそれを覚えて繰り返して自分のものにします。
小さい頃から、自分の全体重を乗せるように、身体を使って弾きなさい、と言われながも脱力しなさい、と言われてかなり混乱しましたが、結局その両方は両立するものとわかるにはちょっと時間がかかりました。でもおかげさまで毎日ほぼ休みなく本番をこなし、ドラムや電子楽器などの大音量と格闘しながらも(笑)今まで腱鞘炎にもならず無事に演奏を続けていられるのも、小さい頃から習った「フォームを大切にする」ことを心掛けているからだと思います。

こんなこと書いてますが、運動は嫌いで全くできません(笑)悪しからず!

2013/12/31

 私は今現在は特に師匠についている、とかレッスンを
受けているということはありません。でも芸術の世界では
常に師匠に就くことは大事なことだ、とも言われています。

 ジャズをやりたい、と思い立ってネットで検索して初めて通ったのは
吉田ジャズピアノ教室でした。
ここで、ジャズとは何か、、色々なことを学びました。発表会
ではプロのベーシストとドラマーが来てアドバイスしてくれ
ましたし、その中で出会った方々と後々共演することにも
なりました。
 吉田先生は時に厳しくもありましたがいつもニコニコと笑顔で
「楽しく弾けるのが一番ですよ」と言ってくれました。まだ
司法試験を受けている最中だったので「ジャズの道に行って
ほしいと思ったこともあったのですが。。。」なんてメッセージ
をいただいたことも。。。すっかり今はジャズの道に入って
おります、師匠!

家が遠くなってしまったこともあり、通わなくなった教室ですが
その後少しづつ外の(お店の)セッションにも通い始めました。
そこでも具体的に書くとキリがないくらい色々なことを学び
ました。「うまい人と一緒にやりなさい」というアドバイスも
いただきましたが、プロの人と一緒にやることはもちろん、
アマチュアの方とやった時にも得ることは沢山でした。

大先輩のミュージシャンの方に声をかけていただいて、一緒に
ライブをやったこと、これも本当に良い経験でした。今考える
と、ジャズのジャの字も知らない未熟な私によく声をかけて
いただけたな、という感謝の気持ちでいっぱいです。
何よりライブという本番の緊張感の中で教わることは、自分
ひとりで練習するよりも何倍も何十倍もありました。

今も、先輩ミュージシャンの方との共演はもちろん、
年下であっても、経験年数が下でも、共演者から学ぶことは
沢山あります。それぞれ様々なバックボーンを持ってジャズの
現場に集まる共演者からは本当に刺激を受けます。
自分の知っている音楽なんてほんのほんの一握りです。

そして、さらにはお客様からも学ぶことが沢山あります。
一番客観的に聴いてくださる、ジャズ好き音楽好きの方々の
意見、感想、そして知識の広さ。。。

さらには、自分で自分の演奏を客観的に評価して改善して
いくことも大切です。このときは自分が自分の師匠かな(笑

クラシックをやっている頃は、特定の師匠について必死に
くらいついていくことが大切でした。ジャズの世界でも
そういった師弟関係で結ばれている人たちも沢山いて、
うらやましく思うこともあります。

でも今の自分にとっては毎日与えてもらっている演奏の場
一つ一つから沢山のことをもらさず吸収することが一番大切かな、
と思っています。

2013/11/30

11月1日に4枚目のCDをリリースしてから約1ヶ月が
経ちました。おかげさまでたくさんの方々に手に取って
いただけて、本当に感謝しています。こんな風に聴いて
います、この曲が好きです、音が良いetc…一つ一つの
感想が嬉しく、そして面白いです。自分が思いもよらぬ
ことを考えて下さったり感じて下さったり…。もちろん
「こういう感じで弾いてますよね」とか、ちょっと違う
なーというコメントもありますが、それは全然気にしない
んです。何故なら、一つ一つの作品、特にCDは、出来上がっ
た瞬間から演奏者のものではなくなる、と思っているから
です。自分はこういうつもりで弾いてさたからわかって
下さい、と言葉でいくら言っても、出ている音はもう
変わらなくそこに何度も流れるわけです。それを
どう受け取るかを、演奏者が操作することはできない。
受けとってもらったそれが、その人の感想だし、評価なの
です。そう考えると、このCDが音楽的にどう評価されるか、
ということについても、あまり深く考えないように
なりました。ファーストCDからサードを出す前くらいまで
は、他人の評価に一喜一憂したり、自分の演奏について
も悩んだり…。ジャズらしいとからしくないとか、オリジナル
がいいかスタンダードが良いかとか…。でも結局自分が常に
高みを臨みながら、成長し続けながら、良いと思うものを
発信し続けるしかないんだ、という結論に達したのです。
それが今回のCDでも「今の自分にとって一番好きで一番良い
と思う音楽」をパッケージに込めることが出来たと思うので、
それがどう評価されても、どう受け取られても、それを
受け入れよう、または気にしないで進もう、という気持ちで
いられるのだと思います。
もちろん、先ほども書いたように、皆様からの感想は
私の宝です。この感想が次の作品への意欲に繋がります。
だから、評価は気にしないといいながら、どんな風に皆様がCD
を楽しんで下さっているか、それはとても興味があるし
色々聞きたいなーと思うのです。

2013/11/01

 さて、音の作業と平行して、パッケージデザインに入ります。
今回も前作と同様、サカナデザインの石田尚一さんに依頼。
ジャケットになりそうな候補写真と、イメージ、音源を送って
作ってもらいました。最初に6パターンくらいの案がきまして
どれもとても素敵!この時点で沢山悩みました。メンバーにも
相談して候補を絞り、さらに2,3度やり取りをして(ここでも
沢山ワガママを聞いていただきました!)やっとジャケット
デザインが決定したのが9月の下旬にかけて。そこから
トータルのパッケージデザイン、フライヤーやポスターなど
販促物のデザインに入ってもらいました。

 また、中のリーフレットには評論家の高木信哉さんに
解説を書いていただくことになり、ある程度音が決まった
段階でデモCDを送りました。あまり期間もない中綿密に
インタビューしていただいて原稿を書いてくださいました。

 それから、試聴用にプロモーションビデオを制作して
もらいました。これも前作同様、伊藤孝司さんに作って
いただきました。まずは音源の中でどこを使用してどう
つなぐかを相談しながら決定。伊藤さんも自ら作曲家で
いらっしゃるので、イメージを伝えただけで色々汲み取って
やってくれます。そして写真や材料を送って映像にして
もらいます。これも何度もやり直ししてもらいました。
ありがとうございます!!

 9月は同時にCDの宣伝活動にも入りました。デモCDを
各雑誌社やお店に配布。レコ発ライブも100人以上入る会場
ですので気合入れて宣伝!!今までのお客様にお声かけ、Facebook
などのSNSの活用、そしてJAZZ雑誌に載せていただいたり、
レコード店にもPR・・・。
 そして、レコ発ツアーということで、新潟と福島を周ることも
同時に決定したので、その詳細のやり取りをしたり、新潟では
雑誌で取り上げてくださったりしたので、レビューやインタビュー
を書いていただいたりそのチェックをしたり。。。
 これを、毎日演奏活動をしたり、他にもツアーをやりながら
進めていったので、8~9月はとても忙しかったです。
この辺りの宣伝活動が一番苦手。決して知名度もない、事務所に
も入っていない、一人でやっているミュージシャンですから。
でも、1作目から比べると、大分色々な方に知っていただける
ようになってきたし、地道な努力は少しづつ実を結んでいると
思いますので、このまま頑張っていこうかな、と思っています。
 やっぱり「外山安樹子」という存在をどうにかして色々な
方に「知ってもらう」ことがまず先決だな、と実感しました。

 そして10月頭、マスター音源とリーフレット原稿を入稿して
プレスに出し、10月25日、無事我が家にモノが到着した
わけです。

nobodygoesawaymini

 さて、手塩にかけてつくり育てたこのCD、いよいよ11月1日
発売、5日がお披露目ライブです。

 どんなCDになったのかな、とご興味のある方はぜひぜひ
お手にとってみてください!全国のレコード店、ネットショップ
で注文できるほか、私のホームページではサイン入りでご注文を
承ります。

http://homepage2.nifty.com/akiko-toyama/Nobody.htm

 そしてお披露目レコ発ライブは5日渋谷「JZ Brat」
です。

11月5日(火)渋谷「JZ Brat」
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル2階
(渋谷駅 南改札西口より徒歩3分)
http://www.jzbrat.com/
外山安樹子トリオ:関口宗之(b)秋葉正樹(dr)

1st:Start 19:302nd:Start 21:00(入替なし
予約¥3,300 当日¥3,800学生¥2,500(要学生証)
(未就学児童は無料です)

当日は、CD即売会もあります。定価3000円のところ
この日限定で2500円で発売いたします。

ご予約は
03-5728-0168(平日15時~21時)または
http://www.jzbrat.com/liveinfo/2013/11/#20131105

 そして、試聴はこのPVから。
http://youtu.be/3osBiAGIPPY

2013/10/31

 さて、いよいよ録音の日。今回は2日間に分けて収録です。
水戸の「趣楽舎」というフリースペース。普通のお家のような
設備もあって、なおかつグランドピアノやドラムなどの楽器
があるホール、2階にはダンスのレッスンもできる広いフロアも
あり、色々使えそうな場所。エンジニアの山本さんも使い慣れて
いるようです。午前中に入ってセッティング。ピアノは備え付け
のものではなく、今回はスタインウェイを水戸ピアノさんから
お借りしました。とても弾きやすい!さらに調律師の須藤くん
が時間をかけて整音してくれて、軟らかい音になりました。

 一日目にほぼ全曲撮り終わり、2日目にもう一度やって
おきたい曲を決めて夜9時頃に一旦終了。中打ち上げということ
で焼肉に行きました。このトリオ、レコーディングの打ち上げは
なんだかいつも焼肉・・・リーダーが肉食系だからしょうがない
か(笑)

 二日目も朝から収録、朝ごはんを食べながら前日の録音を
聴いたりして、その反省点を生かして?収録したり。

 結果的にですが、1日目に収録したものが8曲、二日目に
収録したものが3曲選ばれました。やっぱり2日間かけると
その日その日で違った演奏になるので、面白いな、と思いました。

 さて、録音したものを持ち帰り、いくつか録ったテイクから
何を選ぶか、検討に入ります。それぞれ平均2~3テイク、
1テイクしか録っていないものもありますが、7テイク録った
ものもあって、どれを選ぶかは本当に苦労しました。YPM
レーベルの録音方法は臨場感を大切にする一発録り、それぞれの
マイクにお互いの演奏が入りこむので、後からの加工はほぼ
不可能なんです。だから余計、「このテイクはここがよいけれど
あそこが・・・」なんてことが沢山あって悩むわけです。でも
演奏の勢いや全体の雰囲気、アドリブの攻め具合etc、、、
CDにした時に気持ち良く聴けるテイクを選んでみたつもりです。

 採用テイクを決め、この時点でまだ題名を決めていなかった
曲の題名も決め、曲順も決定して、8月上旬にミックスダウン
作業に入ります。それぞれのマイクのバランスを整えたり、
一般的にはここでイコライザーやエコーを掛けて音を加工する
のですが、YPMはなるべく加工しない!!今回はほとんど
リバーブすら会場の響きを重視してかけていないのです。

 さてここで2つ目のトラブル発生!順調に作業していて、
さて、二日目の音源に入ろうとしたら、、、、ハードディスクに
入っているものを聴くと、何でか全部半音下がっている!スピード
も遅いし。。。何が起きているの状態・・・まさか二日目の録音が
全部パーに!?頭の中は一瞬真っ白。とりあえず1日目は作業
中断。でも原因と対処法はなんとなくわかっているみたいな山本
さん。大丈夫ですよ、といってその日は解散。後日復元できた
という知らせを聞いて一安心でした。

 さて、先ほども書いたように、YPMレーベルの信条は
「臨場感」最小限のマイクで、まるでライブがその場で行われて
いるような再生ができるように、音を録っていきます。
それゆえ、微妙なバランスの変化で聴こえ方も大きく変わって
きます。1回のミックスダウンで音が決定するわけではありま
せん。1度持ち帰っていろんな機械で聴いてみます。意見を
出し合って変更、また聞いて見て・・・その作業を3,4回
繰り返します。最終的に1ヶ月以上かけて音が出来上がり
ました!!土壇場になってワガママを言ったりしましたが
エンジニア山本さんが「妥協はしない!」と最後まで拘って
仕事をしてくれました。こんなに時間をかけてミックスして
くれるエンジニアさん、なかなかいないのではないでしょうか。

 音の話がとても長くなったので続きはその3へ!!

2013/10/31

この11月1日、ついに4枚目のトリオアルバム『Nobody Goes Away』が
発売になります!
ということでこのコラムでは、CDを発売するまでのスッタモンダを
色々公開しちゃおう!ということになりました(っていうか一人で決め
ました)小さなレーベルからジャズミュージシャンがCDを発売するって
こんな感じなのか~~と参考に?していただけたらこれ幸い。

 まずはアルバムそろそろ新しいのつくりたいな~~~と考え始めたのが
たしか、、、今年の春あたりでしょうか。普段クラリネット奏者で月に
何度か共演しているYPMレーベル社長の山本さんに3月ごろから
やんわりと相談。「泊まることもできて自由に使える趣楽舎という所が
あるよ」と聞いたのも録音を決めるきっかけでした。今まではホールで1日
のスピード録音だったので2日かけてやってみたかったというのもあり。
記録では4月1日に録音の場所を決めています。

 4枚目ともなると、今までのピアノトリオではなくゲストを入れたり
編成を変えたり、、、ということも考えましたが、ちょうどトリオとして
同じメンバーで活動を深めていたところだったので、この時点で3人の
サウンドをまた記録に残しておきたい、という気持ちもあり、また編成は
トリオにしました。

 5月、まずは札幌ツアーがあったので、その時にジャケットの撮影を
しました。今までジャケットについては録音後にあわてて考えたり
していたのと、故郷の札幌を画に入れて撮ってみたかったということ。
そして3人そろって札幌に、、、このチャンスを使わない手はない!
とのことで、演奏の合間のお昼を使って撮影決行!カメラマンさんは
友人のボーカリストの方から紹介していただいてアルバムのイメージ
を伝えたりロケ場所など事前に相談しながら決定しました。

 そして同時にレコ発ライブの場所も押さえます。先回もやらせていただいた
渋谷JZ Bratは大人気のライブハウスでだいたい半年前に動かないと
日程が押さえられません。この時点で発売は11月以降、という算段が
見えてきます。11月早めの日程が押さえられたので、以降は様子を
見ながら発売日を決めることにします。

 6月は収録する曲を考えながら活動。1回目の録音リハーサルも決行。
普段ライブでもツアーでも一緒にやっているメンバーなので敢えてリハ
の必要はなさそうですが、それでもCDに入れるとなると、普段と
同じ演奏内容ではなく、効果的に聴けるように内容を検討したり、
今回はスタンダード曲も入れるので何にすると良いのか、、、など
リハをやりながら練っていきました。オリジナル曲も新たに1曲書いて
新しいアルバムにも入れてみよう、なんてやってました。

 そしていよいよ録音の月の7月。録音4日前の朝、起きたらなんと
急に右手の人差し指の付け根が2倍以上に腫れ上がっている!!
なんでぇ~~??押すとちょっと痛い。ピアノは弾ける。でも
弾かないほうがいいよなあ。。と思いながらその日も仕事は休まず
人差し指なしで演奏。不便。翌日の朝一番で整形外科へ。折れては
いないとのことだけど「なんでこんなになっちゃったかねー」と
お医者さんも首をかしげて(笑)でも明らかに腫れているので
シップを出してもらって様子見。録音3日前。とても練習したい
けれど休ませるほうが先かな、と泣く泣く練習を諦める。
次第に腫れは引いてきて、録音当日も、少しはむくんでるけど、、
くらいになって、ピアノも弾けそう!一時は録音日程を変えようかと
悩んだので、無事この日を迎えられて一安心でした。どうしよう、、と
不安になった時にも周りに励まされて支えられました。ありがとう!!

 そして録音の日を迎えます。
(その2に続く・・・)

 

2013/09/30

先日生徒さんから「ジャズとポップスってどう違うんですか?」と
聞かれました。ジャズを習いたいけどジャズコースがないので
とりあえずポピュラーコースに通ってみたんです。。なんて方も
いらっしゃいますが、ジャズとポップス、大きな違いがあると
思います。
ポップスはとても広い言葉なので定義は難しいですが、「流行の
音楽」という意味で話していきます。その時代の流行の、という
ことなら、ジャズはポップスだった時代もあったんじゃないか?
と思いますが、今は残念ながら万人に流行している、とは言えない
ジャンルになってしまいました。

と、少し横道に逸れましたので話を戻します。
私もたまにポップス曲を演奏する仕事もしますが、基本的にポップス
は「譜面通り」の世界です。アドリブ部分も少しはあるかもしれません
が、そのサイズも決まっていて、1つの曲として決まった形が
あります。そういった意味ではクラシックに近いものがあるんじゃ
ないでしょうか?クラシックもポップスも何度も練習して決まった
音をより良く演奏することを目指すもの、といえます。

一方ジャズは、このコラムでも何度も書いていますが、「即興」が
重要な要素を占めます。譜面はほとんど必要でなく、コードを元に
自由に展開していきます。その展開の元となる材料としてポップス曲が
使われて、それが次第にジャズのスタンダード、という形になることも
あります。

ポップスでも、ある程度自由に演奏するジャズの要素を沢山取り入れる
人もいます。市販の譜面でメロディーだけが載っていてコードが上に
振られているもの、これはある程度ジャズの知識があると演奏しやすい
です。ポップだけれどジャズの4ビートのリズムやアドリブをどんどん
取り入れるポップスの曲や、ジャズのミュージシャンがポップな曲を
やることもあり、ポップスとジャズは融合できるお互いに柔軟性の
あるジャンルであるともいえます。

でもとりあえずジャズコースとポピュラーコース、どちらがよいかと
問われたら、ジャズやれたほうが面白いと思います。だってコードさえ
あれば、どんどん世界が広がっていくんですもの!!

2013/08/31

もう先月のことですが、外山安樹子トリオとして
3枚目、自身通算4枚目のアルバムを録音して
きました!過去2回は1日で録り終えたのですが、
今回は2日間、泊りがけで録ってみました。また
今までジャズスタンダードを1曲のみ収録していた
のを3曲に増やすことに。
3枚目のアルバムは、タイトルAmbitionの名の
ごとく、収録曲、アルバム全体の作りとしてとても
野心的なもの、今までで最高のものにしなきゃ、
という想いが強いものだったと思います。
今回は、前回2011年3月3日のAmbitionレコーディング
から今までに、日本でも私個人の中でも沢山辛いことが
起こって、それを受け止めながら、それでもやはり
音楽をやって行こうと静かに決意しながら書いた曲が
沢山詰まっています。大切な人は、今は近くから居なく
なってしまったかもしれない、けれど、生き続けてる、
きっと、自分の側にいてくれる…だから
『Nobody Goes Away』
こんなアルバムタイトルにしてみました。

トリオでも活動が5年近くになり、メンバーそれぞれが
より良いサウンドになるよう知恵を絞りながらベストを
尽くしてくれたことに本当に感謝しています。

やっとミックスダウンとマスタリングが終わりそうです。
発売は11月初旬になりそう。また順次色々発表して行きたいと
思います。

2013/08/31

 ジャズのライブに参加する楽器はもちろん、オーケストラ
でも、ほとんどの奏者は自分の楽器を持参して演奏しますが
ピアニストはそれがほぼ不可能です。ごく一部、自前のピアノ
をトラックで運びながらツアーしているという話も聞きますが
有名なピアニストでもその場所にあるピアノを選らぶことくらい
しかできないので、大抵はお抱えの調律師さんがいて、その人
に頼む、ということが多いようです。(実際調律師さんの腕に
よってピアノはグンと変わるのです!という話はまた後ほど)

 さて、ライブの現場にはお抱え調律師さんを頼むことも、
マイピアノの持参も到底無理な私。。。言うまでもなく日々の
演奏場所で新たなピアノとの出会いの連続です。
 初めて演奏する場所でのピアノとの出会い、それはいわば
お見合いのような感じです。種類や形は書類上ではわかって
いるけれど、実際に触ってみないとタッチや音色はわからない。
最初は探り合い、相性が良くてすぐに仲良くなれるピアノ、
なかなか心を割ってくれないピアノ・・・いろんなピアノが
あります。
 レギュラーで定期的に行っている場所のピアノ、これも
付き合い始めの友達と同じで、わかったと思ったらそっぽを
向かれたり、ふとした瞬間に急に分かり合えたり。。。
ピアノというのは大きいけれど繊細な楽器だから温度や湿度
の差で状態も変わりやすいし、毎日いろんな奏者に弾かれる
から弦が切れていたりハンマーなどの部品が疲弊して鍵盤が
戻らなかったり。。。
 どんなピアノだってその日の演奏が悪いとピアノのせい、
ではなくピアニストのせい、と思われることが多いのも事実です。
その日のその状態のピアノとうまく付き合っていくための
わざ、というのも身に着けなくてはいけません。こういうことは
なかなか教えられるものでなく、それこそ人それぞれに違う
ものなのだと思いますが。。。
 私の対処法をちょっとだけ明かすと、、、
思いっきり調律が狂ったピアノの場合、ハーモニーの妙を楽しむ
曲調のものは合わないので、ホンキートンクでも合う曲調のもの
にガラッとプログラムを変える!。音が出ないところ、ひどく狂った
ところはなるべく弾かない。響きすぎるピアノは抑えて、響かない
ピアノは頑張りすぎず(手を傷めたりするので)素直に電気の力
を借りて増幅させる・・・などなど。

 と、これまではひどい状態のピアノの対処法ばかりでしたが、
もちろん恵まれた良いピアノにあたることもあるし、どのピアノ
にするか選べる状況にあたったりもするわけです。で、どこの
ピアノがよいとか悪いとか、色々好みもあるわけですが。。。

 色々なピアノを弾いたり聴いたりしてきて思ったことは
「ピアノは個体差より個人差」なのです。
同じピアノを十人が弾けば十人十色。機械的に音を出すはずの
電子ピアノでさえ、弾き手によってぜんぜん音が違ってきます。
そして、最初に言った調律師さん、その腕によっても音色や
タッチが違ってきます。
 自分が気持ちよいなあ、と思うピアノの音を沢山聴いて、
そして自分が演奏する時にこういう音を出したい、と
思い描いて演奏する、これが良い音を出す秘訣かなと思います。

 今日出会うピアノにも私はこうして向き合います。

 

2013/07/31

前回のアドリブの習得法と外国語の習得法は共通点が多い、
という話題、色々反響をいただき嬉しいです。

一つだけ補足しておくと、私の考えでは「最終的には文法や
決まりなんて考えずに、自分の感覚を大切にして演奏する(話す)
ことが一番大切」だと思っています。
とりあえず喋って(何でも弾いて)みれば通じるかもしれない
のに、文法や単語が合ってるか(スケールやコードが合っているか)
を気にし過ぎてなかなか人前で外国語を話せない(アドリブできない)
、というのは自分も含め、多くの人が体験していることだと思います。
ここで自分のプライドや羞恥心をかなぐり捨てて、飛び込んでみること
もとても大事だと思います。そこで通じた時の喜びが、さらに上に
行こうという励みになると思います。

音も言葉も、人と人とのコミュニケーションツールの一つ、なんですよね。
ツールを使えるようになることだけに終始してはいけなくて、何を伝えるか、
しっかり持っていなくてはならない。
それはツールの勉強から離れたところに答えがある気がします。

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